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領都へ
第120話 クルシス1
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月の魔女と呼ばれるまで
第120話 クルシス
休憩を終えた後、クルシスに夕暮れ前に到着した。
街道沿いは、流石にモンスターが出てくること自体がまれの為、そこまで警戒せずに一気にクルシスまでの距離を縮められたのが大きい。
到着したのは良かったが、若干問題が出てきた。そう、沙更の身分証がないことと女性達と一緒と言う事である。衛兵達に説明が必要になるのは当然だったが、そこは冒険者ギルドのギルド証でなんとかなるだろうと言うことだった。
「セーナちゃんの身分証は、冒険者ギルドで作るか市民証を作るかになるんだけど、クルシスで登録はしないで欲しいかな」
「あそこだとどうしてもウエストエンドに比べると落ちる。エンシェントゲートで登録しなかったのと同じ理由だ。すまないが、ウエストエンドまで登録は待って欲しい。となれば、市民証か。確か銀貨2枚で作成可能だったよな?」
「詳しくは覚えてねえが、確かそれで間違ってなかったはずだぜ?」
「もう、リーダーもガレムも市民証は銀貨一枚で作成してくれるわ。確かに、セーナちゃんは開拓村の出身だから、身分証がないのよね。そこをすっかり忘れてしまっていたわ」
と言う話になり、市民証を作る事で決まったのだった。
この町で、ほとんどの女性達とお別れすることになる。ウエストエンドまで付いてくるのはリエットだけだ。
衛兵にお任せしようかと思ったが、休憩中にその話を振ったところ、そのまま送って欲しいと言われたのでそのまま送ることとなった。
ある程度、沙更の魔法を見せている事からこれ以上騒いだりはないと判断したのが大きい。それとムーンライトでの治療した後の経過観察が必要だったのもあってのことだ。
と思い返していたところで、衛兵たちがやってきた。
「クルシスの町に何の用だ?大人数で、しかも大半が女性となれば事情を聞かねばならん」
衛兵たちに、パウエルたちは自身の冒険者ギルド証を見せてから話を始めた。
説明をしていくと段々と事情を理解できたらしい。険しい表情が変わっていった。
「なるほど、ゴブリンの巣から助け出した女性たちだったか…。それならば大人数なのも納得だ」
「この町で、女性達を住まわせてもらえないだろうか?後、この子の市民証も頼みたいのだが」
「市民証ならば、銀貨一枚で作成は承る。女性達をこの町にか・・・。領主様に聞く必要性がある。すぐには決められないがそれでも良いか?」
衛兵の言葉にパウエルは頷く。もとより、それに拒否をする必要はない。わざわざ、領主に聞いてくれると言うのなら大丈夫だろうと思う。
クルシスの領主は、先代辺境伯の子飼いの部下である子爵が勤めていた。本当なら、先代と一緒に王都に向かうはずだったのだが、今代の辺境伯が無能なのでここだけでもましにしておきたいと残ったと言われる立派な方らしい。
衛兵達の話を聞いていての判断だったが、リエットを盗賊に売る親に比べれば落差が激しいと言うしかなかった。
早速、沙更は市民証を作る為の書類を出されて、それに署名していく。五歳とは思えない綺麗な文字に、衛兵達から感嘆の声が上がった。
「こんなに幼いのに、これだけの綺麗な字を書くのか」
「これだけ綺麗ならば、文官にもなれそうだ。幼いだけに、先が楽しみだろう」
と言われて、沙更はちょっと困った笑みを浮かべるしか出来なかった。誰かに仕える気は、全くと言って良いほど考えていなかったからである。
きっちりと書き終えた書類を提出して、十分後。銅の板で出来た市民証を手渡される。思っていたよりも重く、身につけておくとしても中途半端。
困った沙更は、そのまま虚空庫に入れることにした。必要な時には服のポケットから取り出した風を装えるからで、下手に持ち歩いてなくすよりは良いだろうと思ったのが本音だった。
2019/07/07 一部分、書き直しました。
第120話 クルシス
休憩を終えた後、クルシスに夕暮れ前に到着した。
街道沿いは、流石にモンスターが出てくること自体がまれの為、そこまで警戒せずに一気にクルシスまでの距離を縮められたのが大きい。
到着したのは良かったが、若干問題が出てきた。そう、沙更の身分証がないことと女性達と一緒と言う事である。衛兵達に説明が必要になるのは当然だったが、そこは冒険者ギルドのギルド証でなんとかなるだろうと言うことだった。
「セーナちゃんの身分証は、冒険者ギルドで作るか市民証を作るかになるんだけど、クルシスで登録はしないで欲しいかな」
「あそこだとどうしてもウエストエンドに比べると落ちる。エンシェントゲートで登録しなかったのと同じ理由だ。すまないが、ウエストエンドまで登録は待って欲しい。となれば、市民証か。確か銀貨2枚で作成可能だったよな?」
「詳しくは覚えてねえが、確かそれで間違ってなかったはずだぜ?」
「もう、リーダーもガレムも市民証は銀貨一枚で作成してくれるわ。確かに、セーナちゃんは開拓村の出身だから、身分証がないのよね。そこをすっかり忘れてしまっていたわ」
と言う話になり、市民証を作る事で決まったのだった。
この町で、ほとんどの女性達とお別れすることになる。ウエストエンドまで付いてくるのはリエットだけだ。
衛兵にお任せしようかと思ったが、休憩中にその話を振ったところ、そのまま送って欲しいと言われたのでそのまま送ることとなった。
ある程度、沙更の魔法を見せている事からこれ以上騒いだりはないと判断したのが大きい。それとムーンライトでの治療した後の経過観察が必要だったのもあってのことだ。
と思い返していたところで、衛兵たちがやってきた。
「クルシスの町に何の用だ?大人数で、しかも大半が女性となれば事情を聞かねばならん」
衛兵たちに、パウエルたちは自身の冒険者ギルド証を見せてから話を始めた。
説明をしていくと段々と事情を理解できたらしい。険しい表情が変わっていった。
「なるほど、ゴブリンの巣から助け出した女性たちだったか…。それならば大人数なのも納得だ」
「この町で、女性達を住まわせてもらえないだろうか?後、この子の市民証も頼みたいのだが」
「市民証ならば、銀貨一枚で作成は承る。女性達をこの町にか・・・。領主様に聞く必要性がある。すぐには決められないがそれでも良いか?」
衛兵の言葉にパウエルは頷く。もとより、それに拒否をする必要はない。わざわざ、領主に聞いてくれると言うのなら大丈夫だろうと思う。
クルシスの領主は、先代辺境伯の子飼いの部下である子爵が勤めていた。本当なら、先代と一緒に王都に向かうはずだったのだが、今代の辺境伯が無能なのでここだけでもましにしておきたいと残ったと言われる立派な方らしい。
衛兵達の話を聞いていての判断だったが、リエットを盗賊に売る親に比べれば落差が激しいと言うしかなかった。
早速、沙更は市民証を作る為の書類を出されて、それに署名していく。五歳とは思えない綺麗な文字に、衛兵達から感嘆の声が上がった。
「こんなに幼いのに、これだけの綺麗な字を書くのか」
「これだけ綺麗ならば、文官にもなれそうだ。幼いだけに、先が楽しみだろう」
と言われて、沙更はちょっと困った笑みを浮かべるしか出来なかった。誰かに仕える気は、全くと言って良いほど考えていなかったからである。
きっちりと書き終えた書類を提出して、十分後。銅の板で出来た市民証を手渡される。思っていたよりも重く、身につけておくとしても中途半端。
困った沙更は、そのまま虚空庫に入れることにした。必要な時には服のポケットから取り出した風を装えるからで、下手に持ち歩いてなくすよりは良いだろうと思ったのが本音だった。
2019/07/07 一部分、書き直しました。
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