月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

閑話8 続兵士達と司祭アレク

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月の魔女とよばれるまで

閑話8 続兵士たちと司祭アレク

兵士達は、エンシェントゲートから古代遺跡へと向かった。辺境伯から成果を出さない内は帰ってくるなと厳命されていた為であり、邪教の集団が入っていったことの調査もしなければならなかった。

はっきり言って、兵士達には荷が重すぎる仕事であった。騎士団でなんとかなるかどうか、下手して月女神の眷属と出くわしでもしたら即全滅が確定という超絶な難易度だった。

それでも行かねばならない兵士達に、エンシェントゲートの住民達はあまり良い感情を持っていなかった。いきなりの食料と物資の調達をされれば、暮らしに影響が出てしまう。

そういう点でも、やり方が悪かった。きちんとお金を払うなりしておけば、そう言うことにならないのだが辺境伯のそう言う浅はかな部分が兵士達にも伝染してしまっていたからだ。

古代遺跡に入った兵士達は、古代遺跡に漂う浄化の光に驚く。ディバインブレードの余波で、唱えてから二日以上経っているにも関わらず未だにモンスターの発生を抑制していたのだ。

そのまま、奥へ進んでいく。

が、地下三階まで来たところで出くわしてはいけない相手に出くわしてしまう。そう、月女神の眷属であった。

「ふむ、我が血肉になりに来たか」

その声が聞こえると同時に、兵士30人の命をあっさりと刈り取る。兵士達が見切れぬ速度で紫の大剣を振り抜いたのだ。

沙更のディバインブレードの一撃での傷は、未だに言えてはいなかった。それでも、兵士達30人程度ならば苦戦するはずも無かったのだ。

あっと言う間に命を刈り取られ、倒れる兵士達。その血を浴びて、回復していく月女神の眷属。やはり、その光景は邪でしかなかった。



一方、沙更たちがウエストエンドに入る一日前に、アレク司祭とシスターたち一行はウエストエンドに到着していた。

「ここがウエストエンドか、やはり古びた町だ」

「整理しきれていないかんじですね」

「今の辺境伯は、付け届きだけを頑張る無能だからね。ある意味仕方が無いと言うしか無い。だから、領民達に笑顔が無い。孤児院が厳しいのは、辺境伯の所為でもあるのさ」

来てみて分かる事もある。ウエストエンドの状態はかなり悪化していた。冒険者達も昔に比べれば質が落ちてしまっている。

みんな、金と名声を求めて王都に出てしまうからだ。どうしても王都の方が良質な依頼が多いのとウエストエンドの依頼の質が下がってしまったことに起因していた。

前辺境伯は英雄であっただけに、今の辺境伯では物足りないと思ってしまうのも無理は無い。

そう言う意味でも、今の辺境伯は期待外れと言うしか無かったのだ。そんな状態のウエストエンドで、孤児院が困窮すればもっとまずいことになるのは言うまでも無く。それの救済を兼ねてこちらに来たのが本音であった。

「現状の状況だけでも把握しておかなければなりませんね」

アレクはそう言うとウエストエンドの孤児院に向けて歩き出した。
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