月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第133話 ウエストエンド到着

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月の魔女とよばれるまで

133話 ウエストエンド到着

エアウォークに切り替わって、加速すること数時間。既にウエストエンドの町の外壁は見えていた。

歩いているのに、それだけの速度が出ると言うこと自体が相当なことだった。たまに、すれ違う馬車の人間に驚かれたりするのは致し方ないことで、そんな魔法は沙更のエアウォーク以外に存在すらしていないのだから。

城壁が見えてきた事で、パウエル達に戻ってきたと言う感慨が湧いてきた。が、ここでそれを顔には出さない。どちらにしろ、ここまで来ればモンスターに襲われると言う事もありえないので心配する必要もなかった。

クルシスから約四時間歩き通しではあったが、エアウォークの効果でそこまでの疲労はない。大気が足の進みを後押ししてくれていたおかげだ。

「やっぱり、セーナちゃんの魔法は桁が違うな。これ、他の冒険者が味わったことが無い奴だ」

「リーダー、それ当たり前の話だと思うよ。セーナちゃんの魔力は桁が外れてるんだから」

「ったく、リーダー。そこは嬢ちゃんのおかげで良いんじゃねえの?」

「進化した魔法を持っているのはセーナちゃんだけなんだから、そうなるのも当然なのよね。今後、もっと増えるかもだからそうなったらどうなるのか分からないわね」

四人して、そう言いつつも先に進む。

外壁まで来れば、衛兵達が出入りする人達を確認していた。

「犯罪歴を調べる。身分証明書を持つ者は提示してくれ。ないものは銀貨一枚を払うこと」

ウエストエンドは辺境伯領都だけに、人の出入りが激しい。身分により、使える門が違ったりするのだ。一般の市民や商人達は正面のみ、冒険者は右門もしくは正面、貴族は左門だけの使用となっていた。

今回、パウエル達は普通に右門からウエストエンドに入ろうとそちらに向かった。

正面に比べて、やはり人が少ない。ウエストエンド自体、冒険者の数が年々減っている為に使われる機会が減っているようだ。

衛兵達はいるが、それほど緊張してもいないようだった。それだけ、慣れた物なのだろうと推測がつく。

「おっ、冒険者達か。冒険者ギルドのカードは持っているか?それと、後ろの女の子は違うだろうから身分証明書を出してくれ」

衛兵の一人がパウエル達を見つけて、そう声をかける。パウエル達はカードを衛兵達に見せる。沙更もクルシスで作って貰った市民証を見せた。

「幼いのに市民証を持っているのか・・・。開拓村の出身か、冒険者達に付いてきたってところか」

衛兵がそこまで言ったところで、リエットの姿に気付く。

「えっと、この娘さんは?」

そう言った衛兵に、その様子に気付いた衛兵がこちらにやってきた。

「何をしている?うん?そちらの娘さんは貴族か?」

リエットに気付いたもう一人の衛兵がそう話しかけるとリエットは頷いた。
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