月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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領都へ

第135話 ウエストエンド冒険者ギルド1

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月の魔女と呼ばれるまで

第135話 ウエストエンド冒険者ギルド1

家令ジークとの会話が終わり、冒険者ギルドにクエストの報告に行く形になったパウエル達。それに、沙更も付いていく。

リエットは、ジークと共に一回屋敷に戻ることになった。どちらにしろ、戻るのは確定だっただけに先に戻っておいて貰った方が良いと沙更が判断した。リエットの事を心配していたジークならば、敵に回ることは無いだろうと思ってのことでもあった。

「リエットさんもジークさんが来て安心した顔をしてたな。信頼されているのがよく分かる」

「あのおやじさん、実際かなりの強者だぜ。ミリアも気付いてたみたいだが、動きに隙がなさ過ぎだ」

「辺境伯の家令って言ったら、噂の人って分かってなかった?噂通りというかそれ以上だった気がするけどね」

「元Aランク冒険者で、今は辺境伯の裏の剣。噂通りなら、相当な凄腕だわ。ガレムが興味を持つのも当然といったところね」

「誰かのために振るわれる剣ならば、その誰かがいる限り強いのは当然と言えます。逆に、助けられて良かったのかも知れません。生きがいを失うのは辛いことですから」

沙更の見た目とは全然違う物言いに、四人とも苦笑いを浮かべる。まさか、そんな感想が出てくるとは思っても無かったからだ。

そう話をしつつも冒険者ギルドへと向かう。ウエストエンドは、辺境最大の都市だがそれでも活気があるとは言えなかった。今の辺境伯の重税により、人々の顔から笑顔が消えていたからだ。

日々の暮らしすらままならない状態であるのなら、活気が生まれるわけも無い。そこを確認するように、沙更はウエストエンドの人々を見ていく。

右門からしばらく歩くと石を積み上げて作ったであろう堅牢な建物が現れた。そこがウエストエンドの冒険者ギルドで、ランクによって受付も変わるようだった。

パウエル達は一階ではなく、二階に上がっていく。どうやら、一階はランクが低い冒険者用になっているらしい。二階が中級の冒険者の受付、三階がギルドマスターの執務室や上級冒険者の受付があった。

パウエル達はCランクだけに、二階の受付を使うようだ。二階に上がったところで、風の魔力を沙更は感じた。

(ギルド内で、風の魔力って誰か魔法を使っている!?)

二階の扉に近づけば近づくほど魔力が強まってくる。そこに、生まれるは風の中級魔法エアブレード。真っ直ぐにパウエル達に飛んでくるその魔法は、沙更から見てそこまで強そうに見えなかった。

沙更は光魔法ディヴァインベールでやんわりと包み込み無力化しておく。魔法を消された魔法士は、あまりのことに驚きの表情を浮かべるしかない。まさか、使い慣れていて自信を持って放った魔法をあっさりと消されるなどとは予想していなかった。

そもそも、ギルド内で中級魔法を放っている時点でギルド規約違反なのだが。
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