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新たなる住処
第157話 孤児院の現状2
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月の魔女とよばれるまで
第157話 孤児院の現状2
少なくても、今は孤児院の状況を良くしていくしか無い。お金が必要ならば、沙更が持つお金から出せば良いと思っていた。少なくても、今すぐに防具の買い換えが必要では無いし、武器も買い換える必要性は無い。
それに、変にお金を持っていたとしても使い道がほとんどない。それならば、ミリアの憂いを取るために使うのも悪くないと思ったから。
「確かに、その子の魔力は凄いわ。聖女を越えるほどの魔力だけれど、その力に負けない精神を持っているのね」
「シスターヴァレリーはセーナちゃんから何かを感じたの?」
「こんなおばあさんだけれど、変に見えることもあるのよ。ミリア、貴女がこの子を助けたのは貴女が助けて貰ったからなのね。大丈夫、私がこの子を嫌いになるわけが無いわ。私に取っても恩人になったのよ?」
シスターヴァレリーは、沙更を見て深々と頭を下げた。
「ありがとう、貴女のおかげで大切な子を失わずに済みそうなの。この世界では人の命は軽い物。だけど、助けたくても助けられない。だけど、貴女はそんな理すら越えていくのね」
「シスターヴァレリー、貴女が私に頭を下げる必要はありません。私は、ミリアお姉さんの願いに応えただけ」
淡々と話す沙更がやんわりと拒否をするけれど、シスターヴァレリーは耳を貸さないで頭を下げたままだ。どうやら、沙更の魔力が特殊なのを察知したらしい。
「そうだとしても、頭を下げる必要があるの。私にはあの子を救うことすら出来なかった。あの子を救ってくれた貴女に下げなくてどうすると言うのかしら?」
そこまで言われてしまうと沙更としては、受け入れるしか無かった。一回は止めたのだから、こちらの思いも理解してのことだと分かったから。
ある程度シスターヴァレリーが頭を下げていて、その頭を上げたところで沙更はシスターヴァレリーに今の孤児院の現状を聞くことにした。
「シスターヴァレリー、ミリアお姉さんから孤児院が困っていると聞きました。どの程度困窮してますか?建物に関してもこのままでは立て直しが必要になりますし、お金が足りないのは聞いていますから、教えてはいただけませんか?」
必要なところをきっぱりと聞いてきた沙更に、シスターヴァレリーは驚いた顔をしつつもミリアの顔を見た。ミリアが教えたのは分かっていた。けれど、それをとがめる気は一切無かった。力不足なのはシスターヴァレリーたちだったのだから。
「ミリアから聞いたのだと思いますし、この建物を見れば困窮しているのも分かってしまいますか…」
「ええ、あの子の治療はこの世界の治療水準からすれば厳しいと言うしかありませんでした。部屋から身体に至るまで一気に浄化させて貰いましたが、今の治療士でそこまでを求めるのは無理なのでしょう?」
沙更の言葉に、シスターヴァレリーはそこまでしなければ治らない病気だったことに気付いた。あのままでは死を待つだけだったと。それを救い出した沙更がどれだけ凄いか理解するしかない。
「この孤児院の蓄えはもう既に尽きました。お金も底を突いて、たまに来る野菜や穀物でなんとかしのいでいると言った状態なのです」
シスターヴァレリーの表情がその事を言う時に無念そうな顔をした。いろいろと奔走したのだろう。でも、結果がこれでは報われないと思う。
だからこそ、ミリアが助けて欲しいと言ったのは間違えでは無かった。ならば、その思いに応えてあげたいと思うのだ。
第157話 孤児院の現状2
少なくても、今は孤児院の状況を良くしていくしか無い。お金が必要ならば、沙更が持つお金から出せば良いと思っていた。少なくても、今すぐに防具の買い換えが必要では無いし、武器も買い換える必要性は無い。
それに、変にお金を持っていたとしても使い道がほとんどない。それならば、ミリアの憂いを取るために使うのも悪くないと思ったから。
「確かに、その子の魔力は凄いわ。聖女を越えるほどの魔力だけれど、その力に負けない精神を持っているのね」
「シスターヴァレリーはセーナちゃんから何かを感じたの?」
「こんなおばあさんだけれど、変に見えることもあるのよ。ミリア、貴女がこの子を助けたのは貴女が助けて貰ったからなのね。大丈夫、私がこの子を嫌いになるわけが無いわ。私に取っても恩人になったのよ?」
シスターヴァレリーは、沙更を見て深々と頭を下げた。
「ありがとう、貴女のおかげで大切な子を失わずに済みそうなの。この世界では人の命は軽い物。だけど、助けたくても助けられない。だけど、貴女はそんな理すら越えていくのね」
「シスターヴァレリー、貴女が私に頭を下げる必要はありません。私は、ミリアお姉さんの願いに応えただけ」
淡々と話す沙更がやんわりと拒否をするけれど、シスターヴァレリーは耳を貸さないで頭を下げたままだ。どうやら、沙更の魔力が特殊なのを察知したらしい。
「そうだとしても、頭を下げる必要があるの。私にはあの子を救うことすら出来なかった。あの子を救ってくれた貴女に下げなくてどうすると言うのかしら?」
そこまで言われてしまうと沙更としては、受け入れるしか無かった。一回は止めたのだから、こちらの思いも理解してのことだと分かったから。
ある程度シスターヴァレリーが頭を下げていて、その頭を上げたところで沙更はシスターヴァレリーに今の孤児院の現状を聞くことにした。
「シスターヴァレリー、ミリアお姉さんから孤児院が困っていると聞きました。どの程度困窮してますか?建物に関してもこのままでは立て直しが必要になりますし、お金が足りないのは聞いていますから、教えてはいただけませんか?」
必要なところをきっぱりと聞いてきた沙更に、シスターヴァレリーは驚いた顔をしつつもミリアの顔を見た。ミリアが教えたのは分かっていた。けれど、それをとがめる気は一切無かった。力不足なのはシスターヴァレリーたちだったのだから。
「ミリアから聞いたのだと思いますし、この建物を見れば困窮しているのも分かってしまいますか…」
「ええ、あの子の治療はこの世界の治療水準からすれば厳しいと言うしかありませんでした。部屋から身体に至るまで一気に浄化させて貰いましたが、今の治療士でそこまでを求めるのは無理なのでしょう?」
沙更の言葉に、シスターヴァレリーはそこまでしなければ治らない病気だったことに気付いた。あのままでは死を待つだけだったと。それを救い出した沙更がどれだけ凄いか理解するしかない。
「この孤児院の蓄えはもう既に尽きました。お金も底を突いて、たまに来る野菜や穀物でなんとかしのいでいると言った状態なのです」
シスターヴァレリーの表情がその事を言う時に無念そうな顔をした。いろいろと奔走したのだろう。でも、結果がこれでは報われないと思う。
だからこそ、ミリアが助けて欲しいと言ったのは間違えでは無かった。ならば、その思いに応えてあげたいと思うのだ。
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