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新たなる住処
第163話 孤児院の現状の把握
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月の魔女とよばれるまで
第163話 孤児院の現状の把握
アレクたちとしてもこのまま放置は避けたいところであった。結局のところ、孤児院が動かない状態ではウエストエンドの治安はもっと悪くなってしまう。
それでなくても、今のウエストエンドは大分治安が悪くなってきていた。本来ならば、そこに冒険者も治安維持に当たらせるべきだったのだが、腕の良い冒険者はそうなる前に王都へと移動していて、今は腕の良い冒険者が減ってしまっている始末。
そして、そうなってくると依頼の質も下がってくる為、腕の良い冒険者がこちらでやっていけない状況下になっていた、悪循環の成立である。
そして、冒険者ギルドのサブマスターの不正とここまで悪行続けば、さもありなんである。
沙更は、ミリアの食事が終わったことと眠気がやってきたことからあくびをする。それを見ていたミリアは申し訳差なそうな表情をしつつも沙更の手を取った。
「いろいろとごめん。セーナちゃんに無理ばかりさせちゃった」
「ミリアお姉さん、謝らないでください。それとごめんなさい。少し眠いです」
沙更が眠気を伝えるとミリアは、元々孤児院で与えられている部屋に向かう。その前に、シスターヴァレリーに声をかけた。
「シスターヴァレリー、明日以降あたしやセーナちゃんもここを良くしていくからそこまで悲観しないで」
「ミリア、いろいろとありがとう。貴女は優しい子だから、ここを見捨てられないのね」
「シスター、あたしはここでお世話になったからその恩返しをしたいだけです。優しいかは分かりませんけど、ここを見捨てる気はありません!」
そこだけは譲れないとばかりに強調する。そして、沙更を使っている部屋へと連れて行った。
そんな姿をアレクとシスターたちも見ていた。
「シスターヴァレリー、良い教え子だと思いますが?」
「ミリアは、この孤児院で一番出来た子なのです。あの子がここを大切に思ってくれてるのは嬉しいのですが、あの子の成長を阻害してしまっている気がしてならないのです」
「でも、ここを大切に思っているのですから邪険にしては可哀想では?」
シスター達にもその気持ちは伝わっているだけに、何というかいたたまれない。親としていろいろと思うところがあるのはわかる。が、ミリアの気持ちを受け取ってあげられないのかと思ってしまうのは第三者だからかもしれない。
そんな話がされている中、ミリアは沙更を連れて部屋までやってきたと同時に、そのままベッドに入る。
「セーナちゃんに無茶させて、あたしはここを案内してあげたかっただけ。だけど、それで無茶させたんだからどうしようも無いよ」
沙更は既に眠っている為、その言葉に反応はしない。だけど、抱きしめているだけでなんとなく温かい気持ちになれた。
(へこんだままじゃダメだよね。セーナちゃんに明日、お返ししなきゃ…。本当にお世話になりっぱなしで、申し訳ないのだけど、それでも離れたくは無いのはわがままなのかな?)
そう思うものの、ミリアが沙更から手を離せるかと言えば無理だ。余りにも受けた恩が大きすぎて、少しでも返せなければ離れられそうに無かった。
それに、沙更を抱きしめているからかその温かさがミリアを眠りに誘う。
(明日、セーナちゃんとお買い物と冒険者ギルドに行かなきゃ…)
そう思いつつも眠りに落ちていくミリア。沙更も抱きしめられたまま、眠っていく。
そうして、孤児院に来て初日は更けていくのだった。
第163話 孤児院の現状の把握
アレクたちとしてもこのまま放置は避けたいところであった。結局のところ、孤児院が動かない状態ではウエストエンドの治安はもっと悪くなってしまう。
それでなくても、今のウエストエンドは大分治安が悪くなってきていた。本来ならば、そこに冒険者も治安維持に当たらせるべきだったのだが、腕の良い冒険者はそうなる前に王都へと移動していて、今は腕の良い冒険者が減ってしまっている始末。
そして、そうなってくると依頼の質も下がってくる為、腕の良い冒険者がこちらでやっていけない状況下になっていた、悪循環の成立である。
そして、冒険者ギルドのサブマスターの不正とここまで悪行続けば、さもありなんである。
沙更は、ミリアの食事が終わったことと眠気がやってきたことからあくびをする。それを見ていたミリアは申し訳差なそうな表情をしつつも沙更の手を取った。
「いろいろとごめん。セーナちゃんに無理ばかりさせちゃった」
「ミリアお姉さん、謝らないでください。それとごめんなさい。少し眠いです」
沙更が眠気を伝えるとミリアは、元々孤児院で与えられている部屋に向かう。その前に、シスターヴァレリーに声をかけた。
「シスターヴァレリー、明日以降あたしやセーナちゃんもここを良くしていくからそこまで悲観しないで」
「ミリア、いろいろとありがとう。貴女は優しい子だから、ここを見捨てられないのね」
「シスター、あたしはここでお世話になったからその恩返しをしたいだけです。優しいかは分かりませんけど、ここを見捨てる気はありません!」
そこだけは譲れないとばかりに強調する。そして、沙更を使っている部屋へと連れて行った。
そんな姿をアレクとシスターたちも見ていた。
「シスターヴァレリー、良い教え子だと思いますが?」
「ミリアは、この孤児院で一番出来た子なのです。あの子がここを大切に思ってくれてるのは嬉しいのですが、あの子の成長を阻害してしまっている気がしてならないのです」
「でも、ここを大切に思っているのですから邪険にしては可哀想では?」
シスター達にもその気持ちは伝わっているだけに、何というかいたたまれない。親としていろいろと思うところがあるのはわかる。が、ミリアの気持ちを受け取ってあげられないのかと思ってしまうのは第三者だからかもしれない。
そんな話がされている中、ミリアは沙更を連れて部屋までやってきたと同時に、そのままベッドに入る。
「セーナちゃんに無茶させて、あたしはここを案内してあげたかっただけ。だけど、それで無茶させたんだからどうしようも無いよ」
沙更は既に眠っている為、その言葉に反応はしない。だけど、抱きしめているだけでなんとなく温かい気持ちになれた。
(へこんだままじゃダメだよね。セーナちゃんに明日、お返ししなきゃ…。本当にお世話になりっぱなしで、申し訳ないのだけど、それでも離れたくは無いのはわがままなのかな?)
そう思うものの、ミリアが沙更から手を離せるかと言えば無理だ。余りにも受けた恩が大きすぎて、少しでも返せなければ離れられそうに無かった。
それに、沙更を抱きしめているからかその温かさがミリアを眠りに誘う。
(明日、セーナちゃんとお買い物と冒険者ギルドに行かなきゃ…)
そう思いつつも眠りに落ちていくミリア。沙更も抱きしめられたまま、眠っていく。
そうして、孤児院に来て初日は更けていくのだった。
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