月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第165話 セーナとして新たなる一歩

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月の魔女とよばれるまで

第165話 セーナとして新たなる一歩

ある程度話したところで、寝込んでいた彼女がまた眠気を覚えたらしくあくびをした。

「ごめんね、こんなに喋るの久しぶりだから疲れちゃった」

「こちらこそ、いきなり話しかけてごめんなさい。でも、前よりも全然元気になってくれて良かった」

二人とも謝ってしまう当たりが相性の良さを感じる。沙更としても、良くなってくれたことにほっとしていたし、治療の効果を確かめる意味でも良かったと思った。

ずっと病気だった彼女の体力は病気の回復と共に戻りつつあるが、それでもすぐに戻るものでもないことからヒールを使っておくことにした。

スターサファイアのロッドが出てきて、沙更の魔力を高次元で練り上げていく。その魔力の濃度に、彼女が驚いた。それもそのはず、これだけの魔力を間近で見ることなどないのだから。

普通ならば、恐れる魔力量でも彼女には綺麗な光として見えていた。それは、沙更の魔力を身体に注がれたことがあるからかそれとも彼女自身の能力なのかは分からない。だが、沙更の強大な魔力を感じても臆さなかったと言うのは、彼女よりも沙更の方が驚く格好になったのだった。

(私の魔力に驚かないって、そう言えば助けるために魔力で作った水を更に浄化させて飲ませてたからかな?)

なんとなく理由に思い当たる節はあるだけに、沙更としてこの巡り合わせに不思議なものを感じていた。ミリアから助けて欲しいと言われた彼女と出会うために、ここに来たのではないかと邪推出来てしまうほどに。

スターサファイアのロッドに集められた高濃度の魔力は、沙更の想像力と共にその魔力の全てを治癒の力へと変換していく。そこで、沙更の脳裏にメッセージが伝えられた。

『沙更のヒールの熟練度が規定値に達しました。それにより、ハイヒールを習得しました』

どうやら、ウィンドウォークと同じくヒールも熟練度式のようだ。攻撃魔法に関しては違うのかも知れないが、それにしても二つも魔法が強化されたことで、一層沙更の存在が魔法士としても治癒士としても一線を画していると言う証になってしまったのだが、それは後の話。

沙更はその高濃度の魔力でハイヒールを唱えると彼女を癒やしていく。ヒールの時よりもまばゆい光が彼女を覆っていく様はハイヒールを越えていた。

「凄く温かい光、これがヒールなの?」

「うん、身体を癒やしていく光だよ。それじゃあ、お休み」

沙更がそう声をかけると同時に彼女はまた眠りについた。ハイヒールで体力を回復したことで、その眠り顔に辛そうな表情は一切ない。

それを見て、ほっとしつつ隔離部屋を後にする。

そろそろ、ミリアは起きたかなと思いつつ部屋に戻ると丁度ミリアが起きたところだった。
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