180 / 365
新たなる住処
第166話 沙更の事情
しおりを挟む
月の魔女と呼ばれるまで
第166話 沙更の事情
ミリアが起きたところで、沙更はミリアの側に近寄る。
「ミリアお姉さん、おはようございます」
「おはようセーナちゃん。もう起きていたの?」
「昨日、治療した子が気になったので見に行ってました。ある程度話せる位には回復してくれていて、少し話しましたけど今は話疲れたのか眠ってしまいました」
沙更からの報告に、ミリアは沙更を見ると手を取った。
「セーナちゃん、本当に本当にありがとうね。あの子の病気は、治癒士でも治せない未知の病だって言われて…。セーナちゃんの治癒魔法の凄さを知ってたからこれで無理ならって思ってた」
ミリアがそう言ったところで、沙更としてミリアには話しておこうと思った。少なくてもミリアは、あれだけの異常な姿を見ていても側に居てくれると約束してくれたからだ。
「ミリアお姉さん、私がかなり特殊なのは分かっていると思う。けど、話していないこともあって…」
「あえて、聞いてなかったんだよね。セーナちゃんが迷ってるみたいだったから」
「えっと、聞いて貰えます?」
「セーナちゃんの心が決まったのなら、教えてくれると嬉しいよ。セーナちゃんが月女神様の生まれ変わりだったりするんでしょ?それに、他にもあるってところかな?」
やはり、ミリアは鋭い。ある程度今までのことを換算して把握しているようだった。
「ミリアお姉さんは鋭いです。えっと、私が月女神様の関係者だって言うのは話しましたけれど、魂を月女神様を殺した人間達が二つに割りました。その二つの魂の一つがセーナ、そしてもう一つの魂が沙更と言う名前の女性が受け付いていました」
「エーベルさんが言っていたね。えっと、セーナちゃんであり沙更さんでもあるってこと?」
「セーナちゃんの魂は今とても疲れているので、外に出ているのは沙更でセーナの方は眠っています。そして、セーナも沙更もいるから月女神様の器も宿っています。だからこその膨大な魔力なのです」
「そう言うことだったんだ。でも、それだからってあたしはセーナちゃんもとい沙更さんを嫌ったりしないって決めてるの。だって、どれだけ助けて貰っているか…。返しきれない恩ばかりなんだよ?」
ミリアからしてみれば、助けて貰ってばかりで嫌うとかはあり得ない話だ。これだけの恩を受けて反故に出来る程人間腐っているつもりもないし、エーベルにも託されていることもある。
どちらにしろ、いろいろと助けて貰ってばかりなのに手を離せるかと言えばミリアとして無理と言うしか無い。沙更が拒むまでは側に居るつもりでいた。
「大丈夫、セーナちゃんが誰であっても月女神様の生まれ変わりなのは変わらないでしょ?それに、これだけの恩を受けておいてお返しさせない気なの?」
「えっと、私のこと驚いたりしませんか?」
「もう、セーナちゃんが凄いのは分かってるから大丈夫だよ。言ったでしょ?助けて貰ってばかりなのに、怖がったりしたら最低だと思うんだけど?」
そう言って、笑顔を見せるミリアに沙更は負けたと思った。何がと言うわけじゃ無くて、ミリアの器が大きいことを再確認した格好になったからだ。
そう言っている沙更の器もまた途方も無く大きいのだが、本人はまだ気付いていない。月女神の器を持つと言う事がどれだけの才気を持つかなど、興味が無かったからと言うしか無かった。
沙更が明かしていなかった事も話したことで、気が軽くなった。そんな表情を見て、ミリアが笑みを浮かべる。
(もう、セーナちゃんのことなら受け入れるって言ったのに…。でも、それだけ一緒に居たいって思ってくれているって事で良いのかな?それなら嬉しいんだけどね)
やはり察しの良いミリアだけに、沙更の感情の機微もある程度分かるらしい。双方ともその存在を気に入っているからこそ、側に居たいと思うのだろう。
第166話 沙更の事情
ミリアが起きたところで、沙更はミリアの側に近寄る。
「ミリアお姉さん、おはようございます」
「おはようセーナちゃん。もう起きていたの?」
「昨日、治療した子が気になったので見に行ってました。ある程度話せる位には回復してくれていて、少し話しましたけど今は話疲れたのか眠ってしまいました」
沙更からの報告に、ミリアは沙更を見ると手を取った。
「セーナちゃん、本当に本当にありがとうね。あの子の病気は、治癒士でも治せない未知の病だって言われて…。セーナちゃんの治癒魔法の凄さを知ってたからこれで無理ならって思ってた」
ミリアがそう言ったところで、沙更としてミリアには話しておこうと思った。少なくてもミリアは、あれだけの異常な姿を見ていても側に居てくれると約束してくれたからだ。
「ミリアお姉さん、私がかなり特殊なのは分かっていると思う。けど、話していないこともあって…」
「あえて、聞いてなかったんだよね。セーナちゃんが迷ってるみたいだったから」
「えっと、聞いて貰えます?」
「セーナちゃんの心が決まったのなら、教えてくれると嬉しいよ。セーナちゃんが月女神様の生まれ変わりだったりするんでしょ?それに、他にもあるってところかな?」
やはり、ミリアは鋭い。ある程度今までのことを換算して把握しているようだった。
「ミリアお姉さんは鋭いです。えっと、私が月女神様の関係者だって言うのは話しましたけれど、魂を月女神様を殺した人間達が二つに割りました。その二つの魂の一つがセーナ、そしてもう一つの魂が沙更と言う名前の女性が受け付いていました」
「エーベルさんが言っていたね。えっと、セーナちゃんであり沙更さんでもあるってこと?」
「セーナちゃんの魂は今とても疲れているので、外に出ているのは沙更でセーナの方は眠っています。そして、セーナも沙更もいるから月女神様の器も宿っています。だからこその膨大な魔力なのです」
「そう言うことだったんだ。でも、それだからってあたしはセーナちゃんもとい沙更さんを嫌ったりしないって決めてるの。だって、どれだけ助けて貰っているか…。返しきれない恩ばかりなんだよ?」
ミリアからしてみれば、助けて貰ってばかりで嫌うとかはあり得ない話だ。これだけの恩を受けて反故に出来る程人間腐っているつもりもないし、エーベルにも託されていることもある。
どちらにしろ、いろいろと助けて貰ってばかりなのに手を離せるかと言えばミリアとして無理と言うしか無い。沙更が拒むまでは側に居るつもりでいた。
「大丈夫、セーナちゃんが誰であっても月女神様の生まれ変わりなのは変わらないでしょ?それに、これだけの恩を受けておいてお返しさせない気なの?」
「えっと、私のこと驚いたりしませんか?」
「もう、セーナちゃんが凄いのは分かってるから大丈夫だよ。言ったでしょ?助けて貰ってばかりなのに、怖がったりしたら最低だと思うんだけど?」
そう言って、笑顔を見せるミリアに沙更は負けたと思った。何がと言うわけじゃ無くて、ミリアの器が大きいことを再確認した格好になったからだ。
そう言っている沙更の器もまた途方も無く大きいのだが、本人はまだ気付いていない。月女神の器を持つと言う事がどれだけの才気を持つかなど、興味が無かったからと言うしか無かった。
沙更が明かしていなかった事も話したことで、気が軽くなった。そんな表情を見て、ミリアが笑みを浮かべる。
(もう、セーナちゃんのことなら受け入れるって言ったのに…。でも、それだけ一緒に居たいって思ってくれているって事で良いのかな?それなら嬉しいんだけどね)
やはり察しの良いミリアだけに、沙更の感情の機微もある程度分かるらしい。双方ともその存在を気に入っているからこそ、側に居たいと思うのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -
花京院 光
ファンタジー
魔物討伐を生業とする冒険者に憧れる俺は、十五歳の誕生日を迎えた日、一流の冒険者になる事を決意して旅に出た。
旅の最中に「魔物を自在に召喚する力」に目覚めた主人公が、次々と強力な魔物を召喚し、騎士団を作りながら地域を守り続け、最高の冒険者を目指します。
主人公最強、村人の成り上がりファンタジー。
※小説家になろうにて、990万PV達成しました。
※以前アルファポリスで投稿していた作品を大幅に加筆修正したものです。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
私の存在
戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。
何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。
しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。
しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる