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新たなる住処
閑話10 サブギルドマスタールーカ
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月の魔女とよばれるまで
閑話10 サブギルドマスタールーカ
二週間前に依頼したクエストから荒野の狼のメンバーが無事に帰還したと荒野の狼の担当受付嬢から報告を受けたルーカはほっとした表情を浮かべた。
だけど、どうしてもあの難易度のクエストから生還できた理由が分からない。
報告から、古代遺跡の最下層にオーガやサイクロプスが生息していたと言われた。パウエルたちのその当時の装備からして生還できる訳がないモンスターである。しかも、挙げ句の果てに月女神の眷属まで襲いかかってきたとも。
下手なAランクでも全滅しかねないクエスト難度であり、魔鉄の武器でも叩き折られるほどの強度を持つ紫の大剣とやり合って生還したと言うのがまずもってあり得ない話だけに、その報告に嘘が混ざっていないかと疑ってしまう。
サブギルドマスターともなるとそこまで考えなくてはならない。が、今回だけは疑う部分が大きいだけに、そう思うのも無理は無かった。
「いきなり英雄にでもなったと言うの?でも、生きて帰ってきただけで倒したわけじゃ無いからそれは無いわね」
頭に浮かんだ英雄説を振り払うと報告された中で、一人の幼女が側に居たとあった。もしかしたら、その子が鍵なのかもしれないと思う。
だが、幼女にできる事はそんなに多くは無いはずと考えては結論が出てこない。実際、この子が助けたから戻ってこられたとミリアに聞くまではそう思っていた。
そして、いざ魔力を測定する段になって余りにも途轍もない魔力量に、計測用の水晶が割れてしまう。それをあっさりと修復された時には流石に驚くしか無かった。
物を瞬時に修復できる魔法など失われて久しい。修復魔法自体はあるが、これほど瞬間的なものは古代魔法士が操ったとされる遺失魔法の一つに分類されるだけに、この時代で使えるのはこの娘だけ。しかも砕けた水晶をさらなる力を持った存在へと昇格させていたのだから、尚更驚くしか無い。
そんな様子を見せてしまい、内心恥ずかしいと思うがどうやらその思いは荒野の狼のメンバー全員が思っていることのようだった。いつも驚かされてばかりだと聞いて、少しほっとする。
ここまで凄い子だとは思っていなかっただけに、ルーカとしてパウエル達と一緒に居て貰うと言う方向が一番良いだろうと思う。
それに、更に属性判定でまさかの全属性を操れるとなれば国に報告をしなければならないほどのことであった。が、それは幼い子の方で断られた。
国に仕えるつもりはないのとミリアに付いていくために冒険者になりたいのだと言われた時には、良くやったと内心ミリアにそう思った。
暫定ながらサブギルドマスターを受けたとは言え、今のウエストエンドの冒険者の質はかなり悪い。パウエル達まで居なくなっていたら、将来Bランク以上を狙える冒険者がいるかというとかなり怪しくなってしまうのだ。
それだけに、無事で戻ってきたことだけでも朗報だった。あのクエストは、ランク詐称にモンスターの報告不備などもあるため、前サブギルドマスターが関わっていたことが確実だった。
(いろいろと仕事ばかり増やしてくれて、絶対に落とし前はつけなくてはね)
前サブギルドマスターはいろいろなクエストなどを詐称し、冒険者達を苦しめたことでギルドを追放されているがその後に見つかった不正が多すぎて、指名手配されていた。
拘束していたのだが、逃げられたのだ。どうやら、いろいろと裏の面々と繋がっていたと分かったのもその後だった。
そんなこともありつつの今の冒険者ギルド運営だけに優秀な人材はどんどん欲しいところであった。
閑話10 サブギルドマスタールーカ
二週間前に依頼したクエストから荒野の狼のメンバーが無事に帰還したと荒野の狼の担当受付嬢から報告を受けたルーカはほっとした表情を浮かべた。
だけど、どうしてもあの難易度のクエストから生還できた理由が分からない。
報告から、古代遺跡の最下層にオーガやサイクロプスが生息していたと言われた。パウエルたちのその当時の装備からして生還できる訳がないモンスターである。しかも、挙げ句の果てに月女神の眷属まで襲いかかってきたとも。
下手なAランクでも全滅しかねないクエスト難度であり、魔鉄の武器でも叩き折られるほどの強度を持つ紫の大剣とやり合って生還したと言うのがまずもってあり得ない話だけに、その報告に嘘が混ざっていないかと疑ってしまう。
サブギルドマスターともなるとそこまで考えなくてはならない。が、今回だけは疑う部分が大きいだけに、そう思うのも無理は無かった。
「いきなり英雄にでもなったと言うの?でも、生きて帰ってきただけで倒したわけじゃ無いからそれは無いわね」
頭に浮かんだ英雄説を振り払うと報告された中で、一人の幼女が側に居たとあった。もしかしたら、その子が鍵なのかもしれないと思う。
だが、幼女にできる事はそんなに多くは無いはずと考えては結論が出てこない。実際、この子が助けたから戻ってこられたとミリアに聞くまではそう思っていた。
そして、いざ魔力を測定する段になって余りにも途轍もない魔力量に、計測用の水晶が割れてしまう。それをあっさりと修復された時には流石に驚くしか無かった。
物を瞬時に修復できる魔法など失われて久しい。修復魔法自体はあるが、これほど瞬間的なものは古代魔法士が操ったとされる遺失魔法の一つに分類されるだけに、この時代で使えるのはこの娘だけ。しかも砕けた水晶をさらなる力を持った存在へと昇格させていたのだから、尚更驚くしか無い。
そんな様子を見せてしまい、内心恥ずかしいと思うがどうやらその思いは荒野の狼のメンバー全員が思っていることのようだった。いつも驚かされてばかりだと聞いて、少しほっとする。
ここまで凄い子だとは思っていなかっただけに、ルーカとしてパウエル達と一緒に居て貰うと言う方向が一番良いだろうと思う。
それに、更に属性判定でまさかの全属性を操れるとなれば国に報告をしなければならないほどのことであった。が、それは幼い子の方で断られた。
国に仕えるつもりはないのとミリアに付いていくために冒険者になりたいのだと言われた時には、良くやったと内心ミリアにそう思った。
暫定ながらサブギルドマスターを受けたとは言え、今のウエストエンドの冒険者の質はかなり悪い。パウエル達まで居なくなっていたら、将来Bランク以上を狙える冒険者がいるかというとかなり怪しくなってしまうのだ。
それだけに、無事で戻ってきたことだけでも朗報だった。あのクエストは、ランク詐称にモンスターの報告不備などもあるため、前サブギルドマスターが関わっていたことが確実だった。
(いろいろと仕事ばかり増やしてくれて、絶対に落とし前はつけなくてはね)
前サブギルドマスターはいろいろなクエストなどを詐称し、冒険者達を苦しめたことでギルドを追放されているがその後に見つかった不正が多すぎて、指名手配されていた。
拘束していたのだが、逃げられたのだ。どうやら、いろいろと裏の面々と繋がっていたと分かったのもその後だった。
そんなこともありつつの今の冒険者ギルド運営だけに優秀な人材はどんどん欲しいところであった。
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