184 / 365
新たなる住処
第170話 セーナの冒険者登録2
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第170話 セーナの冒険者登録2
ダイスやルーカの評価が異様に高いことに、沙更は苦笑を浮かべる。でも、おかげで特例を作って貰えたのなら願ったりだったりする。ミリア達に同行するには同じ冒険者の方が便利だからだ。
冒険者登録の際、魔力判定と属性判断にステータスを確認する事になっている。それとランクアップした時にも確認することが義務づけられていた。ランクアップや手強いモンスターと戦って勝った際にステータスが伸びることが多いからだった。
「まずは魔力判定なんだけれど、さっきまであれだけ魔力を漏れさせていた事を考えると無いって事はあり得ないのよね」
「だよなあ、しかもあれだけの魔力量を出しているんだ。それ以上の魔力を持っているのが分かりきってやがるからなあ。まじめに笑えねえ」
ルーカの言葉に、ダイスが苦笑を浮かべつつもそう言う。
そんな話をしていることに沙更は首をかしげつつも質問した。
「そう言えば、魔法士の平均的な魔力って大体どのくらいです?」
魔力のことを聞かれているのを理解したルーカが沙更の問いに答えた。
「大体、魔法士の皆さんの平均は700-800くらいでしょうか?神官さんとかだと更に落ちて400-500程度ですね」
「あー、なるほど…。それじゃあ、ミリアお姉さん達が驚くのも無理は無いのかな。私の魔力量は桁外れだから」
沙更はルーカの答えに、ミリア達やリエット、ジークが驚いたのも納得できた。指標が無かっただけに、そんなに驚かれることをしたかなと思っていた部分があったからだ。
そこまで平均とずれていると非常識極まりなさそうだと自分でも思う。それだけ少ない魔力で、やりくりするなら補助もそんなに出来ないだろうし、攻撃魔法もそこまで威力を出せないだろうと納得できたからだ。
「実際、計ってみましょう。それと属性判断で、どれだけ属性を使いこなせるかも見せてね」
ルーカがそう言って、魔力数を判断する水晶を出す。が、セーナが触ろうとする前にカタカタと揺れ始めて中の数値が跳ね上がっていく。
「1…1000…えっ?100000!?まだまだ上がっていくの!?」
水晶の内部の数値が1000000を越えたところで、水晶が耐えきれずにヒビが入って割れてしまう。
ルーカがギルドで仕事をするようになって、初めてのことだった。強いて言うと水晶を壊すほどの魔力を持つ人間は英雄と呼ばれた人間ですら破壊不可だったことから、確実に規格外であることを現す結果になった。
「えっと、水晶が割れちゃった…」
「あのう、良ければ水晶を直しましょうか?私が直せば多分正確な数値が見えるかも?」
「えっ、そんなことも出来るの?」
ルーカにしてみれば、修復の魔法を使える魔法士など会ったことが無かった。今の魔法士で修復の魔法を使える人間はほとんどいないし、いたとしても王家に仕えていたりと冒険者たちが会うことはまれであった。
第170話 セーナの冒険者登録2
ダイスやルーカの評価が異様に高いことに、沙更は苦笑を浮かべる。でも、おかげで特例を作って貰えたのなら願ったりだったりする。ミリア達に同行するには同じ冒険者の方が便利だからだ。
冒険者登録の際、魔力判定と属性判断にステータスを確認する事になっている。それとランクアップした時にも確認することが義務づけられていた。ランクアップや手強いモンスターと戦って勝った際にステータスが伸びることが多いからだった。
「まずは魔力判定なんだけれど、さっきまであれだけ魔力を漏れさせていた事を考えると無いって事はあり得ないのよね」
「だよなあ、しかもあれだけの魔力量を出しているんだ。それ以上の魔力を持っているのが分かりきってやがるからなあ。まじめに笑えねえ」
ルーカの言葉に、ダイスが苦笑を浮かべつつもそう言う。
そんな話をしていることに沙更は首をかしげつつも質問した。
「そう言えば、魔法士の平均的な魔力って大体どのくらいです?」
魔力のことを聞かれているのを理解したルーカが沙更の問いに答えた。
「大体、魔法士の皆さんの平均は700-800くらいでしょうか?神官さんとかだと更に落ちて400-500程度ですね」
「あー、なるほど…。それじゃあ、ミリアお姉さん達が驚くのも無理は無いのかな。私の魔力量は桁外れだから」
沙更はルーカの答えに、ミリア達やリエット、ジークが驚いたのも納得できた。指標が無かっただけに、そんなに驚かれることをしたかなと思っていた部分があったからだ。
そこまで平均とずれていると非常識極まりなさそうだと自分でも思う。それだけ少ない魔力で、やりくりするなら補助もそんなに出来ないだろうし、攻撃魔法もそこまで威力を出せないだろうと納得できたからだ。
「実際、計ってみましょう。それと属性判断で、どれだけ属性を使いこなせるかも見せてね」
ルーカがそう言って、魔力数を判断する水晶を出す。が、セーナが触ろうとする前にカタカタと揺れ始めて中の数値が跳ね上がっていく。
「1…1000…えっ?100000!?まだまだ上がっていくの!?」
水晶の内部の数値が1000000を越えたところで、水晶が耐えきれずにヒビが入って割れてしまう。
ルーカがギルドで仕事をするようになって、初めてのことだった。強いて言うと水晶を壊すほどの魔力を持つ人間は英雄と呼ばれた人間ですら破壊不可だったことから、確実に規格外であることを現す結果になった。
「えっと、水晶が割れちゃった…」
「あのう、良ければ水晶を直しましょうか?私が直せば多分正確な数値が見えるかも?」
「えっ、そんなことも出来るの?」
ルーカにしてみれば、修復の魔法を使える魔法士など会ったことが無かった。今の魔法士で修復の魔法を使える人間はほとんどいないし、いたとしても王家に仕えていたりと冒険者たちが会うことはまれであった。
0
あなたにおすすめの小説
死ぬはずだった令嬢が乙女ゲームの舞台に突然参加するお話
みっしー
恋愛
病弱な公爵令嬢のフィリアはある日今までにないほどの高熱にうなされて自分の前世を思い出す。そして今自分がいるのは大好きだった乙女ゲームの世界だと気づく。しかし…「藍色の髪、空色の瞳、真っ白な肌……まさかっ……!」なんと彼女が転生したのはヒロインでも悪役令嬢でもない、ゲーム開始前に死んでしまう攻略対象の王子の婚約者だったのだ。でも前世で長生きできなかった分今世では長生きしたい!そんな彼女が長生きを目指して乙女ゲームの舞台に突然参加するお話です。
*番外編も含め完結いたしました!感想はいつでもありがたく読ませていただきますのでお気軽に!
魔法使いとして頑張りますわ!
まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。
そこからは家族ごっこの毎日。
私が継ぐはずだった伯爵家。
花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね?
これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。
2025年に改編しました。
いつも通り、ふんわり設定です。
ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m
Copyright©︎2020-まるねこ
【完結済】悪役令嬢の妹様
紫
ファンタジー
星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。
そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。
ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。
やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。
―――アイシアお姉様は私が守る!
最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する!
※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>
既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
※小説家になろう様にも掲載させていただいています。
※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
黒豚辺境伯令息の婚約者
ツノゼミ
ファンタジー
デイビッド・デュロックは自他ともに認める醜男。
ついたあだ名は“黒豚”で、王都中の貴族子女に嫌われていた。
そんな彼がある日しぶしぶ参加した夜会にて、王族の理不尽な断崖劇に巻き込まれ、ひとりの令嬢と婚約することになってしまう。
始めは同情から保護するだけのつもりが、いつの間にか令嬢にも慕われ始め…
ゆるゆるなファンタジー設定のお話を書きました。
誤字脱字お許しください。
追放された万能聖魔導師、辺境で無自覚に神を超える ~俺を無能と言った奴ら、まだ息してる?~
たまごころ
ファンタジー
王国一の聖魔導師アレンは、嫉妬した王子の策略で「無能」と断じられ、国を追放された。
辿り着いた辺境の村で、アレンは「ただの治癒師」として静かに暮らそうとするが――。
壊れた街を再生し、疫病を一晩で根絶し、魔王の眷属まで癒しながら、本人はただの村医者のつもり。
その結果、「あの無能が神を超えた」と噂が広がり、王と勇者は頭を抱えることに。
ざまぁとスカッとが止まらない、無自覚最強転生ファンタジー開幕!
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
退屈令嬢のフィクサーな日々
ユウキ
恋愛
完璧と評される公爵令嬢のエレノアは、順風満帆な学園生活を送っていたのだが、自身の婚約者がどこぞの女生徒に夢中で有るなどと、宜しくない噂話を耳にする。
直接関わりがなければと放置していたのだが、ある日件の女生徒と遭遇することになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる