月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第176話 荒野の狼のメンバーの成長

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月の魔女とよばれるまで

第176話 荒野の狼のメンバーの成長

セーナの職業が分かったところで、荒野の狼のメンバー全員が職業判定の水晶に触る。その結果は、真っ二つに分かれる結果になった。

アイスジャイアントと戦った組と戦わなかった組で、成長が全然違ったからだ。言うまでも無く一番成長したのはミリアである。エーベルに潜在能力を引き出して貰い、白の直刀に気に入られた結果と言えた。

実際、パウエルもヘレナも実際のところきちんと成長はしていた。が、ガレムとミリアの飛び抜けた成長に比べれば緩やかだったと言うだけだ。それだけ、二人がもの凄い勢いで成長していたのだが。

まず、パウエルは古代遺跡の戦闘で、スキル剣の扱い大を獲得。そして、魔鉄の青い剣を手に入れたことで剣技大を獲得していた。剣に関する腕力などの伸びも悪くはないが、あのクエストのおかげか知恵と精神の伸びが大分目立つ。

現状、パウエルの職業が中級職のフェンサーであることを考えると既に伸び代はないと言って良い。上級職になるかならないかの境目と言うべきだろう。

続いて、ヘレナは沙更の指導により魔力操作と魔力循環を覚えたことにより、初級職神官を卒業して中級職のアコライトに転職していた。転職前に比べれば、精神と魔力の伸びが良くなってヒールの回数も10回から12回に増えたのも大きい。

ある意味、二人とも順当な育ち方をしていると言って良い。パウエルはソロでもBランクに届くラインになっていたし、ヘレナも神官としてCランクの上位に食い込むだろう。

だが、そんな二人とあっさりと追い抜いたのがガレムとミリアだった。

ガレムは、アイスジャイアント戦と盗賊の頭との戦いのおかげか斧の扱い大と筋肉増強大、そして斧防御中を獲得。それとカバーリングすら獲得していた。パワーファイター系だったのが、後衛を意識した立ち回りが出来るようになったことが非常に大きい。そして、今まで壊滅的だった精神が一気にぐっと伸びたことで、理性的な戦い方が出来るようになった。

そのことで、初級職アックスファイターから上級職アックスウォーリアーに一気にステップアップ。精神が伸びたことにより、冒険者になった当初になるであろうと言われた上級職バーサーカーから変化していた。アタッカーとディフェンダーの両方をこなせる器用な職業になったのだ。

普通、器用貧乏になるのは嫌われるものではあるが、ガレムの場合攻撃も防御も高レベルでまとまっている。そこまで両立出来る冒険者は少ない為、得がたい人材になっていた。

そして、そんなガレムも飛び越えたのがミリア。元々、盗賊系としてはCランク成り立てとは思えない程のスキル保持者だったのだが、さらに磨きが掛かりまくっていた。持っているスキルを軒並み一ランク上にして、さらに直刀の扱い極を取得。そして、剣術大だったのがゴブリンロード戦の時に剣術極にランクアップさせていた。

他にも身のこなし大、暗視大、暗殺剣中などと忍者として相応しいと言うか相応のスキルも獲得していた。

そもそも、16と言う年でスキルが極に到達していること自体が凄すぎる。実際、腕前としてならばシルバール王国全土でも10本の指に入るラインにまで一気に成長してしまっていた。

そして、職業も初級職スカウトから特殊職業御庭番と剣豪の二つになっている事からどれだけ跳ね上がったが見えない。そもそも、御庭番も剣豪も沙更の世界の職業だったからだ。

余りの成長ぶりに、ダイスもルーカも驚くしか無い。特にミリアのスキル極が一番の衝撃だったことは否めなかった。これだけの若さでスキル極を4つも持っていること自体がまずないことだったからだ。

「おいおい、どんなことをすればそこまで育つんだ!?パウエルとヘレナもそこそこ育ってるが、ガレムとミリアは成長が途方もねえぞ?」

「パウエルさんは元々Bランクに近かったから、順当と言えるのかもだけどガレムさんとミリアさんの成長はそれを遙かに超えているわ。二人とももうAランク目前よ」

「いや、ミリアに関してはもうAランクだな。極スキル四つだと!?俺がミリアの年だった時に一番使っていたスキルですら大だったんだぞ!?大から極に上げるのに普通は数年以上掛かるんだ。それを4つだと!?一体どうしてそうなった!!」

沙更の件で驚きっぱなしだったのに、更にミリアの件で驚かせることになってしまった。そうなってくるとギルドマスターダイスの悪い癖が出てしまう。

「Aランク相当となったら、俺と差しでどこまで出来るか試そうじゃねえか!」

「ギルドマスター、ミリアさんに挑発するのは止めてください。ギルドマスターのそれでどれだけ怪我人が出たと思ってるんです!!」

ダイスの悪い癖が、どうしても強い冒険者が出てくるとその実力を確認したくて真剣勝負を言い渡すことだった。それで、ギルドマスターに負けて心を折られる冒険者も多かったのだ。
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