191 / 365
新たなる住処
第176話 荒野の狼のメンバーの成長
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第176話 荒野の狼のメンバーの成長
セーナの職業が分かったところで、荒野の狼のメンバー全員が職業判定の水晶に触る。その結果は、真っ二つに分かれる結果になった。
アイスジャイアントと戦った組と戦わなかった組で、成長が全然違ったからだ。言うまでも無く一番成長したのはミリアである。エーベルに潜在能力を引き出して貰い、白の直刀に気に入られた結果と言えた。
実際、パウエルもヘレナも実際のところきちんと成長はしていた。が、ガレムとミリアの飛び抜けた成長に比べれば緩やかだったと言うだけだ。それだけ、二人がもの凄い勢いで成長していたのだが。
まず、パウエルは古代遺跡の戦闘で、スキル剣の扱い大を獲得。そして、魔鉄の青い剣を手に入れたことで剣技大を獲得していた。剣に関する腕力などの伸びも悪くはないが、あのクエストのおかげか知恵と精神の伸びが大分目立つ。
現状、パウエルの職業が中級職のフェンサーであることを考えると既に伸び代はないと言って良い。上級職になるかならないかの境目と言うべきだろう。
続いて、ヘレナは沙更の指導により魔力操作と魔力循環を覚えたことにより、初級職神官を卒業して中級職のアコライトに転職していた。転職前に比べれば、精神と魔力の伸びが良くなってヒールの回数も10回から12回に増えたのも大きい。
ある意味、二人とも順当な育ち方をしていると言って良い。パウエルはソロでもBランクに届くラインになっていたし、ヘレナも神官としてCランクの上位に食い込むだろう。
だが、そんな二人とあっさりと追い抜いたのがガレムとミリアだった。
ガレムは、アイスジャイアント戦と盗賊の頭との戦いのおかげか斧の扱い大と筋肉増強大、そして斧防御中を獲得。それとカバーリングすら獲得していた。パワーファイター系だったのが、後衛を意識した立ち回りが出来るようになったことが非常に大きい。そして、今まで壊滅的だった精神が一気にぐっと伸びたことで、理性的な戦い方が出来るようになった。
そのことで、初級職アックスファイターから上級職アックスウォーリアーに一気にステップアップ。精神が伸びたことにより、冒険者になった当初になるであろうと言われた上級職バーサーカーから変化していた。アタッカーとディフェンダーの両方をこなせる器用な職業になったのだ。
普通、器用貧乏になるのは嫌われるものではあるが、ガレムの場合攻撃も防御も高レベルでまとまっている。そこまで両立出来る冒険者は少ない為、得がたい人材になっていた。
そして、そんなガレムも飛び越えたのがミリア。元々、盗賊系としてはCランク成り立てとは思えない程のスキル保持者だったのだが、さらに磨きが掛かりまくっていた。持っているスキルを軒並み一ランク上にして、さらに直刀の扱い極を取得。そして、剣術大だったのがゴブリンロード戦の時に剣術極にランクアップさせていた。
他にも身のこなし大、暗視大、暗殺剣中などと忍者として相応しいと言うか相応のスキルも獲得していた。
そもそも、16と言う年でスキルが極に到達していること自体が凄すぎる。実際、腕前としてならばシルバール王国全土でも10本の指に入るラインにまで一気に成長してしまっていた。
そして、職業も初級職スカウトから特殊職業御庭番と剣豪の二つになっている事からどれだけ跳ね上がったが見えない。そもそも、御庭番も剣豪も沙更の世界の職業だったからだ。
余りの成長ぶりに、ダイスもルーカも驚くしか無い。特にミリアのスキル極が一番の衝撃だったことは否めなかった。これだけの若さでスキル極を4つも持っていること自体がまずないことだったからだ。
「おいおい、どんなことをすればそこまで育つんだ!?パウエルとヘレナもそこそこ育ってるが、ガレムとミリアは成長が途方もねえぞ?」
「パウエルさんは元々Bランクに近かったから、順当と言えるのかもだけどガレムさんとミリアさんの成長はそれを遙かに超えているわ。二人とももうAランク目前よ」
「いや、ミリアに関してはもうAランクだな。極スキル四つだと!?俺がミリアの年だった時に一番使っていたスキルですら大だったんだぞ!?大から極に上げるのに普通は数年以上掛かるんだ。それを4つだと!?一体どうしてそうなった!!」
沙更の件で驚きっぱなしだったのに、更にミリアの件で驚かせることになってしまった。そうなってくるとギルドマスターダイスの悪い癖が出てしまう。
「Aランク相当となったら、俺と差しでどこまで出来るか試そうじゃねえか!」
「ギルドマスター、ミリアさんに挑発するのは止めてください。ギルドマスターのそれでどれだけ怪我人が出たと思ってるんです!!」
ダイスの悪い癖が、どうしても強い冒険者が出てくるとその実力を確認したくて真剣勝負を言い渡すことだった。それで、ギルドマスターに負けて心を折られる冒険者も多かったのだ。
第176話 荒野の狼のメンバーの成長
セーナの職業が分かったところで、荒野の狼のメンバー全員が職業判定の水晶に触る。その結果は、真っ二つに分かれる結果になった。
アイスジャイアントと戦った組と戦わなかった組で、成長が全然違ったからだ。言うまでも無く一番成長したのはミリアである。エーベルに潜在能力を引き出して貰い、白の直刀に気に入られた結果と言えた。
実際、パウエルもヘレナも実際のところきちんと成長はしていた。が、ガレムとミリアの飛び抜けた成長に比べれば緩やかだったと言うだけだ。それだけ、二人がもの凄い勢いで成長していたのだが。
まず、パウエルは古代遺跡の戦闘で、スキル剣の扱い大を獲得。そして、魔鉄の青い剣を手に入れたことで剣技大を獲得していた。剣に関する腕力などの伸びも悪くはないが、あのクエストのおかげか知恵と精神の伸びが大分目立つ。
現状、パウエルの職業が中級職のフェンサーであることを考えると既に伸び代はないと言って良い。上級職になるかならないかの境目と言うべきだろう。
続いて、ヘレナは沙更の指導により魔力操作と魔力循環を覚えたことにより、初級職神官を卒業して中級職のアコライトに転職していた。転職前に比べれば、精神と魔力の伸びが良くなってヒールの回数も10回から12回に増えたのも大きい。
ある意味、二人とも順当な育ち方をしていると言って良い。パウエルはソロでもBランクに届くラインになっていたし、ヘレナも神官としてCランクの上位に食い込むだろう。
だが、そんな二人とあっさりと追い抜いたのがガレムとミリアだった。
ガレムは、アイスジャイアント戦と盗賊の頭との戦いのおかげか斧の扱い大と筋肉増強大、そして斧防御中を獲得。それとカバーリングすら獲得していた。パワーファイター系だったのが、後衛を意識した立ち回りが出来るようになったことが非常に大きい。そして、今まで壊滅的だった精神が一気にぐっと伸びたことで、理性的な戦い方が出来るようになった。
そのことで、初級職アックスファイターから上級職アックスウォーリアーに一気にステップアップ。精神が伸びたことにより、冒険者になった当初になるであろうと言われた上級職バーサーカーから変化していた。アタッカーとディフェンダーの両方をこなせる器用な職業になったのだ。
普通、器用貧乏になるのは嫌われるものではあるが、ガレムの場合攻撃も防御も高レベルでまとまっている。そこまで両立出来る冒険者は少ない為、得がたい人材になっていた。
そして、そんなガレムも飛び越えたのがミリア。元々、盗賊系としてはCランク成り立てとは思えない程のスキル保持者だったのだが、さらに磨きが掛かりまくっていた。持っているスキルを軒並み一ランク上にして、さらに直刀の扱い極を取得。そして、剣術大だったのがゴブリンロード戦の時に剣術極にランクアップさせていた。
他にも身のこなし大、暗視大、暗殺剣中などと忍者として相応しいと言うか相応のスキルも獲得していた。
そもそも、16と言う年でスキルが極に到達していること自体が凄すぎる。実際、腕前としてならばシルバール王国全土でも10本の指に入るラインにまで一気に成長してしまっていた。
そして、職業も初級職スカウトから特殊職業御庭番と剣豪の二つになっている事からどれだけ跳ね上がったが見えない。そもそも、御庭番も剣豪も沙更の世界の職業だったからだ。
余りの成長ぶりに、ダイスもルーカも驚くしか無い。特にミリアのスキル極が一番の衝撃だったことは否めなかった。これだけの若さでスキル極を4つも持っていること自体がまずないことだったからだ。
「おいおい、どんなことをすればそこまで育つんだ!?パウエルとヘレナもそこそこ育ってるが、ガレムとミリアは成長が途方もねえぞ?」
「パウエルさんは元々Bランクに近かったから、順当と言えるのかもだけどガレムさんとミリアさんの成長はそれを遙かに超えているわ。二人とももうAランク目前よ」
「いや、ミリアに関してはもうAランクだな。極スキル四つだと!?俺がミリアの年だった時に一番使っていたスキルですら大だったんだぞ!?大から極に上げるのに普通は数年以上掛かるんだ。それを4つだと!?一体どうしてそうなった!!」
沙更の件で驚きっぱなしだったのに、更にミリアの件で驚かせることになってしまった。そうなってくるとギルドマスターダイスの悪い癖が出てしまう。
「Aランク相当となったら、俺と差しでどこまで出来るか試そうじゃねえか!」
「ギルドマスター、ミリアさんに挑発するのは止めてください。ギルドマスターのそれでどれだけ怪我人が出たと思ってるんです!!」
ダイスの悪い癖が、どうしても強い冒険者が出てくるとその実力を確認したくて真剣勝負を言い渡すことだった。それで、ギルドマスターに負けて心を折られる冒険者も多かったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ化企画進行中「妹に全てを奪われた元最高聖女は隣国の皇太子に溺愛される」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
部屋にこもって絵ばかり描いていた私は、聖女の仕事を果たさない役立たずとして、王太子殿下に婚約破棄を言い渡されました。
絵を描くことは国王陛下の許可を得ていましたし、国中に結界を張る仕事はきちんとこなしていたのですが……。
王太子殿下は私の話に聞く耳を持たず、腹違い妹のミラに最高聖女の地位を与え、自身の婚約者になさいました。
最高聖女の地位を追われ無一文で追い出された私は、幼なじみを頼り海を越えて隣国へ。
私の描いた絵には神や精霊の加護が宿るようで、ハルシュタイン国は私の描いた絵の力で発展したようなのです。
えっ? 私がいなくなって精霊の加護がなくなった? 妹のミラでは魔力量が足りなくて国中に結界を張れない?
私は隣国の皇太子様に溺愛されているので今更そんなこと言われても困ります。
というより海が荒れて祖国との国交が途絶えたので、祖国が危機的状況にあることすら知りません。
小説家になろう、アルファポリス、pixivに投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
小説家になろうランキング、異世界恋愛/日間2位、日間総合2位。週間総合3位。
pixivオリジナル小説ウィークリーランキング5位に入った小説です。
【改稿版について】
コミカライズ化にあたり、作中の矛盾点などを修正しようと思い全文改稿しました。
ですが……改稿する必要はなかったようです。
おそらくコミカライズの「原作」は、改稿前のものになるんじゃないのかなぁ………多分。その辺良くわかりません。
なので、改稿版と差し替えではなく、改稿前のデータと、改稿後のデータを分けて投稿します。
小説家になろうさんに問い合わせたところ、改稿版をアップすることは問題ないようです。
よろしければこちらも読んでいただければ幸いです。
※改稿版は以下の3人の名前を変更しています。
・一人目(ヒロイン)
✕リーゼロッテ・ニクラス(変更前)
◯リアーナ・ニクラス(変更後)
・二人目(鍛冶屋)
✕デリー(変更前)
◯ドミニク(変更後)
・三人目(お針子)
✕ゲレ(変更前)
◯ゲルダ(変更後)
※下記二人の一人称を変更
へーウィットの一人称→✕僕◯俺
アルドリックの一人称→✕私◯僕
※コミカライズ化がスタートする前に規約に従いこちらの先品は削除します。
この野菜は悪役令嬢がつくりました!
真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。
花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。
だけどレティシアの力には秘密があって……?
せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……!
レティシアの力を巡って動き出す陰謀……?
色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい!
毎日2〜3回更新予定
だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!
【連載版】ヒロインは元皇后様!?〜あら?生まれ変わりましたわ?〜
naturalsoft
恋愛
その日、国民から愛された皇后様が病気で60歳の年で亡くなった。すでに現役を若き皇王と皇后に譲りながらも、国内の貴族のバランスを取りながら暮らしていた皇后が亡くなった事で、王国は荒れると予想された。
しかし、誰も予想していなかった事があった。
「あら?わたくし生まれ変わりましたわ?」
すぐに辺境の男爵令嬢として生まれ変わっていました。
「まぁ、今世はのんびり過ごしましょうか〜」
──と、思っていた時期がありましたわ。
orz
これは何かとヤラカシて有名になっていく転生お皇后様のお話しです。
おばあちゃんの知恵袋で乗り切りますわ!
【完結】メルティは諦めない~立派なレディになったなら
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
レドゼンツ伯爵家の次女メルティは、水面に映る未来を見る(予言)事ができた。ある日、父親が事故に遭う事を知りそれを止めた事によって、聖女となり第二王子と婚約する事になるが、なぜか姉であるクラリサがそれらを手にする事に――。51話で完結です。
魔法属性が遺伝する異世界で、人間なのに、何故か魔族のみ保有する闇属性だったので魔王サイドに付きたいと思います
町島航太
ファンタジー
異常なお人好しである高校生雨宮良太は、見ず知らずの少女を通り魔から守り、死んでしまう。
善行と幸運がまるで釣り合っていない事を哀れんだ転生の女神ダネスは、彼を丁度平和な魔法の世界へと転生させる。
しかし、転生したと同時に魔王軍が復活。更に、良太自身も転生した家系的にも、人間的にもあり得ない闇の魔法属性を持って生まれてしまうのだった。
存在を疎んだ父に地下牢に入れられ、虐げられる毎日。そんな日常を壊してくれたのは、まさかの新魔王の幹部だった。
聖女だと呼び出しておいて無能ですか?〜捨てられた私は魔王様に溺愛される〜
みおな
恋愛
学校帰りにいきなり眩い光に包まれて連れて来られたのは異世界でした。
王子はこんなちんちくりんは聖女ではないと言い放ち、私を王宮から追い出しました。
元の世界に帰る方法は、魔王の持つ帰還の指輪が必要と言われ、途方にくれた私の前に現れたのは、美形の魔王でした。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
初恋が綺麗に終わらない
わらびもち
恋愛
婚約者のエーミールにいつも放置され、蔑ろにされるベロニカ。
そんな彼の態度にウンザリし、婚約を破棄しようと行動をおこす。
今後、一度でもエーミールがベロニカ以外の女を優先することがあれば即座に婚約は破棄。
そういった契約を両家で交わすも、馬鹿なエーミールはよりにもよって夜会でやらかす。
もう呆れるしかないベロニカ。そしてそんな彼女に手を差し伸べた意外な人物。
ベロニカはこの人物に、人生で初の恋に落ちる…………。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる