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新たなる住処
第179話 抜き打ち二連
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月の魔女とよばれるまで
第179話 抜き打ち二連
ミリアの抜きの一撃の早さに、反応が遅れながらもダイスはミスリルのブロードソードで合わせて防いだ。が、ミリアはその動きも生かしてのもう一撃を放っていた。
そう、抜き打ちからの納刀して繰り出す神速の抜刀術。まさに剣技には無い、速度と切ることを主眼に置いた剣術ならではと言える。ミリアのお得意の連携技でもあった。
流石に、抜刀術を初見で見破ることは困難であり、その鋭い一撃は命の結界を機能停止に追い込む。そう、死をもたらした格好になったからだ。
強いて言うならば、まさに一撃必殺に相応しいと言うべきでギルドマスターであるダイスの身体を真っ二つに切り裂いていた。
命の結界は機能不全の為、怪我までは防いではくれない。死ぬのを防いだとしても、完全に重傷以上は確定である。下手すれば、神経などがやられて下半身不随とかにもなりかねなかった。
命の結界が欠陥を抱えているのは、そこで永らく修理すら出来ていなかったことでほとんど壊れかけなのがかなり響いていた。
結界自体が機能を停止してしまえば、結界外に居た沙更がダイスに近づいていくことも出来るようになった。ルーカは呆れた顔をしつつもダイスの傷を見て、顔を青ざめさせていた。
「死ぬ一撃を貰った時点で結界が解除される仕組みですか…。ギルドマスターさんの傷が深いです。今から治療をしても良いですか?」
「セーナちゃん、ごめんなさい。解除された時に少しいい気味だって思ってしまったけれど、この傷を見てしまった今では止めておくべきだったわ」
「大丈夫です。この傷なら癒やせますから、ルーカさんは少し離れていてください」
沙更はそう言うとスターサファイアのロッドに一気に魔力を集めていく。その魔力量がまた桁外れの為、ヘレナもルーカも驚いてしまう。
「これだけの魔力を治癒魔法で使うと言うの!?どれだけの怪我を癒やせるのか見当も付かないわ」
「もの凄い魔力ね。でも、これだけの魔力をヒールで使うのかしら?」
憶測が憶測を呼ぶが、それを斜め上で飛び越してしまう。沙更が体内から魔力をスターサファイアのロッドに集めて、唱えるはハイヒールを超えたものであった。
まばゆい光がダイスの身体を覆うと抜刀術で受けた深い傷があっと言う間に治っていく。体内細胞を修復しつつ、切られた部分が一気に治っていく図は、なかなかお目に掛かる物では無かった。
沙更のハイヒールは、瀕死の縁であったとしてもたちまち快癒させる効果を持つ。そんな治癒魔法は、他にあり得ない物であった。強大な魔力を持つ沙更だから出来る荒技であり、しかも傷を受けた跡すら残っていなかったのは奇跡と言われても文句は言われないだろうと思わせた。
その効果に、ヘレナもルーカも頭を抱えたのは言うまでも無い。治癒魔法として桁が外れすぎていたからだ。
「セーナちゃん、あれだけの治癒魔法いつ覚えたの!?ハイヒールはこの前まで使えなかったでしょう?」
「神の奇跡だと言われて見せられたら信じちゃうレベルよ。本当に凄すぎるわね。でも、むやみに使ってはダメよ。それだけの治癒魔法が使えるなんて分かったら、ウエストエンドどころか王都の冒険者達も引き抜きに来るのが分かりきっているもの」
今、シルバール王国内で沙更ほどの治癒魔法の使い手はいなかった。ハイヒールを使えると言う時点で、治癒士としては上級であったし、引く手あまたであった。
司教以上かもしくは治癒士の上級である治癒法師でなければ、習得されていないとされているだけに五歳の女の子が使えるとなれば、まさに争奪戦が勃発してもおかしくはなかった。
「本当に規格外と言うしか無いわ。それだけのハイヒールを使えるのが露見すれば、何処の冒険者のパーティーにもお呼びが掛かると思って欲しいの」
ルーカの淡々と言う言葉に、かなりの危険をはらんでいる事を感じ取らざるを得ない。沙更として、荒野の狼以外の冒険者パーティーと組む気はないのだから。
第179話 抜き打ち二連
ミリアの抜きの一撃の早さに、反応が遅れながらもダイスはミスリルのブロードソードで合わせて防いだ。が、ミリアはその動きも生かしてのもう一撃を放っていた。
そう、抜き打ちからの納刀して繰り出す神速の抜刀術。まさに剣技には無い、速度と切ることを主眼に置いた剣術ならではと言える。ミリアのお得意の連携技でもあった。
流石に、抜刀術を初見で見破ることは困難であり、その鋭い一撃は命の結界を機能停止に追い込む。そう、死をもたらした格好になったからだ。
強いて言うならば、まさに一撃必殺に相応しいと言うべきでギルドマスターであるダイスの身体を真っ二つに切り裂いていた。
命の結界は機能不全の為、怪我までは防いではくれない。死ぬのを防いだとしても、完全に重傷以上は確定である。下手すれば、神経などがやられて下半身不随とかにもなりかねなかった。
命の結界が欠陥を抱えているのは、そこで永らく修理すら出来ていなかったことでほとんど壊れかけなのがかなり響いていた。
結界自体が機能を停止してしまえば、結界外に居た沙更がダイスに近づいていくことも出来るようになった。ルーカは呆れた顔をしつつもダイスの傷を見て、顔を青ざめさせていた。
「死ぬ一撃を貰った時点で結界が解除される仕組みですか…。ギルドマスターさんの傷が深いです。今から治療をしても良いですか?」
「セーナちゃん、ごめんなさい。解除された時に少しいい気味だって思ってしまったけれど、この傷を見てしまった今では止めておくべきだったわ」
「大丈夫です。この傷なら癒やせますから、ルーカさんは少し離れていてください」
沙更はそう言うとスターサファイアのロッドに一気に魔力を集めていく。その魔力量がまた桁外れの為、ヘレナもルーカも驚いてしまう。
「これだけの魔力を治癒魔法で使うと言うの!?どれだけの怪我を癒やせるのか見当も付かないわ」
「もの凄い魔力ね。でも、これだけの魔力をヒールで使うのかしら?」
憶測が憶測を呼ぶが、それを斜め上で飛び越してしまう。沙更が体内から魔力をスターサファイアのロッドに集めて、唱えるはハイヒールを超えたものであった。
まばゆい光がダイスの身体を覆うと抜刀術で受けた深い傷があっと言う間に治っていく。体内細胞を修復しつつ、切られた部分が一気に治っていく図は、なかなかお目に掛かる物では無かった。
沙更のハイヒールは、瀕死の縁であったとしてもたちまち快癒させる効果を持つ。そんな治癒魔法は、他にあり得ない物であった。強大な魔力を持つ沙更だから出来る荒技であり、しかも傷を受けた跡すら残っていなかったのは奇跡と言われても文句は言われないだろうと思わせた。
その効果に、ヘレナもルーカも頭を抱えたのは言うまでも無い。治癒魔法として桁が外れすぎていたからだ。
「セーナちゃん、あれだけの治癒魔法いつ覚えたの!?ハイヒールはこの前まで使えなかったでしょう?」
「神の奇跡だと言われて見せられたら信じちゃうレベルよ。本当に凄すぎるわね。でも、むやみに使ってはダメよ。それだけの治癒魔法が使えるなんて分かったら、ウエストエンドどころか王都の冒険者達も引き抜きに来るのが分かりきっているもの」
今、シルバール王国内で沙更ほどの治癒魔法の使い手はいなかった。ハイヒールを使えると言う時点で、治癒士としては上級であったし、引く手あまたであった。
司教以上かもしくは治癒士の上級である治癒法師でなければ、習得されていないとされているだけに五歳の女の子が使えるとなれば、まさに争奪戦が勃発してもおかしくはなかった。
「本当に規格外と言うしか無いわ。それだけのハイヒールを使えるのが露見すれば、何処の冒険者のパーティーにもお呼びが掛かると思って欲しいの」
ルーカの淡々と言う言葉に、かなりの危険をはらんでいる事を感じ取らざるを得ない。沙更として、荒野の狼以外の冒険者パーティーと組む気はないのだから。
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