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新たなる住処
第180話 荒野の狼のランクアップ
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月の魔女とよばれるまで
第180話 荒野の狼のランクアップ
沙更のハイヒールが凄すぎたのが衝撃的すぎたのか、一気に静まりかえってしまう。そこに、模擬戦と言う果たし合いを終えたミリアが側に寄った。
「セーナちゃんごめん、面倒をかけちゃった」
「ミリアお姉さんこそお疲れ様です。えっと、軽くですけどヒール」
沙更は、ミリアに軽く癒やしの光を当てるとミリアの身体から疲れが抜けていった。沙更の気遣いにミリアは頭を撫でて、ありがとうを伝える。
そんな二人を見つつ、ルーカはパウエル達が既にBランクに到達していることをなんとなく理解した。ダイスに打ち勝てる冒険者はそうはいない。
最低でもBランク上位でなければ、打ち合いで体力切れを起こすはず。それをたった2撃でとなれば、既にAランクに到達していることを意味していた。
それに、先に出ていたゴブリンジェネラルにゴブリンロードの討伐はBランク以上推奨であり、Cランクでは請け負うことも出来ないクエストであった。それをこなしてくることを換算にいれて、Cランクのままにしておくのは損失でしか無い。
一瞬で、そこまでそろばんを弾いたルーカだったが、沙更のつぶやきに更に驚かされることになる。
「そう言えば、ルーカさん。盗賊の件って報告を受けていますか?」
「えっと、盗賊の報告とは?」
思わず聞き返してしまったルーカだが、ふと疑問に思う。盗賊の件の報告って何のことだと思うが、その事を口にする前に沙更が答えを言った。
「なるほど、まだゼオンさんたちの確認が取れていないから冒険者ギルドに報告が行っていないとそう言うことですか」
「えっ、ゼオンってあの正騎士ゼオン様のことですか?」
「はい。実は、盗賊たちに襲われましてアジトごと返り討ちにしたのです。で、その確認にゼオンさんを頼った次第なのですが、まだみたいですね」
沙更の言葉に、驚くルーカ。街道の盗賊たちもCランクの冒険者で対処出来ない相手であった。
そもそも、Bランク昇格試験が盗賊退治であることからして既にBランクになってもおかしくない。ゴブリンロードと街道の盗賊退治で充分にギルド貢献度は足りていた。
「えっと、盗賊退治の証拠はこの斧でどうでしょうか?」
そう言って取り出したのは盗賊の頭が使っていた魔鉄の斧。そこに、起き出したダイスがその斧を見て目を見開いた。
「おい、この斧はもしや街道の盗賊のか!?刃にひびが入ってやがるが、誰がやった?」
その問いに答えたのはガレム。自分の斧を見せつつ口を開く。
「それをやったのは俺だ。この斧で全力のフルスイングを叩き込んだらそうなった」
「はっ?その斧、鋼の斧だよな?魔鉄の斧をそれでひび入れただと!?」
驚くのも無理はない。この世界の鋼は頑丈さで魔鉄に勝てない。魔力を込められたら尚更で、鋼が勝てる要素が無くなってしまうのだ。
だが、沙更の修復魔法で修復した炭素鋼の斧は鋼に分類できるギリギリまで炭素の量を増やした一品であり、炭素量が増えている為に普通の鋼よりは脆いが魔鉄以上の硬さを手に入れていた。その為、魔力を込めない魔鉄に打ち勝ったのだ。
「セーナちゃんが炭素鋼って言ってたな。鋼の仲間だとさ」
ダイスもルーカも炭素鋼と言われてもわからないようだ。馴染みがないのは炭素鋼自体、かなりの熱を必要とするだけに、鋼をなんとか作れる位の設備では作ることは出来ない。
それなので、もしかしたらと沙更がある金属の名前を出すと二人に驚かれると同時に納得されることになる。
「ダマスカス鋼って言えば分かりますか?」
「はっ!?ダマスカス鋼だと!古代の鋼じゃねえか、ああそれなら魔鉄に打ち勝てるのも納得だ」
「実は魔鉄を使い始めたのはここ数百年ほどで、それ以前は鋼だけだったそうです。でも、古代の鋼だとするとその斧は下手すると魔鉄の斧より高いかもしれません」
そう言われて、沙更はまたやってしまったことに気づく。やはり、武器はその人に取っての命綱でもあるからそれはそれで良かったのかもと思い直す。
「流石に、この斧を手放すような奴じゃねえ。となるとだ、お前たちを昇格させることになるな」
「私も反対しませんし、むしろさせるべきです。現状を考えれば尚更でしょう」
そうして、パーティー荒野の狼のBランク昇格が決まった。
第180話 荒野の狼のランクアップ
沙更のハイヒールが凄すぎたのが衝撃的すぎたのか、一気に静まりかえってしまう。そこに、模擬戦と言う果たし合いを終えたミリアが側に寄った。
「セーナちゃんごめん、面倒をかけちゃった」
「ミリアお姉さんこそお疲れ様です。えっと、軽くですけどヒール」
沙更は、ミリアに軽く癒やしの光を当てるとミリアの身体から疲れが抜けていった。沙更の気遣いにミリアは頭を撫でて、ありがとうを伝える。
そんな二人を見つつ、ルーカはパウエル達が既にBランクに到達していることをなんとなく理解した。ダイスに打ち勝てる冒険者はそうはいない。
最低でもBランク上位でなければ、打ち合いで体力切れを起こすはず。それをたった2撃でとなれば、既にAランクに到達していることを意味していた。
それに、先に出ていたゴブリンジェネラルにゴブリンロードの討伐はBランク以上推奨であり、Cランクでは請け負うことも出来ないクエストであった。それをこなしてくることを換算にいれて、Cランクのままにしておくのは損失でしか無い。
一瞬で、そこまでそろばんを弾いたルーカだったが、沙更のつぶやきに更に驚かされることになる。
「そう言えば、ルーカさん。盗賊の件って報告を受けていますか?」
「えっと、盗賊の報告とは?」
思わず聞き返してしまったルーカだが、ふと疑問に思う。盗賊の件の報告って何のことだと思うが、その事を口にする前に沙更が答えを言った。
「なるほど、まだゼオンさんたちの確認が取れていないから冒険者ギルドに報告が行っていないとそう言うことですか」
「えっ、ゼオンってあの正騎士ゼオン様のことですか?」
「はい。実は、盗賊たちに襲われましてアジトごと返り討ちにしたのです。で、その確認にゼオンさんを頼った次第なのですが、まだみたいですね」
沙更の言葉に、驚くルーカ。街道の盗賊たちもCランクの冒険者で対処出来ない相手であった。
そもそも、Bランク昇格試験が盗賊退治であることからして既にBランクになってもおかしくない。ゴブリンロードと街道の盗賊退治で充分にギルド貢献度は足りていた。
「えっと、盗賊退治の証拠はこの斧でどうでしょうか?」
そう言って取り出したのは盗賊の頭が使っていた魔鉄の斧。そこに、起き出したダイスがその斧を見て目を見開いた。
「おい、この斧はもしや街道の盗賊のか!?刃にひびが入ってやがるが、誰がやった?」
その問いに答えたのはガレム。自分の斧を見せつつ口を開く。
「それをやったのは俺だ。この斧で全力のフルスイングを叩き込んだらそうなった」
「はっ?その斧、鋼の斧だよな?魔鉄の斧をそれでひび入れただと!?」
驚くのも無理はない。この世界の鋼は頑丈さで魔鉄に勝てない。魔力を込められたら尚更で、鋼が勝てる要素が無くなってしまうのだ。
だが、沙更の修復魔法で修復した炭素鋼の斧は鋼に分類できるギリギリまで炭素の量を増やした一品であり、炭素量が増えている為に普通の鋼よりは脆いが魔鉄以上の硬さを手に入れていた。その為、魔力を込めない魔鉄に打ち勝ったのだ。
「セーナちゃんが炭素鋼って言ってたな。鋼の仲間だとさ」
ダイスもルーカも炭素鋼と言われてもわからないようだ。馴染みがないのは炭素鋼自体、かなりの熱を必要とするだけに、鋼をなんとか作れる位の設備では作ることは出来ない。
それなので、もしかしたらと沙更がある金属の名前を出すと二人に驚かれると同時に納得されることになる。
「ダマスカス鋼って言えば分かりますか?」
「はっ!?ダマスカス鋼だと!古代の鋼じゃねえか、ああそれなら魔鉄に打ち勝てるのも納得だ」
「実は魔鉄を使い始めたのはここ数百年ほどで、それ以前は鋼だけだったそうです。でも、古代の鋼だとするとその斧は下手すると魔鉄の斧より高いかもしれません」
そう言われて、沙更はまたやってしまったことに気づく。やはり、武器はその人に取っての命綱でもあるからそれはそれで良かったのかもと思い直す。
「流石に、この斧を手放すような奴じゃねえ。となるとだ、お前たちを昇格させることになるな」
「私も反対しませんし、むしろさせるべきです。現状を考えれば尚更でしょう」
そうして、パーティー荒野の狼のBランク昇格が決まった。
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