月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第185話 ウエストエンドに迫る危機

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月の魔女とよばれるまで

第185話 ウエストエンドに迫る危機

ウエストエンドの周辺の森にモンスターが確認されてから二週間。どうやら、パウエル達が古代遺跡に行ったと同時にこちらにもモンスターが発生するようになったようだ。

ある意味、もの凄く狙ったように思えたのは邪教にさらわれたセーナの記憶を持っているからだったのだろうと思う。

それに、邪教が暴れて開拓村の方に目を向けさせている間、裏でウエストエンドを壊滅させようと企んでの行動に思えて仕方が無い。

月女神の眷属もある意味囮役と考えれば、贅沢だなとは思うのだが、こっちがメインだった可能性が高い。

となれば、先行したパーティーミストヘイムが危険だと言う事に気付く。

「あの、もの凄く嫌な予感がするのです。良ければ、先行するミストヘイムの方達に合流出来ませんか?」

沙更の言葉に、パウエル達は表情を硬くする。大体において、沙更がそう言う時は危険が迫っていると警告しているような物だからだ。

ダイスとルーカも沙更の表情にただならぬ物を感じたようだ。

「彼らが出て行って、まだ数時間だ。そんな短時間の場所でも危険だというのか?」

「なんとなくですが、古代遺跡の一件が囮のような気がして。本命はウエストエンドを落とすことじゃないかと思えるのです。パウエルさん達は巡り合わせで助けることが出来ましたけど、普通の冒険者で罠に引っかかったら全滅は必至としか」

「もしかして、もう森にBランク以上のモンスターが徘徊している可能性が高いと言うの?」

「月女神の眷属ですら囮役にしたのなら、それ以上の配役が森に居ると思った方が自然です。となると、先行した方々が危険すぎる気がするのです」

実際、月女神の眷属は沙更の魔法で撃退している。それ以上の配役が居るのなら、沙更が居なければ対抗出来ないのはパウエル達なら納得するしか無い。

「あいつ以上の相手がいたら、いくら先輩達でも無理がありすぎる」

「セーナちゃんの力を借りなきゃ、対抗すら出来ないかも」

「確かに、先輩達は強いがBランクモンスター以上じゃ相手が悪すぎるな」

「となれば、動いた方が良いわ。ギルド証はまだだけれど、動くしかないと思うのよ」

パウエル達としては沙更がそう言った時点で、かなりの危険があることを知らされていると感じていた。今ならまだ間に合うことも分かってだ。

実際、早い救助で助けられることも多い。Bランクモンスターと戦った事がある経験はかなり代えがたいと言える。普通の冒険者では生きて帰ってこられないのだから。

「そこまで言われたら、行くなとは言えねえなあ」

「もしもの事もあるから、頼めるかしら?」

ダイスよりもルーカの方が気にかける形だ。それもそのはず、実際ミストヘイムがこの町最高峰の冒険者だった。パウエル達が昇格したことで逆転したが、それでもナンバーツーであることに変わりは無い。そして、パウエル達以上に経験豊富な為、失うことはかなりの損失になる。

ルーカの言葉に、沙更はパウエルを見る。パウエルがリーダーであり、沙更はそこの知恵を出す役どころと言えるだけにそこの決断はこちらではやらない。

それに、パーティーの決定権を五歳児が握っていたらそれはそれで変と言うしか無い。

それでも助かる命があるのなら、気にしないのがパウエルたちだった。
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