月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第189話 ウエストエンドの森2

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月の魔女とよばれるまで

第189話 ウエストエンドの森2

ウエストエンドの近くにある森は、周辺部は冒険者の初心者向けのクエストの場らしい。ちらほらと薬草取りや低ランクのモンスター退治をしている若い男女を見かける事が多かった。

低ランク向けの狩り場でもあるのだろうと思う。沙更がお邪魔することはほぼなさそうだが、薬草とかの知識を手に入れに行くのはありかなと思ったりもする。

そんな沙更を見ていて、ミリアが首をかしげる。

「セーナちゃん、ちらちらと低ランクの子達を見てたけど気になる子でもいた?」

「そう言うわけじゃ無くて、薬草の知識もあればいいなって思っただけです。魔力が高いから、治癒魔法に頼りがちですけどそれだけじゃ助けられないこともあり得そうだから、もしもの時の為を考えてです」

沙更の言葉に、先を見据えている気がミリアにはした。いずれ必要になると思っていると考えている当たりが、飛び抜けている事を示唆している気がしたから。

その言葉に驚いているパウエル達だったが、確かに治癒魔法で助けきれないことがあると言う事を知らなかったからだ。

そのまま、森を更に奥へと向かう。中間点を超えた当たりから、どす黒い霧が周囲を覆い始めていた。沙更はエーベルからの知恵で、このどす黒い霧が瘴気を濃縮した物だと知っていただけに驚くしか無かった。

「こんなところで、こんな高濃度の瘴気の霧が出ている時点でかなり危険です。高ランクモンスターが出てきても不思議でもなんでもない」

「えっ、セーナちゃん。それって、かなり危険ってこと?」

「危険どころの話ではないです。人間でも数時間浴びていたら気が狂ってしまうでしょう。ある程度浄化しつつ動かないと動けなくなる可能性があります」

瘴気は、この世界の物では無い。それだけに、この世界を手に入れたいモンスター達の大好物であり、進化する力の元になる物でもあった。

そんな瘴気が高濃度で霧化しているこの場所自体、どれだけの危険地帯になっているかが想像できないくらいなのだ。

エアウォークで加速しつつ、更に奥へ行くと人の気配を感知した。どうやら、先行していたミストヘイムの面々のようだ。だが、そこにめがけてモンスターの群れが近づいているのも感じて、ミリアの顔を見る。その表情で、ミリアはパウエル達に声をかけた。

「リーダー、先輩達にモンスターの群れが迫ってる。あたしとセーナちゃんで先行するけど大丈夫?」

「分かった。俺たちも追いかけるが、先輩達のことを頼むぞ」

「了解、じゃあ先に行くね」

ミリアがそう言うと沙更の手を取る。

「ごめん、セーナちゃん。一緒に来て」

「ミリアお姉さん一人で行かせませんから、大丈夫です。それに、このままだと危険すぎますから私も行きます」

瘴気を知るのは古代魔法士の英知故。だからこそ、この状態がかなりの危険状態だと理解していた。
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