月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第192話 ウエストエンドの森5

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月の魔女とよばれるまで

第192話 ウエストエンドの森5

無事ミストヘイムのメンバーを救出出来た沙更とミリア。流石にあれだけの戦闘能力を見せれば、どうしてそんなに強くなったと疑問に思われるのも当然と言えば当然のこと。

それで無くても、今までのミリアを知っているミストヘイムのメンバーにしてみれば、あれだけの動きが出来るわけがないと思っていたから尚更だ。

それに、気付いてみれば装備品すら全然変わっている。そして、極めつけは沙更の存在だ。ミリアのあの動きに合わせるような魔法攻撃。そして、光の魔法でモンスターを退治出来るその威力。

聞いておきたいことが山ほどあるが、その前に動いたのは沙更だった。

「まずは、ここの瘴気を浄化します。少なくても、ここで食い止めなければウエストエンドまで広がるまで、そこまで時間がないでしょうから」

その言葉に驚くのは、神官戦士として光魔法に詳しいセリエだった。今の時代、瘴気に対して抵抗出来るようにする魔法が精一杯でそれ以上の魔法は失われていた。

光魔法の使い手は、教会でもそこまで強い物を使える人間は少なかった。それを浄化すると言うことがどれだけの魔力を使うか予想も出来ない。

さっきももの凄い魔力を使っていたのに、沙更から疲労を一切感じない。実際使った魔力は既に回復済みなのだが、そこはセリエには分からなかった。

再度、スターサファイアのロッドを振るうとまた魔力が集まる。その魔力量は可視化するほどまでに膨らんでいくあたりで、途轍もない量だとセリエは感づく。

ちなみに、二人の魔法士はあまりの魔力を扱う沙更を見て恐れおののいていた。魔力を可視化出来る程に集めると言う事が、どれだけの魔力を使っているか言うまでも無く分かってしまったからだ。

それだけの魔力を暴発させよう物ならこの森は確実に消える。下手をしたらウエストエンドまで吹っ飛びかねないくらいの魔力を扱っているのだから。

そこまで集めた魔力を使って、沙更は一気に結界魔法を張る。失われし聖魔法、サンクチュアリ。瘴気を浄化する結界を張り、それ以上の蔓延を防ぐ。そして、モンスターたちの能力を削り、人間の能力を底上げすることが出来る副次的効果もあった。

蒼白い結界を張ったところで、一気に瘴気を浄化していく。さっきまでとは違い、一気に空気も重苦しさを失ってむしろ清々しさすら感じさせる。

「ざっとこんなところでしょうか。ここで浄化しておけば、時間稼ぎにはなるはずです」

「いつもながら、セーナちゃんお疲れ。いきなりの結界魔法なんて、魔力かなり使うと思うけど大丈夫?」

「うーん、私に取ってこのくらいの魔力量ならそこまで負担になりませんよ。でも、ここまで瘴気が濃いとなると高ランクモンスターがはびこっていてもおかしくは無いですね」

沙更の言葉に、さらにセリエや魔法士二人が驚きの表情を浮かべる。聖魔法自体失われて久しい上に、結界魔法となれば消費する魔力は桁外れに大きくなる。それすら、一人で成し遂げてしまった沙更は何者だと思ったとしても無理は無かった。

他のメンバーも驚きが先に来すぎていて、それ以上の言葉を継げることが出来ない。あれだけの濃度の魔力を操れる魔法士など他にいると聞いたことも無かった。

失われた魔法であるサンクチュアリですら間に合わせとなれば、この森に蔓延している瘴気の量は桁外れとなる。その事が気になって仕方が無い。瘴気を生み出せるのは異界のモンスターだけなのだから。
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