月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第194話 ウエストエンドの森7

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月の魔女とよばれるまで

第194話 ウエストエンドの森7

余りにも理性的なガレムの姿に、ミストヘイムのメンバーの驚愕ぶりはかなりのものであった。今までが今までだけに、バトルジャンキーであり、自分の怪我すら厭わずに猪突猛進のごとく突撃していったのが毎度だった。それだけに、今の状態が嘘のように思えるから笑えない。

しかもガレムがカバーリングを覚えていると言う事が自体が変化の現れと言って良かった。前までなら、いかに自分が戦闘で楽しめるかが主眼だった。それが、視野が広くなっていることに守りも考慮にしていると言う時点で別人のように思えるのも無理は無かった。

「はあ、あれだけ猪突猛進してたあんたがねえ。こればっかりは私も驚かされたわ」

「セリエ先輩ならそう言うと思ってたぜ。まあ、いろいろとあってな」

ガレムとしてもあっさり言う気にはなれないらしい。セリエを馬鹿にしていると言うわけでは無い。こういう考えになったのが沙更がいたからと言うしか無かったからだ。

ミストヘイムと合流した荒野の狼は、ウエストエンドに引き返す形を取った。瘴気が充満しすぎた現状で、これ以上奥に行くのは確実に自殺行為と言って良い。

デスハウンドの群れに出くわしたことで、ミストヘイムのクエストはかなり厳しいと言う現実だけが突きつけられる結果になった。

だが、失敗というわけでは無い。瘴気が充満していて、強いモンスターがいる可能性が高いと言う事が分かっただけでも十分に来た甲斐があったと言って良い。

今まで、その報告すら出来ていなかった。その情報が無ければ、準備等も変わってしまう。いたずらに冒険者を死なせなくて済むようになるだけでも成果としては十分と言える。

その情報が欲しくて、ベテランCランクパーティーのミストヘイムが選ばれた。しっかり情報を持ち帰ることが出来れば対処出来る事も増える。何も情報が無いよりもかなり有用であった。

「森の奥までとなると有名冒険者でも連れてこないと厳しいかもしれないな」

そう言ったのは、鎧戦士だった。現状で、ミストヘイム以上の冒険者パーティーはパウエル達だけだ。その事実を知らないから出た台詞かもしれないが、かなりの難易度なのは確かで否定も出来ない。

瘴気に対応しつつ、森のモンスターと戦って行くのは下手なᗷランクでは対処出来るか怪しいと言って良い。どちらかなら対応出来るが、瘴気の対応は神官でも高位でなければ対応出来ない。

そう考えると今回の森の一件は相当難易度が高い。冒険者だけで対処出来ない可能性すら考えなければならないかもしれなかった。

とにかく、ダイスとルーカに報告しなければならない。その為、ミストヘイムと一緒に森を後にしたのは救援してから数時間後のことだった。
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