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新たなる住処
第204話 冒険者ギルドに呼ばれて2
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月の魔女とよばれるまで
第204話 冒険者ギルドに呼ばれて2
そう話しかけて来たセリエと鎧戦士に、パウエルは同意する。経験という意味では、ミストヘイムの方が格段に多い。が、高ランクのクエストとなると荒野の狼の方が多いと言うことになる。
少なくてもランクB以上のクエストをミストヘイムは受けたことがない。一方、荒野の狼の方は古代遺跡での調査に加えて、ゴブリンロード退治と街道の盗賊退治をしていた。
古代遺跡の調査のクエストは月女神の眷属が出てきたことでAランク案件に格上げ、ゴブリンロードと街道の盗賊退治は元よりBランク案件である。格上のクエストの経験は荒野の狼だけが経験ありと判断されていた。
そもそも、魔鉄の武器以上を持ち合わせるパーティはウエストエンドでは、荒野の狼だけ。しかも防具も沙更の特別製となれば、他のパーティから羨ましがられて当然と言うしかない。
普通は、フルプレートの甲冑などで全身を覆うのが一般的なのだ。それと比べても沙更の魔法糸で作られている服はそれ以上の硬さを誇り、そして魔法にも耐性を持つだけにかなりの価値を持つ。しかも、動きやすい上に重みが無いとなれば途方もなかった。
「高ランククエストならば後輩たちのほうが慣れているのだろう?魔鉄の武器があるのは心強いだろうしな」
セリエにそう言われたパウエルたちは魔鉄の武器にしてくれたのがセーナなので、それはないなと思ってしまった。
いかに武器が良くなったとしても扱いきれなければ意味がないことを知っているから。
魔鉄よりもミリアがセーナから預かった白の直刀の方が余程強力だ。それも分かっているからとも言えた。
セリエたちは気づいていないが、ガレムの斧は亜種の鋼であるだけにやはり扱う人間次第だと感じていた。
そんなパウエルたちの微妙な空気に鎧戦士が気づいたようだ。
「セリエ、武器が良いから後輩たちがBランクに上がったわけではないだろう?魔鉄は確かにBランク以上に上がるのに必要だ。だが、それだけで上がれたとは到底思えん」
状況を正しく判断しなければ勝てる戦いも勝てなくなる。セリエの羨ましいと思う気持ちが正直に出てしまったと言うことなのだろうと沙更は理解した。
鎧戦士にそう言われ、顔を赤くするセリエ。やはり、羨望の気持ちがあったようで下を向いてしまった。
「確かに、俺にも羨ましいと思う部分はある。だが、簡単にBランクに上がれないことは良く知っている。余程の試練を乗り越えたのだろうとな」
CランクとBランクでは、冒険者としてかなりの差となってしまう。それに、今のウエストエンドでBランクは最高位の冒険者と言うことになるのだから、尚更だった。
ミストヘイム自体、ランクを上げる為にかなり頑張っていた。それでも上がれていないのは、安全も考えつつ動いていたからだ。
本当なら、それで良かった。が、そこがパウエルたちとの違いになってしまうとは誰も思っていない。
冒険者が本当の冒険をするのは、色んな意味でもご法度だ。だが、月女神の眷属に嵌められたのだからパウエルたちを責めるのは筋違いと言えよう。
第204話 冒険者ギルドに呼ばれて2
そう話しかけて来たセリエと鎧戦士に、パウエルは同意する。経験という意味では、ミストヘイムの方が格段に多い。が、高ランクのクエストとなると荒野の狼の方が多いと言うことになる。
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「高ランククエストならば後輩たちのほうが慣れているのだろう?魔鉄の武器があるのは心強いだろうしな」
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いかに武器が良くなったとしても扱いきれなければ意味がないことを知っているから。
魔鉄よりもミリアがセーナから預かった白の直刀の方が余程強力だ。それも分かっているからとも言えた。
セリエたちは気づいていないが、ガレムの斧は亜種の鋼であるだけにやはり扱う人間次第だと感じていた。
そんなパウエルたちの微妙な空気に鎧戦士が気づいたようだ。
「セリエ、武器が良いから後輩たちがBランクに上がったわけではないだろう?魔鉄は確かにBランク以上に上がるのに必要だ。だが、それだけで上がれたとは到底思えん」
状況を正しく判断しなければ勝てる戦いも勝てなくなる。セリエの羨ましいと思う気持ちが正直に出てしまったと言うことなのだろうと沙更は理解した。
鎧戦士にそう言われ、顔を赤くするセリエ。やはり、羨望の気持ちがあったようで下を向いてしまった。
「確かに、俺にも羨ましいと思う部分はある。だが、簡単にBランクに上がれないことは良く知っている。余程の試練を乗り越えたのだろうとな」
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ミストヘイム自体、ランクを上げる為にかなり頑張っていた。それでも上がれていないのは、安全も考えつつ動いていたからだ。
本当なら、それで良かった。が、そこがパウエルたちとの違いになってしまうとは誰も思っていない。
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