月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

文字の大きさ
228 / 365
新たなる住処

第211話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト4

しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで

第211話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト4

遭遇したCクラスモンスターは、デスハウンドではなくグレーグリズリーの群れだった。ウエストエンドの森で、グレーグリズリーが出てくること自体がまれでそう滅多にある事じゃない。

それなのに、群れで出てくると言う事がかなりの異常であることを教えてくれていた。

次々と突進してくるグレーグリズリーをエアウォークの効果で、荒野の狼の面々は避ける。沙更もその動きに合わせて、攻撃を回避していく。

普通の状態で出くわしていたら、苦戦したかも知れない。が、沙更のエアウォークが効いている状態なので避けること自体はそこまで難しくはないのが幸いした。

そんな中、グレーグリズリーの突進を受け止めたのはガレムだった。自分のスキルの筋力増強中を使い、炭素鋼の斧で受け止めたのだ。

「思っているほど、力強くはねえな」

そう言いつつ、グレーグリズリーの力押しに対抗する。ガレムの行動に、他のグレーグリズリーが仕掛けてくるがそこはミリアがカバーに入る。

速度ならば、ミリアより早いグレーグリズリーはいない。白の直刀を抜き、グレーグリズリーに仕掛けていく。その速度を追えるわけもなく、徐々に傷ついていくのが見えた。

パウエルはヘレナを守りつつもグレーグリズリーと対峙しているようだ。それでも、危なげないのは多分パウエル自身前よりも強くなっているからだろう。

沙更のマイティアップはまだ使っていない。が、それでもそこまで動けると言う事は自分の力が伸びている証であった。それ故に、危なげないと言う形だった。

沙更もアイスジャベリンで、グレーグリズリーに仕掛けていく。一回の魔法で出せる数が前が4か5だったのに対して、今は8から9に増えている事と威力が上がったことで、グレーグリズリーを駆逐するのにそこまで時間は掛からなかった。

魔法士の火力は、本当ならば遠距離砲台と考えるならかなり強いはずだった。保有魔力が少なくなってしまったことで、魔法自体の威力も格段に下がってしまっていた。そのことで、本来出来る動きが出来ない。

だが、沙更の魔力濃度なら遠距離砲台としての火力は異常と言えるほどになっている。それだけに火力は相当だった。

あっと言う間に、凍ったグレーグリズリーの氷像が出来上がっていく。ミリアとガレム、パウエルが倒した個体もそれなりに居たが、沙更の魔法で凍った個体の方が多かった。

「流石に、セーナちゃんの魔法は凄いね」

「あれだけ数を減らしてくれたのは正直助かったぜ」

「俺たちだけだとこの数だけに苦労しただろうな」

「セーナちゃんの力に頼ってばかりじゃダメなのは分かるけれど、今は頼らせて」

ヘレナがそう言うと沙更は首をかしげた。それもそのはず、力を貸すためにここに居るのだからそこでやりませんはあり得なかったからだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ボンクラ王子の側近を任されました

里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」  王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。  人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。  そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。  義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。  王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

犬の散歩中に異世界召喚されました

おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。 何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。 カミサマの許可はもらいました。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

根暗男が異世界転生してTS美少女になったら幸せになれますか?

みずがめ
ファンタジー
自身の暗い性格をコンプレックスに思っていた男が死んで異世界転生してしまう。 転生した先では性別が変わってしまい、いわゆるTS転生を果たして生活することとなった。 せっかく異世界ファンタジーで魔法の才能に溢れた美少女になったのだ。元男は前世では掴めなかった幸せのために奮闘するのであった。 これは前世での後悔を引きずりながらもがんばっていく、TS少女の物語である。 ※この作品は他サイトにも掲載しています。

処理中です...