月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第213話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト6

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月の魔女とよばれるまで

第213話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト6

沙更として、教会の上層部じゃなくてアレク司祭が手を貸して欲しいというのならば手を貸すのはありだと思っている。アレクと上層部で思想が違うのを感じているからだ。孤児院の手助けになるかも知れないのならば、ミリアの手助けになることの加味してだった。

再度サンクチュアリを張り込んだことで、瘴気の濃度を下げることが出来た。流石に張ってすぐに動くわけにも行かず、ある程度話をしたりして時間を潰す羽目になってしまった。

濃度が濃いまま動くことは人間の身体が変質してしまう。そのことから濃度が濃かった場合は、避難することが冒険者として教えられていたからだ。

瘴気が濃い場所に長時間居るとその瘴気により、モンスターに変質してしまうことは古代から変わらない事実として受け入れられていた。

光魔法で保護したとしても、限界がある。現状知られている光魔法で動ける時間は大体30分ほど。この森で動くには確実に時間が足りなかった。

結界魔法を二つ張っていると言う時点で、かなり厳しい状態だった。普通の冒険者ではクエストをこなすことも出来ないレベルであったから。

「瘴気の濃さが本当に異界に来たと錯覚するくらいに濃いな」

「セーナちゃんの魔法がなかったらここまで来られないと言うのだけよく分かったかも」

「こんな状態になるまでほったらかしたと言うのがなあ」

「どちらにしても、対処不能だったと思うわ。先輩達であれでしょう?他の冒険者でなんとか出来るとは思えない」

四人とも現状を考えて、他の冒険者でなんとか出来る訳が無い事を実感するしか無い。沙更のサンクチュアリがなければ、そもそもここまで来られるかすら怪しいのだから。

沙更として使っている魔法の大半が途轍もない代物ばかり、知っている魔法ですら桁が外れてしまうのだから規格外と言う文字がよく似合う。

サンクチュアリが周囲の瘴気の浄化を終えると同時に再度奥へと進む。浄化が進んできたことで、中程からここまでは空気がどす黒いと言う事は無いが、浄化出来ていないところは相変わらずのどす黒さである。

森は異様な雰囲気を放っている。浄化された場所にはモンスターが寄りつかないために、ある程度安全が確保できているがそれ以外の所の危険度はしゃれにならないほどだ。

森の状態を確認しつつ、モンスターの気配を探る形なのだから難しい。ミリアの気配察知と沙更の探査魔法のダブルで捜査しているからなんとかなっている。

じゃなければ、下手なモンスターに急襲されて全滅の憂き目に遭っていただろうことは否めない。森の探査は、かなりの危険を秘める。だから、初級の冒険者たちに中程以降に行かないように周知しているのだろうと沙更は思う。

かくして、浄化しつつも森の奥を目指す。元凶はなんなのかを探るために。
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