月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第214話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト7

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月の魔女とよばれるまで

第214話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト7

サンクチュアリの効果範囲は1キロ。中程で一回張って、再度張ったことで効果範囲が重なる部分があるとは言え、約2キロほどが浄化されたことになる。

こうして、森の奥まで向かうしか方法がないことに沙更は気づいていた。

(サンクチュアリで、動ける範囲を広げながらじゃないとこのクエストは成功しない。私がいるのが前提だから、本当なら手も足も出ない状況だったのがよく分かる)

相手は聖属性の使い手が居ない前提で侵攻して来ているので、策を練ってきていた。

月女神の眷属と同時侵攻のつもりだったのかもしれないが、そちらは沙更の魔法で阻止してあるだけに、相手の思い通りにはなってはいない。

(ここまで対抗出来るのは、月女神の器のおかげだと思う。普通の人では対抗出来るとは到底思えないから)

確かにその推察自体は、間違ってはいなかった。だが、一つ抜けている部分があった。それは、沙更本人の才能を低く見積もりすぎたことだ。

神の器を使うことは並の人間には難しい。下手に使えば振り回されるのが落ちであり、高すぎる魔力は自滅の元なのだ。

それをしっかりと自分の思うように動かせるもとい使えると言うことはそれだけ親和性が高いと言う証になる。それに沙更は気づいていなかった。

瘴気の濃さに辟易しつつ、沙更の光魔法でみんなの身体の保護をしておく。そうでもしないと身動きが取れなくなっていた。既に、この世の瘴気の濃さではなくなっている。

下手に解除しよう物なら、数分で変質が始まりかねない。そんな濃度と言うことだ。異界に繋がっていると言ってもおかしくは無いほどの濃さになってしまっている。それをどうにかすると言う形なのだから、どれだけ力業が必要になるかは想像に難くなかった。

少しずつだが前に進めていることがせめてもの救いと言うべきかも知れない。浄化した部分はいざ知らず、瘴気が覆い尽くした場所でどうなっているかが読めなかったからだ。

サンクチュアリの浄化部分から少し出たところで、今度は野生の獣が変容してモンスターに変わる姿を目撃することになってしまった。

灰色の狼が、デスハウンドに変容していく姿は見るも異様と言うしか無い。変容してすぐに襲いかかってくるがそこはミリアが白の直刀を抜いて対処する。

そもそもデスハウンドの速度とミリアの速度では、相対速度に差がありすぎた。エアウォークで加速が掛かっている状態のミリアに触れるには最低でもBランクモンスターを持ってこないと厳しい。

白の直刀で一刀の元に切り捨てられて、消滅するデスハウンド。そこに残る魔石は普通の物とは違い、大きかった。

「瘴気で変容したモンスターは普通のモンスターよりも強いってことなのかな?」

「強いのかも知れませんけど、ミリアお姉さんあっさりと切り捨てましたよね?」

「あのくらいの速度だったら、補助なしでも余裕だよ。セーナちゃんに心配はさせたくないしね」

そう言うミリアは汗一つかいていない。かなりの速度で動いたはずなのだが、それでも軽く動いたかな程度らしい。かなり身体能力が上がっている証だった。
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