月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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新たなる住処

第215話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト8

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月の魔女とよばれるまで

第215話 ウエストエンドの森瘴気駆逐クエスト8

瘴気で変容する獣を見て以後、荒野の狼の口数が減った。ある意味衝撃的なものではあったので、しょうが無いと沙更は思った。ああやって変化していくのを間近で見ることになったのは初だっただろうし、まさかこうなると思ってもいなかったであろうから。

またある程度進んだところで、沙更の探知魔法が引っかかりを覚える。ノイズが入るようになった事に疑問を覚えないわけが無かった。

瘴気の濃度が濃くてもノイズは無かっただけに、そこに何かがあるのは明白だった。それ故に、敵が潜んでいる可能性が否定できない。

「ミリアお姉さん、この先から探査魔法に乱れが出てる。もしかしたら元凶が居るかもしれない」

「セーナちゃんの探査魔法は範囲が広いからね。でも、妨害出来る物なの?」

「魔力を波にして放っているから、返す波の方向をずらすだけでも妨害にはなるの。だから、相手は私たちのことに気付いていると思う」

元々、探査魔法は現代で言うところのソナーなのでこちらの位置を知られることも加味している。それだけに、ノイズを入れてくると言うことは妨害を試みたと言うことになるのだ。

ミリアからパウエル達にもその話をして貰う。その間、沙更は再度サンクチュアリを張っておくことにした。ここまで来るまでの濃度が先ほどまでと比べても濃すぎたからだ。

一気に瘴気を浄化していく、サンクチュアリ。瘴気が減っていくのを肌で感じつつもそれでも濃さが一気に跳ね上がっていることに懸念を感じざるを得ない。

(ここまでの瘴気の濃度は、まるで異界と言って良いと思う。本当にエーベルさんの知恵を引き継いでおいて良かった。じゃなかったら、このクエストを受けられなかっただろうから)

エーベルの古代魔法士の知恵は、こういう所にも生かされている。サンクチュアリ自体、古代魔法の一つであったからこうやって扱うことも出来るのだ。

古代魔法士の知恵を欲しがる魔法士は相当数いるが、手に入れられたと言う話は聞いたことが無い。そもそも失われた古代遺産を手に入れられるかと言う当たりで発掘が進んでいないと言う現状があるからだ。

エーベルが居た古代遺跡は原型をほぼ留めていたが、他の古代遺跡に至ってはかなり破壊されていたりするため、かなりの時間が掛かるだろうと思われていたからだ。

そんなことを思いつつも、この森を異界化した存在がいることに沙更は懸念を感じざるを得ない。どちらにしろ、その相手を倒さなければ平穏な暮らしなど望むべくもないからだ。

少なくても、ミリアにこれ以上の負担を強いるような環境にはしたくはなかった。沙更としてそこに関しては譲れるわけが無かったから、協力を惜しむつもりも無い。

エリシアの件もあるだけに、ここで退くわけにはいかなかった。
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