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新たなる住処
第225話 森のクエストを終えて
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月の魔女とよばれるまで
第225話 森のクエストを終えて
瘴気を生み出す異界の者を強制排除して、瘴気を浄化したことで無事クエストを完了した荒野の狼のメンバーと沙更はエアウォークで加速しつつ、ウエストエンドに戻ることにした。
瘴気自体は、月女神の神具セレスティアルソードのおかげで周囲もほぼ浄化は済んでいる。が、全てを浄化しきったわけではないので、森の奥は再度探索が必要になるだろうと思われた。
今回も、沙更がいなければクエストを完了できたかどうか怪しい状態であった。異形の者だけならば、ミリアの力でなんとかなったかもしれない。が、異界の神が出てきてしまったら勝てるとは思えなかった。
沙更に眠る月女神が起きてくれなければ、どうなっていたかは分からない。そんな状態であったからだ。
「それにしても、月女神様が邪神って誰が伝えたのかなあ?あの態度からして、元々この世界の神様じゃなさそうだし」
「それは俺も思った。しかも俺たちをあっさり守ってくれただろう?邪神があんなに親切なわけが無い」
「そもそも邪神って誰が決めたよ?わざわざ異界の神が出てきたからって邪神が助けるかってな」
「その当たりは古代に月女神をはめた側の言い分なのではなくて?どちらにしろ、わたくしたちはあの方を邪神と認めるわけにはいかないわ。助けて貰ったのもあるけど、セーナちゃんに眠っている神様をそんな扱いできるわけが無いでしょう」
やはり、こういう話になるとヘレナの鼻息が荒いのは宗教的な問題が付きまとうからだろう。それに、今までの宗教観とはかなり違う形になってしまっている。月女神を奉る宗教は古代に滅んでいるからだ。
実際、そう言う面でも月女神は神としてかなり異質と言える。あがめる人間がいなくても本来の力を発揮できる時点で神としての格は相当上と言うしか無いのだから。
「そう言えば、今の教会って誰を崇めているんだ?その話題を聞いたことが無いんだが」
パウエルがそう言うとヘレナは呆れた顔をした。今の教会は、神を奉っては居ないらしい。そもそも神に反逆した世界だけに、月女神ですら邪神にしたのだから誰を奉るなんて事も無かったようだ。
「そもそも、今の教会は光魔法を崇めているようなものよ?そういう点で、セーナちゃんは教会関係者の垂涎の的ね。でも、この前会ったアレク司祭は若手のホープで出世頭だけれど頭は柔軟そうだったわ」
「アレク司祭は今の教会の膿を出したいようでした。孤児院にお金を回さずに私腹を肥やすお偉方が嫌いだと言っていましたし」
「そういう点まともなのは分かるけれど、上の覚えが悪いからどこかで躓きそうな気もするかな?でも、あの人そう言うの楽しんで乗り切りそうなんだよね」
沙更の言葉に、ミリアが見た印象を語る。ヘレナとしてもアレクに関しては好印象のようだ。
「とにかく、戻るとしよう。どちらにしろ、懸案は片付いたから少しは落ち着くと良いんだが…」
「リーダー、多分それは無理だと思うぜ。どちらにしろ、次は次で待ってるはずだ」
ガレムが預言めいたことを口にするものだから、ヘレナもミリアも怪訝そうな顔をしていた。沙更としてもなんか直感が冴えているのだろうと思ったが口には出さない。
ウエストエンドはまだまだいろいろな問題が山積みだからだ。
第225話 森のクエストを終えて
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「そう言えば、今の教会って誰を崇めているんだ?その話題を聞いたことが無いんだが」
パウエルがそう言うとヘレナは呆れた顔をした。今の教会は、神を奉っては居ないらしい。そもそも神に反逆した世界だけに、月女神ですら邪神にしたのだから誰を奉るなんて事も無かったようだ。
「そもそも、今の教会は光魔法を崇めているようなものよ?そういう点で、セーナちゃんは教会関係者の垂涎の的ね。でも、この前会ったアレク司祭は若手のホープで出世頭だけれど頭は柔軟そうだったわ」
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「とにかく、戻るとしよう。どちらにしろ、懸案は片付いたから少しは落ち着くと良いんだが…」
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