261 / 365
フィリエス家の内情と戦
第241話 猪の鼻亭での料理対決4
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第241話 猪の鼻亭での料理対決4
沙更は、マッグスから豚の塩漬け肉とキャベツを受け取り、木桶一杯分の水を使って何が出来るかを考えた。下手に油を使うよりは、やはりここは蒸し焼きが一番だろうと思う。
塩は塩漬け肉から取れば良いし、キャベツの栄養も染み込む。後は、塩気を調節するくらい。
軽く塩漬け肉を水で洗うと残りの水を寸胴鍋に入れて、更に中蓋を入れていく。
沙更の行動を見ていたマッグスは、始めて見る調理法に目を丸くした。
(この嬢ちゃん、俺の知らない調理法を知っているだと!?あの言葉は、真面目に出来るとそういう事だったのか)
沙更の実力を見せられた気がしたからだ。同じく、アンナも見知らぬ調理法に驚いていた。まさか、こんな小さい子が自分より物を知っていると言うことだったから。
一方、ミリアたちは沙更が何を作るか検討が付いていた。何度か作ってくれた蒸し焼き料理を作っていた時と同じ手順だからこそと言える。
沙更の料理に気を取られつつ、マッグスはいつもの手順で作っていく。
沙更と言えば、既に上蓋を入れて蒸す準備を終えていた。これから加熱するのだが、薪を使った竈なので若干数火力が足りていなかった。
それでも、魔力を使うのは止めておく。魔力で補ってしまえば、沙更が有利になりすぎるし不公平だと分かっていた。火でも水でも魔力でなんとか出来てしまうのは沙更の特権とも言えたからだ。
薪で火を熾しつつも、鍋の位置を確認して加熱していく。マッグスはそれを横目に見つつ、随分と楽なのだろうかと考えてしまう。
が、蒸し料理自体結構奥深い物だったりする。蒸す時間を間違えれば、失敗するのは他の料理と同じであった。沙更は、その辺を感覚でやっている。それで間違えていない当たりが異世界の知識持ちだからと言うしか無い。
大体25分じっくり蒸したところで、外蓋を開ける。良い感じに蒸された塩漬け肉とキャベツが出てきた。油も使わないことからそこまでこってりしないし、キャベツもお肉も水分を多めに含んでいるだけにしっとりしている。
「私の方はこれで終わりです」
沙更の言葉に、マッグスも既にいつもの料理を作り終えていたから頷く。いつもの豚の塩焼き肉とキャベツのつけあわせだった。
強いて言うと、沙更の料理は女性向けに近い。あっさり目で、それほどカロリーも多くは無い。が、栄養を損なわずに食べられることが利点であった。
強いて言うとマッグスの料理は働く男の人向けというべきだろう。それだけに、朝から食べるにはかなり重くなってしまっていたのと塩気が強すぎたのが沙更的に問題だった。
それを知って貰うためにあえての蒸し料理だったと言うわけだった。
第241話 猪の鼻亭での料理対決4
沙更は、マッグスから豚の塩漬け肉とキャベツを受け取り、木桶一杯分の水を使って何が出来るかを考えた。下手に油を使うよりは、やはりここは蒸し焼きが一番だろうと思う。
塩は塩漬け肉から取れば良いし、キャベツの栄養も染み込む。後は、塩気を調節するくらい。
軽く塩漬け肉を水で洗うと残りの水を寸胴鍋に入れて、更に中蓋を入れていく。
沙更の行動を見ていたマッグスは、始めて見る調理法に目を丸くした。
(この嬢ちゃん、俺の知らない調理法を知っているだと!?あの言葉は、真面目に出来るとそういう事だったのか)
沙更の実力を見せられた気がしたからだ。同じく、アンナも見知らぬ調理法に驚いていた。まさか、こんな小さい子が自分より物を知っていると言うことだったから。
一方、ミリアたちは沙更が何を作るか検討が付いていた。何度か作ってくれた蒸し焼き料理を作っていた時と同じ手順だからこそと言える。
沙更の料理に気を取られつつ、マッグスはいつもの手順で作っていく。
沙更と言えば、既に上蓋を入れて蒸す準備を終えていた。これから加熱するのだが、薪を使った竈なので若干数火力が足りていなかった。
それでも、魔力を使うのは止めておく。魔力で補ってしまえば、沙更が有利になりすぎるし不公平だと分かっていた。火でも水でも魔力でなんとか出来てしまうのは沙更の特権とも言えたからだ。
薪で火を熾しつつも、鍋の位置を確認して加熱していく。マッグスはそれを横目に見つつ、随分と楽なのだろうかと考えてしまう。
が、蒸し料理自体結構奥深い物だったりする。蒸す時間を間違えれば、失敗するのは他の料理と同じであった。沙更は、その辺を感覚でやっている。それで間違えていない当たりが異世界の知識持ちだからと言うしか無い。
大体25分じっくり蒸したところで、外蓋を開ける。良い感じに蒸された塩漬け肉とキャベツが出てきた。油も使わないことからそこまでこってりしないし、キャベツもお肉も水分を多めに含んでいるだけにしっとりしている。
「私の方はこれで終わりです」
沙更の言葉に、マッグスも既にいつもの料理を作り終えていたから頷く。いつもの豚の塩焼き肉とキャベツのつけあわせだった。
強いて言うと、沙更の料理は女性向けに近い。あっさり目で、それほどカロリーも多くは無い。が、栄養を損なわずに食べられることが利点であった。
強いて言うとマッグスの料理は働く男の人向けというべきだろう。それだけに、朝から食べるにはかなり重くなってしまっていたのと塩気が強すぎたのが沙更的に問題だった。
それを知って貰うためにあえての蒸し料理だったと言うわけだった。
0
あなたにおすすめの小説
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
異世界で貧乏神を守護神に選ぶのは間違っているのだろうか?
石のやっさん
ファンタジー
異世界への転移、僕にはもう祝福を受けた女神様が居ます!
主人公の黒木翼はクラスでは浮いた存在だった。
黒木はある理由から人との関りを最小限に押さえ生活していた。
そんなある日の事、クラス全員が異世界召喚に巻き込まれる。
全員が女神からジョブやチートを貰うなか、黒木はあえて断り、何も貰わずに異世界に行く事にした。
その理由は、彼にはもう『貧乏神』の守護神が居たからだ。
この物語は、貧乏神に恋する少年と少年を愛する貧乏神が異世界で暮す物語。
貧乏神の解釈が独自解釈ですので、その辺りはお許し下さい。
私が目覚めたのは断罪劇の真っ最中でした
アーエル
ファンタジー
「今北産業、説明ぷりーず」
「「「…………は?」」」
「今北産業、状況説明ぷりーず」
だれか説明してくださいな
☆他社でも公開しています
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる