月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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フィリエス家の内情と戦

第244話 料理対決を終えて

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月の魔女とよばれるまで

第244話 料理対決を終えて

沙更の料理を食べて貰うことで、マッグスとしても今の問題点が理解出来た。塩が多すぎる所為で、食材のうまみを生かせていなかったと言う事に。

「お嬢ちゃんの言いたかったことはこれだったんだな?」

「塩気が多すぎては、身体に不調を与えてしまうこともあるのです。だから、抑えて欲しかったと言う事と塩漬け肉ならそのうまみを引き出してこそ料理人だと思ったから」

「本当に、その幼さで教えて貰うことになるとは思いもしなかった。が、いろいろと考えてみる良い機会になりそうだ。ありがとうな」

マッグスは、相手が幼子であろうとも教わることがあることを改めて実感していた。それに、沙更の方が料理の腕も上と来ている。それは希有な才能であった。

シルバール王国で、こんな幼い時期からこれほど料理に慣れた人間はほぼいないだろうと言うのは分かる。そして、実践してきていることを改めて見せつけられた格好だからだ。

だが、それでも謝った部分を訂正出来る良い刺激を貰ったのも確か。そういう点でも頭が上がらないと言うしか無い。

だからこそ、素直に謝意を述べていた。追い込まれてのギリギリの営業は、思っている以上に精神をすり減らしていたようだ。考え直してみれば、もうちょっと工夫が出来たはずだ。それすら怠ってしまうほどに、摩耗してしまっていたと言うのが本音。

「お嬢ちゃん、本当に申し訳ないのだが作って貰った料理を教えて貰うことは出来るだろうか?出来れば、この料理をここで提供してみたい」

「マッグスさんが乗り気ならば、私としてもやぶさかではありません。元々、塩焼き肉以外のメニューも欲しいと思っていたところですから」

沙更として、お客さんとして頼むことが出来る料理の数は多い方が飽きが来ないだろうと思う。そして、それがおいしいならば尚更と言う物。それで無くても、男性向きの料理が多い。だから、しっかり素材を生かした料理もあっても良いんじゃ無いかと思ったのが本当のところだったのだから。

マッグスからしてみれば、道場破りをされたようなものではある。が、家庭とお店で違うのもまた事実。ただ、蒸すために素早く商品の提供は難しい。そこだけは、現在の調理場だとどうにもならなかった。

夕方の営業開始前には豚の塩漬け肉とキャベツの蒸し料理のコツを教える。やはり、慣れないことをやっているだけにまたまだ慣れていない部分はあるが、作っていけばいずれ慣れるだろうと思われた。

沙更としてやれることはやったことから孤児院に戻ることにした。護衛の依頼を受けたことで、パウエルたちも一緒だ。リエットもそれに続く。

「もう、これからはリエット様に刺客が放たれるかもですね」

「でも、セーナちゃんとあたしがいれば不意打ちは難しいと思う」

仮定の話ではあるが、現状沙更とミリアがいれば不意打ちは完全に防ぐことが出来ると言って良かった。

だが、魔力探査も気配察知も万能では無い。だからこそ、警戒する必要があった。              
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