月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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フィリエス家の内情と戦

第254話 孤児院での迎撃戦8

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月の魔女とよばれるまで

第254話 孤児院での迎撃戦8

ミリアに気付いた暗殺者が牽制の為に投げナイフを投げる。一直線に来る投げナイフをすっと掴み取ると再度投げ直す。行きよりも更に速度が上がった一撃に、回避することすら出来ずに命中。

「ぐあああっ」

「投げたら、投げ直されるくらいは予想しようよ」

ミリアからしてみれば、そう言うしかない。あっさりと投げ直した投げナイフが回避出来ずに、足に命中している当たりやっぱり練度が低いと思ってしまう。

だが、それはミリアの腕が相当高いからであり、回避するのを選択するのが普通だった。下手すれば、その一撃で命を落とす可能性すらあったのだから。

「くそっ、ここは化け物の巣か!?」

「あたしで驚かれても困るんだけど?とりあえず、ここから離れて貰おうかな」

「ぐっ、ぐあああ」

そう言って、暗殺者を横回し蹴りで屋根から蹴り落とす。痛みに悲鳴を上げつつも暗殺者が屋根から転げ落ちていく。ある意味穏便ではないが、どちらにしろ仕掛けてきたのはそちらだからこれでも遠慮しているのだ。

「流石に全て切っていたら面倒だもの。まあ、痛い思いはするだろうけど自業自得で一つよろしく」

暗殺者が屋根から落ちたところで、ミリアはエリシアの所へ向かう。あそこも外れの為、狙われる可能性が高かったからだ。

その頃、沙更はガレムの所に戻っていた。ガレムも暗殺者のボディチェックが終わって呆れた顔をしていたが。

「おいおい、こいつら毒すら持ってたぞ。孤児院丸ごと抹殺する気か?」

「自分の仕事が分からないように関係していない人も抹殺するなんて雑にも程があります。でも、先に発見できて良かったです」

「だな。ったく、暗殺者と言うより虐殺者じゃねえか。真面目にくそ野郎すぎて笑えねえよ」

「次は、裏手ですか。ガレムさん、私に付いてきてください」

沙更は、裏手から入り込もうとしている暗殺者を探知し、そちらに向かうことにした。ガレムにも付いてきて貰うことにする。ボディガードのつもりでガレムに付いてきて貰っていたのだ。

孤児院の裏手の扉を破壊して入ろうとしたところを沙更とガレムが見つける。見つかったことに気付いた暗殺者は、そこから逃走しようとする。ある意味今までの暗殺者と違い、失敗したことを認めて撤退することにしたようだ。

だが、それを見逃すわけにはいかない。

「逃がしません。行って、ストーンバレット!!」

沙更がとっさに唱えたストーンバレットが逃走しようとする暗殺者を打ち据える。流石に魔力を多めにつぎ込まれているからか、飛距離と威力が膨れあがっている。普通なら小石程度の大きさなのに、拳大の石が数十個ほど飛んで行っていたのだから相当だ。

ぶつけられた暗殺者は、その一撃でボロボロになっていた。死んでは居ないが重傷で、痛みに顔が引きつっている。

「痛え、痛えよ!!」

「ここに押し入った時点で、そうなっても文句は言えません。ガレムさん、次行きましょう」

「だな。ったく、馬鹿が多すぎる。この程度の戦力でここを落とす気で居たのか?全然足りねえよ」

ガレムとしては、今の荒野の狼が奮戦すれば兵士100人だろうが余裕で相手が出来ると言う事を頭に入っていたからこその言葉だった。強いて言うと、暗殺者も相手が悪いとしか言えないのだ。
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