月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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フィリエス家の内情と戦

第255話 孤児院での迎撃戦9

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月の魔女とよばれるまで

第255話 孤児院での迎撃戦9

エリシアがいる端の部屋の方に回ったミリアは、そこで暗殺者と鉢合わせしてしまう。端だから侵入しやすいと考えたようだが、防衛する側としてもそこを頭に入れておくのだからしっかり防衛されるのだと気づくべきだった。

誘い込まれたと思えない時点で、一流にはなれないのだと言うことでもあるのだが暗殺者側は気づいてもいない。そんな様子に、ミリアとして呆れるしかなかった。

(思っていたよりも暗殺者の質が悪い?どちらにしろ、ご退場願うことになるんだけどね)

実際で言うならば、ミリアがここにいる暗殺者よりも腕前が上になってしまっていることを自覚していないからだ。エーベルからの贈り物と沙更が渡した白の直刀との相性もあって、ここまで来てしまっている。下手な暗殺者よりも忍べることを知らない。

だから、暗殺者側は勘違いをする。ただの小娘だとそれが最大の間違いであるのだ。

(ちっ、ただの小娘一人掻っ捌いてしまえばおしめえよう)

ミリアに襲いかかる暗殺者。だが、正面からのその動きに今のミリアがついていけないわけがない。いつの間にか出しておいたショートソードに、白の直刀が打ち合わせた。

甲高い金属音が鳴り響くが、ミリアの表情に変わりはない。きっちりと反応して、ショートソードの一撃に白の直刀の一撃で打ち合わせたのだ。

遅れて仕掛けたはずなのに、しっかり打ち合わせたその腕は上級冒険者に恥じないもので暗殺者にとっては完全なる誤算だった。

(なにもんだ?この小娘は!?こっちの攻撃より遅く動いたはずなのに打ち合わせやがった!!)

暗殺者として、ミリアの動きが不可解でしかない。だが、先ほどから暗殺者と対峙してきたミリアには難しい話ではない。

(多分だけど、この人達ってこちらの腕を測る指標みたいなものなのかな?手応えがあまりないけど、他の人たちならそれでも厳しいんだろうしね)

その読みも実は外れているのだが、当てる気で考えているわけじゃないことから、さっさと動くことにした。

(セーナちゃんをあまり待たせるのもね)

そう考えて、ミリアは先程と違い暗殺者よりも先手を取った。打ち合わせた時よりも素早く白の直刀を振るう。その動きに意表を突かれた暗殺者は回避出来ない。そのまま、暗殺者のショートソードを持つ腕を切って、武器を使えなくする。

「いっ、痛えぇ!!」

「これ以上は時間を使えないから」

ミリアはそれだけ言うと暗殺者の首に白の直刀の鞘での一撃を加えて意識を刈り取る。崩れ落ちる暗殺者をそのままに、他の気配がないことを確認するとその場を立ち去った。

暗殺者の残りはあと6人。でも、ミリアとしてそこまで心配はしていなかった。沙更の魔法がある限り、最悪は避けられると信じていたから。
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