月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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フィリエス家の内情と戦

第256話 孤児院での迎撃戦10

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月の魔女とよばれるまで

第256話 孤児院での迎撃戦10

ガレムは、沙更のストーンバレットでボロボロになった暗殺者を縛り上げておく。一応血止めだけはしておくが、それ以上のことはしないでおいた。

「セーナちゃんの魔法は流石に火力が大きいな。初級魔法だろ?あれ」

「本当なら、そんなに強い魔法じゃないんですけどね。私の魔力だからかも?」

そう言いつつも、正面側に戻る。残り後5人になっていたが、その内の一人は、動いていない。それが妙だなあと思いつつも、それ以上の思考はしない。


その頃、孤児院の入り口側で次々と同業がやられていくのを見ていた少女は相手側の力量を推測していた。

(相手は相当の手練れと見て良い。あたしが行っても善戦できるかどうか…。正面からになればこちらに不利。それを他の人達は分かっていない)

最初の時点で、かなり不利だったことまでは見抜けなかったがそれでも20分以内に五人が処理されている。しかも全員死んでいないと言う当たりが徹底されていると読んだのだ。

(下手に動いたとしても、ここの守りは崩せない。長がやっつけ仕事だと言った理由がよく分かる)

既に少女の関心は、同業者ではなくここを守る人間に移っていた。そもそも、同業とは言え今回が初顔合わせなので情も何もないと言うのが本音ではあった。


一人一人で侵入できない事を今更ながらに感づいた暗殺者五人の内四人が結託することになった。

「このままじゃ俺ら仕事を失敗ってことになっちまう」

「それは後々を考えると悪手だものね。だから、協力してあげる」

「どちらにしろ、一人でなんとかならないのは他のメンツを見ていれば分かる」

「それに、ここを守る相手は相当な強者だな。冒険者なのか?」

四人ともこの孤児院を守る相手を知らない。知らないで攻め込む当たりが、雑な仕事と言うしか無い。本当ならば、仕事を受ける前に情報を確認しておくべきだっただろう。

はっきり言って、厳しい仕事になるのは情報さえ確認しておけば分かるはずで、それを怠ったのが響いていた。

中級暗殺者四人ならば、孤児院に押し入れるとこの時の面々は思っていた。が、それですら既に沙更に筒抜けであった。

「ガレムさん、暗殺者四人が固まって動き始めました」

「なら、いちいち探し回らなくて済みそうだな。ミリアもそろそろ来るだろって、上からかよ」

丁度話している最中に、ミリアが戻ってきた。

「お待たせ。やっぱりエリシアちゃんの方にも暗殺者が回ってた。裏もだけど、既に掌握されているってまだ気付いてないみたい」

「魔力で構築した探知システムは魔力の流れが読めない人間では、回避は不可能です。それに、それだけの魔法士は今居ないでしょうから」

「って考えると人間相手じゃセーナちゃんを超えられねえってことか。まあ、味方だから心強えが敵に回したら命が何個あっても足りねえぜ」

「もう、ミリアお姉さん達と戦う事なんてあり得ませんからそこの心配はしなくても良いと思いますよ」

沙更が操られることはまず持ってない。逆はあり得るが、それでも相手が沙更ならば切り抜けることはそこまで難しくは無かった。
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