月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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フィリエス家の内情と戦

第258話 孤児院での迎撃戦最終

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月の魔女とよばれるまで

第258話 孤児院での迎撃戦最終

四人の中級暗殺者を前に、ミリアもガレムも沙更も下手に動かない。と言うよりも、いきなり先手を取る必要性が無かった。

そういう点、沙更の補助魔法の凄さとその魔法に信頼を置いていると言うことに尽きる。その動きが中級暗殺者達には奇妙に見えた。暗殺者の場合先手必勝であり、ミリアの剣術が得意とする後の先は苦手であった。

そう言う意味でも、ミリアは暗殺者たちとは一線を画していると言って良い。しかも、それに気付かなければ相手に勝機は無いと言う落ちまで付いてくる。

あちらからこちらの力量は見えないが、それでもこちらからあちらの力量は分かっていた。もう5人も捕縛しているのだから、大体の推量は付いていたのだ。

一方、暗殺者たちも三人の力量が測れない事からかなり驚いていたが押し入るのなら結局仕掛けるしかない、最初に、暗殺者の女が魔法を唱える。

「渦巻く風よ、我が呼び声に応じて敵を切り裂け!エアブレード!!」

風の中級魔法エアブレードを唱える女暗殺者に、沙更が一気に対応する。

(魔力よ、私の願いに応えて。光魔法ディバインベール)

一気に自身の魔力を解放すると同時に魔力に願う。その願いに応えた光魔法ディバインベールが光のベールをミリアたちの前に張って、風の刃から守ってくれた。

七色に輝くベールは、四大属性だけじゃ無く光や闇の魔法からも身を守ってくれる優れものであり、沙更の魔力ならばいかな魔法士であろうとも魔法を通すことはないと言えた。

七色のベールに風魔法エアブレードを防がれた事により、遠距離支援は厳しい事を悟るしか無い。中級魔法を取得するのもそれなりに時間が掛かるが、それを防ぐ魔法などどれだけ修行すれば覚えられるのか見当も付かないほどなのだから。

女の暗殺者は、沙更の魔力を感じて恐慌状態に陥っていた。それもそのはず、沙更の膨大な魔力は感じられる人間にとっては恐怖そのものでしか無いのだから。

「なんなのよ、その子何者なの!?それだけの魔力を持っているなんて!!」

「おい、落ち着け!くっ、これで直接戦闘以外の選択肢は無くなったか」

完全に状況が悪化したことを暗殺者たちは悟るしか無い。女暗殺者を除く三人が前に出て一気に仕掛けてくる。が、三人の内二人をガレムが足止めする。

「ったく、俺を抜いてみろ。お前らの腕でそれが出来るのならな」

あからさまな挑発に乗ってしまう暗殺者二人。そして、残ったもう一人はミリアと対峙する。暗殺者は大型ナイフを抜くとミリアも白の直刀を出す。だが、鞘も見当たらない状態からいきなり武器が出てきた事に驚きを隠せない。

(あの武器、どこから出した!?)

動揺を悟られないように、暗殺者はミリアの隙を付くがその動きはミリアに読まれている為かすりもしない。その攻撃の間に、ミリアも白の直刀を抜いていた。

大型ナイフと同じくらいの刀身だが、その刀身が真っ白という時点で相手に驚きを与えるには十分だ。

(くそっ、なんだあの剣は!?真っ白だと!?)

暗殺者はそのまま大型ナイフを手に突っ込んでくる。それをミリアは一歩ずれると同時に白の直刀を振り抜いた。甲高い金属音と共に大型ナイフの刀身が真っ二つになっていた。そして、ミリアの白の直刀にはヒビなどもなくそのまま。

そして、それに気付いた時には追撃の回し蹴りが暗殺者の腹に決まっていた。

「グハッ、こ、この俺が…」

対峙していた暗殺者の意識を刈り取るとその頃にはガレムの方も終わっていた。

「ったく、生ぬるいぜおめえら。はあ、味気なさ過ぎて笑えねえぜ」

暗殺者二人をあっさりとのしたが運動にもなっていなかったらしい。ガレムにしては不完全燃焼過ぎて逆に困った格好だ。

「で、残ったのはあんただがやるのか?」

残った女暗殺者は、余りの戦力差にここを抜けないことを気付いていた。魔法の腕はそれなりに自信を持っていたが、それでも沙更に敵うわけもない。

「ガレムさん、戦意はもうなさそうですよ。でも、動かれると困るのでスタンボルト!」

沙更が麻痺の光玉を女暗殺者に当てて、身動きを取れないようにするとミリアが四人をまとめて縛り上げた。

「残るのはあと一人だけど、入り口前から動いてないよね?」

「もしかしたら、私たちを待っているのかも知れませんね」

「戦うかどうかは、相手の出方でいいか?下手に好戦的に行ってもなあ」

ガレムとして、下手に手を出したところで面白みは無いと分かってしまっただけに下手に動きたくないのが丸わかりだった。それに、ミリアも同意見らしい。

「依頼を完遂する気なら動いて当然だけど、それでも動いてこなかったなら話をする余地はあると思う。ガレムじゃないけどなんか弱い物いじめしている感じでちょっとね」

力量差がありすぎるせいか、そう思ったらしい。沙更としてもは余り気にしていなかったが、二人にとってはそう言うことのようだった。
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