月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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最終章 目覚める神

第290話 エンシェントゲートに向けて

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月の魔女とよばれるまで

第290話 エンシェントゲートに向けて

 冒険者ギルド、辺境伯共に開拓村付近まで近づいてきたモンスターの氾濫に対処するために双方協力体制を作りつつも早急にエンシェントゲートに向かう事になった。

 沙更たちもその一員として、参加するのだが嫌な予感がしてならない為に辺境伯の騎士や兵士たちよりも先にウエストエンドを立った。出る前に、5人で一ヶ月は持たせられる程の生鮮食品を買い込んで虚空庫に入れておく。

 少なくても行き帰りで、そのくらいの日数を食うだろうと考えたからと今、パウエル達に武器防具を買う必要が無かったからが大きい。冒険者としては珍しく、お金にかなり余裕があったからだ。リエットの護衛の件に付け加えて、この前の戦での報奨金もかなりの額が出た事により一般的な冒険者よりも財布に余裕があった。

 それだとしても、一ヶ月分の野菜や牛乳等を仕入れるのはなかなかに骨が折れる。だが、いつもの露店のお兄さんや牛乳とバターを買うお店に事前に相談しておいたことで、いろいろと商品を貯め込んでくれていたのが良かった。そのおかげで、約一ヶ月分の買い物を済ますことが出来たのだ。

 強いて言うと露店のお兄さんは、今回の件で村の特産品を売るお店を作る事にしたそうだ。沙更がいつも丸ごと買い込むことで、奥の露店でも有名になったらしい。よく野菜が売れるようになったと笑顔で言っていた。

 孤児院の人達にも別れを済ませて、ウエストエンドの西門から開拓村への道を進む。いつも通り、エアウォークの魔法はかけたまま。

 徒歩の六倍以上の速度で、開拓村に向かう。途中大森林を突き抜けていく事を前提に、進路を決めていたのだ。そんな中、ミリアが沙更に話しかける。

「セーナちゃん、カタリーナ様を待たなくて良かったの?」

「むしろ、カタリーナ様やリエット様を悲しませたくないから先に出たのです。ミリアお姉さん達に道連れになって貰いましたけど、かなり危険なことになります。大丈夫ですか?」

 沙更として、そこだけは言っておく必要があった。今ならまだ引き返せると。

 だが、その言葉に四人とも首を振る。それもそのはず、沙更一人で行かせるほど人間腐ってはいない。そして、あの古代遺跡で命を救ってくれたのだ。死ぬ危険があるのは承知で付いてきていた。

「それを今更言う?セーナちゃんが優しいのは分かるけど、それはないんじゃない?」

「言わないよりは言った方が良いとは思うが、今の俺たちには不要だな」

「一人で行かせるか?あり得ないんだよ。せめて、巻き込め。一人で居なくなったらミリアが悲しむだろう」

「あの時に救って貰った命だから、使うならセーナちゃんの助けになりたい。それだけは許して欲しいわ」

 四人の返答を聞きつつ、どれだけモンスターの数を減らせるかが勝敗を分けることになるだろう。今、扱える魔法の最高峰のディバインブレードでも一回では殲滅できない。となれば、大技よりも数に頼る形になる。だが、その魔法が今の沙更にはなかった。
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