月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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最終章 目覚める神

第296話 モンスターとの遭遇3

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月の魔女とよばれるまで

第296話 モンスターとの遭遇3

 ガレムが離されたが、大勢にに変わりは無い。それに、ガレムがヒルジャイアントの攻撃を防いだ事により、パウエルが動く。

 パウエルの青い魔鉄の剣が、ヒルジャイアントのかかとを切り裂く。流石に、魔鉄の剣の一撃を防ぎきることは出来ないようだ。

 かなりの痛みに悲鳴を上げるヒルジャイアント。そこに、追撃とばかりにミリアが飛び、白の直刀でヒルジャイアントのふくらはぎからアキレス腱までを両断する。

 アキレス腱を切られた事により、立って居られなくなったヒルジャイアントはさらに悲鳴を上げ、腕を振り回すが既にその距離にミリアとパウエルはいない。

 もう一体のヒルジャイアントは、ガレムとの一騎打ちに突入している為に窮地を救うことが出来る状態ではなかった。

 そもそも、それを狙ったわけでは無い。が、ヒルジャイアントを引き離すことに成功した。そうなってしまえば、パウエル達をヒルジャイアントが止められるわけがない。

 ガレムがヒルジャイアント一体を引きつけてくれている。それだけでも戦況は大分変わっていたのだ。だからこそ、ヒルジャイアント達が追い詰められていく。

 片方のアキレス腱を切られたヒルジャイアントは、ミリアの動きに付いていくことが出来ない上にパウエルの存在もあることで、一人に集中仕切れなかった。ヒルジャイアントの注意力が散漫になったことで、さらにミリアの速度に付いていけなくなっていた。

 そして、ミリアが撹乱してパウエルが堅実な動きをすることでさらに揺さぶりを入れていく。

 Bランクモンスターを討伐した経験が生かされていると言って良い。前までなら、ガレムが攻撃一辺倒だっただけにこうして引きつけることもままならなかったが、いまならそう言うことも出来る。となれば、戦術も変わるのが当然というしかない。

 さらに、沙更の魔法の援護もあることで戦力差を縮めていたのも大きい。アキレス腱を切られたヒルジャイアントは攻撃範囲を狭める。攻撃できる角度以外の場所からミリアが仕掛けることで、ヒルジャイアントが注意をそちらに向けていたのだ。

 相手の注意を引きつけたことで、ガレムとミリア以外に相手からの攻撃を仕掛けられることは無い。パウエルとヘレナが動きやすい環境になった。

 流石にここまで来るとヘレナも攻撃に攻撃に加わる。剣よりもなによりも魔鉄のメイスの一撃は非力であっても効果的な一撃を加えられるだけに、弱ったヒルジャイアントにとっては厳しいとしか言えなかった。

 ガレムとの一騎打ちに入ったヒルジャイアントは、悲鳴を上げるもう一体の援護が出来ないことに気づいて焦る。しかし、ガレムを無視して援護に行けないだけにもう一体が沈むのも時間の問題と言えた。
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