月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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最終章 目覚める神

第297話 モンスターとの遭遇4

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月の魔女とよばれるまで

第297話 モンスターとの遭遇4

 ヒルジャイアントとの一騎打ちに入ったガレムは、もう一体をミリアとパウエルに任せることにした。ヘレナが動いているのも見えたが、大丈夫だろうと踏んだからだ。

 巨人族相手で、一騎打ちをしても今のガレムなら負けることはない。怪我をしたとしても沙更の存在があるだけに、心強いと言って良かった。

 流石に、それを大っぴらに言うつもりも無い上に少なくても格好を付けたいと思うガレムは、流石に年上としての意地がある。下手な格好が出来ないと思う当たりは、幼い容姿に引きずられていると言ったところだろう。

「ったく、巨人族相手に一騎打ちとは俺も強くなったもんだぜ」

 沙更に出会う前なら、Bランクモンスターに会っただけでも負けを意識せざるを得なかった。それが今では、互角以上に戦える事を分かっていると言うのだから、どれだけ成長したかが分かろうと言うもの。

 しかも相棒も力量に合わせて、質も上がっただけに今では炭素鋼の斧はガレムに馴染んでいる。

 ヒルジャイアントの拳の一撃を受け止めるのも下手な鉄では折られてしまうし、鋼鉄でも曲がってしまう可能性があった。が、炭素鋼の斧はヒルジャイアントの一撃を受け止めてもなお曲がらず、そして歪んでもいない。それだけでも良い武器だと言うことが分かる。

 本当に良い相棒を貰ったと思いつつ、再度迫るヒルジャイアントの動きをよく見極める。流石にアイスジャイアントほどの機敏さはない。ヒルジャイアントは巨人族としても弱い方に分類されるだけに、素早さはそこまで高くないのだ。

 力ならば、他の種族にも引けを取らないだけに一撃が重い。だが、その動き自体はそこまで早くは無い。だからこそ、今のガレムでも対応できた。

 ヒルジャイアントの拳の一撃を炭素鋼の斧を使って受け止めきる。二発受け止めても斧に変化は無い。それだけじゃなく、ヒルジャイアントの拳にかなりの打撃を与えていた。巨人の拳よりも炭素鋼の方が硬度が上のために、ヒルジャイアントの拳の方が血まみれだ。

 硬いと分かっているだけに、斧以外の所に攻撃を仕掛けてくるがその動きを逆手にとってガレムは間合いを詰めていく。ガレムの思惑に、ヒルジャイアントが気付いた時には既に膝に強襲するところだった。

「その巨体を動かすならば、膝は急所だろうが!!」

 ガレムが全身の力を込め、炭素鋼の斧をヒルジャイアントの膝に叩き込む。ヒルジャイアントの皮膚を断ち切り、半月板を割り、そして骨をも砕いて足の裏側まで断ち割っていた。

 その一撃でヒルジャイアントの片足を完全に破壊して、倒したところを追撃とばかりに頭にも同じ要領で仕掛けて、頭部を完全に破壊。一騎打ちに見事勝利した。

 そして、ガレムが一騎打ちに勝利する頃にはパウエルとミリアの連携によりもう一体のヒルジャイアントも首を断ち切られていたのだった。
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