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最終章 目覚める神
第323話 月女神の選択
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月の魔女とよばれるまで
第323話 月女神の選択
月女神が生み出した魔力は、浮上した月に流れてゆく。そして、月女神の魔力量が億を突破して兆に突入した頃、月にも十分な魔力が溜まったことで高度を固定することが出来ていた。
世界にまた月が昇ったことで、またかなりの変化が現れることになるのだがそれは後の事。
月女神は兆を超える魔力を身に纏って立つは、まさに凜々しいと言うに相応しい。だが、元眷属と対峙していることもあり、表情が難くなってしまっていたが。
「さて、私の力はこれくらいと言ったところかしら。それで、勝てる要素はありそう?」
月女神の声に、元月女神の眷属は余りの実力の差を感じてしまっていた。それもそのはず、沙更とセーナの二人の魂が生み出す魔力と同等の瘴気を持つが、月女神に対抗するには力が足りなさすぎる。そして、現状の月女神に勝てる要素はほぼ皆無と言って良い。
「これだけの力差があると言うか」
そして、これだけの膨大な魔力が瘴気を浄化し始める。月女神の加護は、魔力をこの世界に満たす事で異世界の邪神の攻勢を和らげてくれる。その効力が、元眷属にも働き始めていた。
自分の身体から煙が立っている事に気付いた元眷属は愕然とする。これだけの濃度の魔力を浴びていれば、瘴気を糧とする存在には劇毒としか言いようがない。
「なるほど、この世界に今の俺は存在するのも難しいと言う事か。ならば、存在できる時間の全てで貴女に抗って見せよう」
元眷属はそれだけを言うと紫の大剣を抜く。その様子を見た月女神は、初手を譲ることにした。神具セレスティアルソードは望めば、その姿を現すだけに今ないことに問題はなかった。
「初手は譲ってくれると!?貴女が優しいのはよく知っているが、それは傲慢というものだ」
「私が先手では、貴方が打ち合わせることすら厳しいでしょう。なので、初手は譲って差し上げます。ですが、二手目は無いと思ってください」
月女神は、そう宣告する。元眷属に対する慈悲とも言えなくもない。消滅させるだけならば、初手を譲る必要すらないのだから。
その言葉に、元眷属は今出せる自分の最良の一撃を繰り出す。紫の大剣で出せる最速の一撃。だが、それでも月女神にしてみれば受け止めることも難しくはないくらいの技であった。
セレスティアルソードを持たない今でも、元眷属の一撃を軽やかに見切る。動いた距離は僅か一歩、それで見切っているあたりが月女神の強さを物語っていた。
「くっ、あの一撃ですら動きを見て見切るだと!?」
「貴方が思っている以上に、私は戦いの中にいたのです。そのくらいの攻撃で当たっているようでは、神々の戦に生き残る事は出来ません」
月女神として言える事はそれだけであった。古い神であるが故に、戦に何度も立ち会っている。守りも攻めも器用にこなせるのは神々との戦に何度も巻き込まれた経験故だ。その経験があるからこそ、異世界の邪神すら相手取って余裕を見せる事が出来ると言って良い。
初手は譲って、元眷属の紫の大剣から繰り出す技を見切って一歩だけ動いた。二手目を譲る予定はない。だからこそ、月女神は左腕を振る。その手には、淡い月の光が刀身に煌めくセレスティアルソードがあった。
第323話 月女神の選択
月女神が生み出した魔力は、浮上した月に流れてゆく。そして、月女神の魔力量が億を突破して兆に突入した頃、月にも十分な魔力が溜まったことで高度を固定することが出来ていた。
世界にまた月が昇ったことで、またかなりの変化が現れることになるのだがそれは後の事。
月女神は兆を超える魔力を身に纏って立つは、まさに凜々しいと言うに相応しい。だが、元眷属と対峙していることもあり、表情が難くなってしまっていたが。
「さて、私の力はこれくらいと言ったところかしら。それで、勝てる要素はありそう?」
月女神の声に、元月女神の眷属は余りの実力の差を感じてしまっていた。それもそのはず、沙更とセーナの二人の魂が生み出す魔力と同等の瘴気を持つが、月女神に対抗するには力が足りなさすぎる。そして、現状の月女神に勝てる要素はほぼ皆無と言って良い。
「これだけの力差があると言うか」
そして、これだけの膨大な魔力が瘴気を浄化し始める。月女神の加護は、魔力をこの世界に満たす事で異世界の邪神の攻勢を和らげてくれる。その効力が、元眷属にも働き始めていた。
自分の身体から煙が立っている事に気付いた元眷属は愕然とする。これだけの濃度の魔力を浴びていれば、瘴気を糧とする存在には劇毒としか言いようがない。
「なるほど、この世界に今の俺は存在するのも難しいと言う事か。ならば、存在できる時間の全てで貴女に抗って見せよう」
元眷属はそれだけを言うと紫の大剣を抜く。その様子を見た月女神は、初手を譲ることにした。神具セレスティアルソードは望めば、その姿を現すだけに今ないことに問題はなかった。
「初手は譲ってくれると!?貴女が優しいのはよく知っているが、それは傲慢というものだ」
「私が先手では、貴方が打ち合わせることすら厳しいでしょう。なので、初手は譲って差し上げます。ですが、二手目は無いと思ってください」
月女神は、そう宣告する。元眷属に対する慈悲とも言えなくもない。消滅させるだけならば、初手を譲る必要すらないのだから。
その言葉に、元眷属は今出せる自分の最良の一撃を繰り出す。紫の大剣で出せる最速の一撃。だが、それでも月女神にしてみれば受け止めることも難しくはないくらいの技であった。
セレスティアルソードを持たない今でも、元眷属の一撃を軽やかに見切る。動いた距離は僅か一歩、それで見切っているあたりが月女神の強さを物語っていた。
「くっ、あの一撃ですら動きを見て見切るだと!?」
「貴方が思っている以上に、私は戦いの中にいたのです。そのくらいの攻撃で当たっているようでは、神々の戦に生き残る事は出来ません」
月女神として言える事はそれだけであった。古い神であるが故に、戦に何度も立ち会っている。守りも攻めも器用にこなせるのは神々との戦に何度も巻き込まれた経験故だ。その経験があるからこそ、異世界の邪神すら相手取って余裕を見せる事が出来ると言って良い。
初手は譲って、元眷属の紫の大剣から繰り出す技を見切って一歩だけ動いた。二手目を譲る予定はない。だからこそ、月女神は左腕を振る。その手には、淡い月の光が刀身に煌めくセレスティアルソードがあった。
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