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最終章 目覚める神
第328話 月の魔女と呼ばれて2
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月の魔女とよばれるまで
第328話 月の魔女と呼ばれて2
そこまで話をして、ダイスはモンスターの群れが動く音が聞こえない事に気付いた。ここまで話をしていて、エンシェントゲート間近だと言う話だった。それならもう襲撃されていておかしくはない。だが、今もここは静かなままだ。
あまりにも静かな事に、ダイスは状況を推測するしかなかった。
「まさか、パウエルたちでモンスターの氾濫を抑えたって言うのか?」
「それこそまさかだって、あたしもリーダーもガレムもそこまで大それた事を出来る器じゃ無いってギルドマスターが一番知ってるじゃない」
「だがなあ、お前達は…」
そこまで言っていて気付いた。ミリア達を引き上げたのが誰だったかを。そう、セーナの存在が頭の中から抜けていた。だから気付いた時には、納得をするしか無かったとも言う。
「そうか、この子がやったのか。そうだろ!?」
ダイスが結論めいた事を言うから、沙更は慌てて首を振る。どちらかというと自分よりも中に眠る月女神が手を貸してくれたからが本当のところだったが、ダイスはそれを知らない。
そして、この世界の人間は基本的に神を信じてはいないのだ。既に過去に滅んだとされているから、滅ぼしたのが自分たちだと知らぬまま。
だからこそ、沙更は月女神のことを話したりはしない。だが、いずれは話す事もあるかも知れないとも思う。
「モンスターに関しては、ミリアお姉さんとガレムさんが頑張ったのは確かですけどそれでもモンスター全てをどうにか出来たわけじゃないですよ。後、これを見て貰った方が良いかもですね」
沙更が出したのは紫の大剣。それを見たダイスがさらに驚く。それもそのはず、王国に仇なす邪なるものが使っていた剣で、ここにあってはならない物だったから。
「その剣、もしかしてあいつを打ち破ったのか!?」
「あの存在はこの世から消えました。残ったのはこの剣だけです」
誰が倒したとは言わない。言える訳がないし、言うつもりも無い。だからこそ、ぼかすわけでもなく端的に事実を述べるに留める。
ダイスがどう判断するかを見定める必要があったからだ。そこのあたりは、ミリアも頷く。
『どちらにしろ、ギルドマスターに月女神様のことを言う必要はないかな。それに、眠ってしまっているから面倒ごとに巻き込んでしまうのも申し訳ないと思うんだよね』
『月女神様は、ミリアお姉さんたちや私くらいしか関わりを持とうとしないでしょう。数千年の時を経て復活したとは言っても、その力を積極的に使うつもりもないでしょうから』
『月女神様が積極的に動くなら、この世界はまた変わってしまうと思う。そうなると知っているから、動きたくないって言うのも分かるかな』
と二人で念話を交わしているとダイスがその剣をまじまじと見ていた。本物かどうかは、刀身の禍々しさからすぐに判断が付いた。だが、下手な人間が持つと呪われるはずのそれをセーナがあっさりと持っていたのが不思議でならなかったのだ。
第328話 月の魔女と呼ばれて2
そこまで話をして、ダイスはモンスターの群れが動く音が聞こえない事に気付いた。ここまで話をしていて、エンシェントゲート間近だと言う話だった。それならもう襲撃されていておかしくはない。だが、今もここは静かなままだ。
あまりにも静かな事に、ダイスは状況を推測するしかなかった。
「まさか、パウエルたちでモンスターの氾濫を抑えたって言うのか?」
「それこそまさかだって、あたしもリーダーもガレムもそこまで大それた事を出来る器じゃ無いってギルドマスターが一番知ってるじゃない」
「だがなあ、お前達は…」
そこまで言っていて気付いた。ミリア達を引き上げたのが誰だったかを。そう、セーナの存在が頭の中から抜けていた。だから気付いた時には、納得をするしか無かったとも言う。
「そうか、この子がやったのか。そうだろ!?」
ダイスが結論めいた事を言うから、沙更は慌てて首を振る。どちらかというと自分よりも中に眠る月女神が手を貸してくれたからが本当のところだったが、ダイスはそれを知らない。
そして、この世界の人間は基本的に神を信じてはいないのだ。既に過去に滅んだとされているから、滅ぼしたのが自分たちだと知らぬまま。
だからこそ、沙更は月女神のことを話したりはしない。だが、いずれは話す事もあるかも知れないとも思う。
「モンスターに関しては、ミリアお姉さんとガレムさんが頑張ったのは確かですけどそれでもモンスター全てをどうにか出来たわけじゃないですよ。後、これを見て貰った方が良いかもですね」
沙更が出したのは紫の大剣。それを見たダイスがさらに驚く。それもそのはず、王国に仇なす邪なるものが使っていた剣で、ここにあってはならない物だったから。
「その剣、もしかしてあいつを打ち破ったのか!?」
「あの存在はこの世から消えました。残ったのはこの剣だけです」
誰が倒したとは言わない。言える訳がないし、言うつもりも無い。だからこそ、ぼかすわけでもなく端的に事実を述べるに留める。
ダイスがどう判断するかを見定める必要があったからだ。そこのあたりは、ミリアも頷く。
『どちらにしろ、ギルドマスターに月女神様のことを言う必要はないかな。それに、眠ってしまっているから面倒ごとに巻き込んでしまうのも申し訳ないと思うんだよね』
『月女神様は、ミリアお姉さんたちや私くらいしか関わりを持とうとしないでしょう。数千年の時を経て復活したとは言っても、その力を積極的に使うつもりもないでしょうから』
『月女神様が積極的に動くなら、この世界はまた変わってしまうと思う。そうなると知っているから、動きたくないって言うのも分かるかな』
と二人で念話を交わしているとダイスがその剣をまじまじと見ていた。本物かどうかは、刀身の禍々しさからすぐに判断が付いた。だが、下手な人間が持つと呪われるはずのそれをセーナがあっさりと持っていたのが不思議でならなかったのだ。
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