月の魔女と呼ばれるまで

空流眞壱

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最終章 目覚める神

第335話 カタリーナへの報告1

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月の魔女とよばれるまで

第335話 カタリーナへの報告1

 流石にウエストエンドの中で補助魔法で加速するのも問題があるから、そのまま徒歩で辺境伯の屋敷へと向かう。歩いていると大型馬車とすれ違ったところで、声をかけられる。声をかけたのはジークであった。

「カタリーナ様から迎えを頼まれました。みなさん乗ってください」

 ジークにそう言われ、四人はあっさり乗れたが沙更はジークの手助けを受けて馬車に乗り込む。五人を乗せた馬車辺境伯の屋敷へ走り始めた。

「貴方たちには驚かされる。辺境のモンスターの氾濫を抑えきってしまうとは思ってもなかったがな」

「ジークさんなら誰がと言わなくても分かると思うので、俺たちからは何も言いません。それともう一つ報告があるのですが、そっちの方が驚くかも知れません」

「もう一つ?そっちはカタリーナ様と一緒に聞く事にしよう。どちらにしろ、途方もない事をしたのはなんとなく察するがね」

 ジークもパウエル達を認めているだけに、その報告がなんとなく凄い物であることを気付いていた。モンスターの氾濫を抑えきっただけでも王国騎士団を超えた働きだと言うのにそれ以上があるとなれば、ガーゼルベルトを超える英雄が誕生したことになるからだ。

 馬車が辺境伯の屋敷に着くとジークが沙更の手を取ってエスコートしてくれて馬車から降りる。既に、入り口前にはリエットが待っていた。

「幼い治癒士様、お待ちしておりました。お母様がお待ちです」

「リエット様、えっと私ばかり持ち上げられても困ってしまうのですが」

 沙更としてみれば、自分一人でなんとか出来たわけじゃない。でも、ミリアたちからしてみれば沙更の力がなければここに立っていられないのだから納得していた。

「どちらにしろ、セーナちゃんがいなければモンスターの氾濫を抑えるのも、黒幕を退治することも出来なかったのは確かだし、リエット様が言っていることも間違いじゃないんだよね」

「もう、ミリアお姉さん。そうは言われても…」

「ごめんごめん、セーナちゃんが凄いってことはリエット様も分かってるからついついね」

 ミリアがそう言うと沙更は首を振る。そのまま、リエットに連れられてカタリーナの執務室まで案内されると中でカタリーナが待っていた。

「待っていたわ。辺境の様子を教えてちょうだい。それと冒険者ギルド支部長の件は聞いているからそちらは後でにしてもらえる?」

 知りたいことが山ほどあるはずだが、一番知りたいのがそれなのは言うまでも無く分かる為、そちらから報告することにした。それとカタリーナに嘘をつく気も無いので、月女神の存在をほのめかすことにした。

 月の浮上を見ているだけに、人間を超える存在が現れたことを理解せざるを得ないのとそうでもしなければ説明が付かないからだった。
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