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第二王子との邂逅
第109話 ウィリアム王子から見る王立学園
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月の魔女と聖剣
第109話 ウィリアム王子から見る王立学園
カイゼルラントから戻って入学した王立学園は、欲に塗れた者たちの巣窟だとウィリアムは感じざるを得ない。カイゼルラントの貴族達の方は自制が出来ていたのだなと理解出来る位だったからだ。
編入初日から伯爵家の令嬢に追い回され、女子生徒たちとすれ違えばひそひそと話をされるわで居心地が非常に悪い。実際カイゼルラントの学園はほぼ卒業出来る状態だったため、こちらの学園に通う必要性はなかったのだが、兄上の邪魔をするつもりは無いと言う意思表示の為に通ってみただけだったが失敗したかもしれないと思う。
そんな令嬢達の中、1人だけ違う反応をする令嬢がいる。このクラスで一番爵位が高い辺境伯の令嬢リエット。しばらくこの国を離れていた為、貴族たちの派閥は分からないが彼女は他の令嬢たちからどうやら疎まれているようだ。令嬢としてではなく次期領主になることが決まっていることもあって、令嬢らしい教育を受けていないのもあるのだろうと思うが、もしかしたら違うのかもしれない。
そもそも辺境伯の一族に王家は助けられてばかりの状態なのは、この国を出る前から変わっていない。他の貴族達はそれに羨望を抱き、排除しようとしたがあの老将であり宰相であるガーゼルベルトの前に思惑ごと叩き潰されていた。
王家の力がなくなったとは言え、象徴として使えると貴族達は考えているからこそ形上では敬われる形だがいつまで続くかは分からないとウィリアムは推測している。それだけに、変に上辺だけで迫ってくる令嬢たちに嫌気がさしていた。
『自国に戻ってきて、休まるときがないと言うのも困ったものだ』
王家の一員として見てくる令嬢たちにほとほと困ったウィリアム。ここまで追い回されるといろいろと逃げるのも無理はない。貴族クラスから追い回されて逃げ回った結果、王立学園でも奥にある平民のクラスがある校舎まで来てしまった。
「流石に、ここはどこだ?」
平民のクラスがある校舎の方に来たことがない為、ウィリアムは戻るにも戻れなくなってしまっていた。そこに現れたのは同じ年代の少女。見た目からして美しいと言える容姿で、ウィリアムは柄にも無く凝視してしまった。そんなウィリアムに気づいた少女は驚いた顔をしたが近づいてきてくれた。
「こんなところに迷い込んだのですか?」
「ああ、令嬢達から逃げていたらここまで迷い込んでしまった」
「なら、貴族クラスの近くまで案内しましょう。少し授業まで時間があるとは言え、このままでは遅刻してしまいます」
「君は私のことを知っているのか?」
ウィリアムは素直にその言葉を口にしてしまった。少女はその言葉に頷く。
「はい、存じております。シルバール王家第二王子ウィリアム様」
「王家の人間と分かっているのなら、説明はいらないか」
ウィリアムのその言葉に、少女は頷く。少女を観察しつつ、伯爵家の令嬢たちと違って媚びも売らないのだなと素直に驚く。平民からでは身分差が大きすぎるのもあるのだろうと納得はするが、それにしても前で案内してくれる少女は冷静であった。
少女に案内されるまま、ウィリアムが付いていけば見覚えのある場所まで来ることが出来た。
「王子様、ここまで来れば分かるとは思うのですが」
「ああ、ここまで来ればわかる。道案内助かった」
ウィリアムの礼を受け取り、少女は戻っていく。そんな彼女に1人の女生徒が近づいていくのが見えたが、その女生徒はウィリアムを追いかけ回さないただ1人の女生徒リエットだった。少女はリエットの知り合いもしくは侍女なのかもしれないと思う。
『いずれ、ちゃんと礼をしておくべきだろう』
そう言う点では変に律儀なウィリアムであった。
第109話 ウィリアム王子から見る王立学園
カイゼルラントから戻って入学した王立学園は、欲に塗れた者たちの巣窟だとウィリアムは感じざるを得ない。カイゼルラントの貴族達の方は自制が出来ていたのだなと理解出来る位だったからだ。
編入初日から伯爵家の令嬢に追い回され、女子生徒たちとすれ違えばひそひそと話をされるわで居心地が非常に悪い。実際カイゼルラントの学園はほぼ卒業出来る状態だったため、こちらの学園に通う必要性はなかったのだが、兄上の邪魔をするつもりは無いと言う意思表示の為に通ってみただけだったが失敗したかもしれないと思う。
そんな令嬢達の中、1人だけ違う反応をする令嬢がいる。このクラスで一番爵位が高い辺境伯の令嬢リエット。しばらくこの国を離れていた為、貴族たちの派閥は分からないが彼女は他の令嬢たちからどうやら疎まれているようだ。令嬢としてではなく次期領主になることが決まっていることもあって、令嬢らしい教育を受けていないのもあるのだろうと思うが、もしかしたら違うのかもしれない。
そもそも辺境伯の一族に王家は助けられてばかりの状態なのは、この国を出る前から変わっていない。他の貴族達はそれに羨望を抱き、排除しようとしたがあの老将であり宰相であるガーゼルベルトの前に思惑ごと叩き潰されていた。
王家の力がなくなったとは言え、象徴として使えると貴族達は考えているからこそ形上では敬われる形だがいつまで続くかは分からないとウィリアムは推測している。それだけに、変に上辺だけで迫ってくる令嬢たちに嫌気がさしていた。
『自国に戻ってきて、休まるときがないと言うのも困ったものだ』
王家の一員として見てくる令嬢たちにほとほと困ったウィリアム。ここまで追い回されるといろいろと逃げるのも無理はない。貴族クラスから追い回されて逃げ回った結果、王立学園でも奥にある平民のクラスがある校舎まで来てしまった。
「流石に、ここはどこだ?」
平民のクラスがある校舎の方に来たことがない為、ウィリアムは戻るにも戻れなくなってしまっていた。そこに現れたのは同じ年代の少女。見た目からして美しいと言える容姿で、ウィリアムは柄にも無く凝視してしまった。そんなウィリアムに気づいた少女は驚いた顔をしたが近づいてきてくれた。
「こんなところに迷い込んだのですか?」
「ああ、令嬢達から逃げていたらここまで迷い込んでしまった」
「なら、貴族クラスの近くまで案内しましょう。少し授業まで時間があるとは言え、このままでは遅刻してしまいます」
「君は私のことを知っているのか?」
ウィリアムは素直にその言葉を口にしてしまった。少女はその言葉に頷く。
「はい、存じております。シルバール王家第二王子ウィリアム様」
「王家の人間と分かっているのなら、説明はいらないか」
ウィリアムのその言葉に、少女は頷く。少女を観察しつつ、伯爵家の令嬢たちと違って媚びも売らないのだなと素直に驚く。平民からでは身分差が大きすぎるのもあるのだろうと納得はするが、それにしても前で案内してくれる少女は冷静であった。
少女に案内されるまま、ウィリアムが付いていけば見覚えのある場所まで来ることが出来た。
「王子様、ここまで来れば分かるとは思うのですが」
「ああ、ここまで来ればわかる。道案内助かった」
ウィリアムの礼を受け取り、少女は戻っていく。そんな彼女に1人の女生徒が近づいていくのが見えたが、その女生徒はウィリアムを追いかけ回さないただ1人の女生徒リエットだった。少女はリエットの知り合いもしくは侍女なのかもしれないと思う。
『いずれ、ちゃんと礼をしておくべきだろう』
そう言う点では変に律儀なウィリアムであった。
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