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聖剣の鞘の行方
第125話 聖剣キャリバーンの目覚め
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月の魔女と聖剣
第125話 聖剣キャリバーンの目覚め
王都を離れ、既に2日が経過した。馬車への付与魔法で車体を補強しつつ、虚空庫の糧食を使って平民たちの旅路を助ける沙更。王都から出る時に、食料はガーゼルベルトで持つつもりでいたが、沙更が貴族の私兵たちから強奪したのを有効利用することを申し出て、それが受け入れられた格好になっていた。
それは誰の懐も痛まないからだった。食料を節約出来るならそれに超したことはない。王都で食料を仕入れるのもかなり厳しい状況になっていた。脱出する頃には、商店が軒並み閉鎖された影響が出ていたからだ。損得を重視する商人達に取って、王都シルバールに留まることはリスクにしかならなかった。
おかげで食料を調達するのも苦労する状態になってしまった。今ではガーゼルベルトが宰相を辞めたことによる混乱がさらにその状況に拍車をかけ、貴族連合軍の存在が影を落とすことになる。王都の人口は数ヶ月前に比べ既に三割が他の土地へ移動したことで減ってしまっていた。それも裕福な人達から移動したことで、残された者たちには絶望しか残っていないのだ。
「大伯父様、王都は大丈夫でしょうか?」
「わしが知っているあいつならば王都を焼き打ちするだろうよ。自己顕示欲と力に酔ったやつは始末におえん」
公爵を直接知るだけに、ガーゼルベルトはそう吐き捨てる。施政者として一番不向きであり、自己主張の強い男。それだけに、王都をそのまま統治すると言うことはあり得ないと分かっていた。
「それでは…」
「王都の民は殺されるだろう。流石にそれを助けるのには戦力が不足しすぎている」
ガーゼルベルトはそう冷静に分析していた。極星騎士団だけで王都を取り返すには厳しすぎる。兵力差を考えれば、辺境の兵も連れてこなければ対等に太刀打ちも出来ない。リエットはその言葉に息をのむ。王家を潰して、その権威を手に入れようと企むなど、今まであり得なかったことであった。
「父上はこのことを知っていたな。私に聖剣を託したのは、そう言うことか」
「ウィリアム殿下、王は貴方に王家の未来を託したのです」
「まったく、聖剣が私を選ぶとは思ってもなかった」
ウィリアムとしてみれば、その思いが強い。王位継承権をあっさりと破棄した自分を聖剣が選ぶと言うのは皮肉が過ぎる気がしたのだ。腰に差しているが、何故選ばれたのかが分からない。
「王家の宝であり、王を選ぶ剣か」
「大伯父様?」
「ウィリアム殿下で良かったと言う事だ。ヘンリー殿下では、能力が足らない。父、ジョージ41世よりも足りない物が多すぎるからな」
ガーゼルベルトとしてはそう言うに留める。実際で言うと聖剣キャリバーンには謎が多いのだ。ウィリアムの腰に収まっているが、その剣にリエットも興味を持つ。
「ウィリアム様、その剣触っても大丈夫でしょうか?」
「待て、リエット」
ガーゼルベルトが制止するが、リエットは聖剣キャリバーンに触れてしまう。その時、聖剣キャリバーンは緑の光を放ち、鞘から刀身が抜けるとリエットの前に柄を差し出す形を取った。リエットに眠る王家の血が目覚めている証として。
第125話 聖剣キャリバーンの目覚め
王都を離れ、既に2日が経過した。馬車への付与魔法で車体を補強しつつ、虚空庫の糧食を使って平民たちの旅路を助ける沙更。王都から出る時に、食料はガーゼルベルトで持つつもりでいたが、沙更が貴族の私兵たちから強奪したのを有効利用することを申し出て、それが受け入れられた格好になっていた。
それは誰の懐も痛まないからだった。食料を節約出来るならそれに超したことはない。王都で食料を仕入れるのもかなり厳しい状況になっていた。脱出する頃には、商店が軒並み閉鎖された影響が出ていたからだ。損得を重視する商人達に取って、王都シルバールに留まることはリスクにしかならなかった。
おかげで食料を調達するのも苦労する状態になってしまった。今ではガーゼルベルトが宰相を辞めたことによる混乱がさらにその状況に拍車をかけ、貴族連合軍の存在が影を落とすことになる。王都の人口は数ヶ月前に比べ既に三割が他の土地へ移動したことで減ってしまっていた。それも裕福な人達から移動したことで、残された者たちには絶望しか残っていないのだ。
「大伯父様、王都は大丈夫でしょうか?」
「わしが知っているあいつならば王都を焼き打ちするだろうよ。自己顕示欲と力に酔ったやつは始末におえん」
公爵を直接知るだけに、ガーゼルベルトはそう吐き捨てる。施政者として一番不向きであり、自己主張の強い男。それだけに、王都をそのまま統治すると言うことはあり得ないと分かっていた。
「それでは…」
「王都の民は殺されるだろう。流石にそれを助けるのには戦力が不足しすぎている」
ガーゼルベルトはそう冷静に分析していた。極星騎士団だけで王都を取り返すには厳しすぎる。兵力差を考えれば、辺境の兵も連れてこなければ対等に太刀打ちも出来ない。リエットはその言葉に息をのむ。王家を潰して、その権威を手に入れようと企むなど、今まであり得なかったことであった。
「父上はこのことを知っていたな。私に聖剣を託したのは、そう言うことか」
「ウィリアム殿下、王は貴方に王家の未来を託したのです」
「まったく、聖剣が私を選ぶとは思ってもなかった」
ウィリアムとしてみれば、その思いが強い。王位継承権をあっさりと破棄した自分を聖剣が選ぶと言うのは皮肉が過ぎる気がしたのだ。腰に差しているが、何故選ばれたのかが分からない。
「王家の宝であり、王を選ぶ剣か」
「大伯父様?」
「ウィリアム殿下で良かったと言う事だ。ヘンリー殿下では、能力が足らない。父、ジョージ41世よりも足りない物が多すぎるからな」
ガーゼルベルトとしてはそう言うに留める。実際で言うと聖剣キャリバーンには謎が多いのだ。ウィリアムの腰に収まっているが、その剣にリエットも興味を持つ。
「ウィリアム様、その剣触っても大丈夫でしょうか?」
「待て、リエット」
ガーゼルベルトが制止するが、リエットは聖剣キャリバーンに触れてしまう。その時、聖剣キャリバーンは緑の光を放ち、鞘から刀身が抜けるとリエットの前に柄を差し出す形を取った。リエットに眠る王家の血が目覚めている証として。
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