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第124話 不審
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元クラスメイトを全員殺したところで、達成感があるわけでもなく、ただただ空虚な気持ちがそこにあった。殺しているときは楽しかったけど、終わってしまったらただ虚しいだけ。
そんな空っぽな状態で、三年生の後期が始まった。最初のホームルームで校長先生は言った。
「皆さん、おはようございます。後期も無事学校に来てくれて、先生嬉しいです。さて、皆さんに嬉しいお知らせが二つあります。ひとつは、夏休みにワープマンくんが結婚しました! おめでとうございます」
「おめでとう!」
みんなでワープマンにお祝いの言葉を言った。ワープマンも照れ臭そうにありがとうと返した。
「もうひとつは、キルルくんの即死魔法がレベル100になりました! うちの学年一番乗りです。おめでとうございます」
「え……?」
みんな、呆気に取られている。それもそうだ。レベル100までまだまだあるはずのレベル82で夏休みに入った僕が、夏休み明けにレベル100になっていたらそりゃびっくりするだろう。不穏な空気が教室に流れた。
「レベル100って! 一体何したんだ!? 大量殺人でもしたの!?」
トイが冗談半分で言ったが本当なのでシャレにならなかった。僕が暗い顔で押し黙っていると、
「まあ、とにかくおめでとう……」
と、クラスのみんなからまばらな拍手と不審気な祝いの言葉をもらった。レベル100になったときこんなに微妙な祝われ方をするのは多分全校で僕だけだと思う。
リリイとも、なんと話していいかわからなかった。
ホームルームが終わると、リリイはすぐに話しかけて来た。
「キルル……」
リリイも言葉に詰まっている。リリイも何から話すか悩んでいるのだろう。リリイなら、僕が夏休み中に相当数殺人をしていることを察している。しかし、夏休みの時期に国が殺人の依頼を連日するなんて、どう考えても不自然だ。リリイも、僕のことを不審に思っているだろう。
「ごめん、『即死魔法』のことは、あまり話せない決まりだから」
僕はリリイにそう言うと、逃げるように部屋に籠もった。
「はあ、これからどうしよう」
そう、僕は、レベル100になった上、元クラスメイトを全員殺し、しかも一般教養も高校卒業に必要な分を前期で全て取ってしまっていて、やることがなくなってしまったのだ。目的がなくなり途方に暮れていた。
そして、この空虚が新たな過ちを生むことになるのだ。
そんな空っぽな状態で、三年生の後期が始まった。最初のホームルームで校長先生は言った。
「皆さん、おはようございます。後期も無事学校に来てくれて、先生嬉しいです。さて、皆さんに嬉しいお知らせが二つあります。ひとつは、夏休みにワープマンくんが結婚しました! おめでとうございます」
「おめでとう!」
みんなでワープマンにお祝いの言葉を言った。ワープマンも照れ臭そうにありがとうと返した。
「もうひとつは、キルルくんの即死魔法がレベル100になりました! うちの学年一番乗りです。おめでとうございます」
「え……?」
みんな、呆気に取られている。それもそうだ。レベル100までまだまだあるはずのレベル82で夏休みに入った僕が、夏休み明けにレベル100になっていたらそりゃびっくりするだろう。不穏な空気が教室に流れた。
「レベル100って! 一体何したんだ!? 大量殺人でもしたの!?」
トイが冗談半分で言ったが本当なのでシャレにならなかった。僕が暗い顔で押し黙っていると、
「まあ、とにかくおめでとう……」
と、クラスのみんなからまばらな拍手と不審気な祝いの言葉をもらった。レベル100になったときこんなに微妙な祝われ方をするのは多分全校で僕だけだと思う。
リリイとも、なんと話していいかわからなかった。
ホームルームが終わると、リリイはすぐに話しかけて来た。
「キルル……」
リリイも言葉に詰まっている。リリイも何から話すか悩んでいるのだろう。リリイなら、僕が夏休み中に相当数殺人をしていることを察している。しかし、夏休みの時期に国が殺人の依頼を連日するなんて、どう考えても不自然だ。リリイも、僕のことを不審に思っているだろう。
「ごめん、『即死魔法』のことは、あまり話せない決まりだから」
僕はリリイにそう言うと、逃げるように部屋に籠もった。
「はあ、これからどうしよう」
そう、僕は、レベル100になった上、元クラスメイトを全員殺し、しかも一般教養も高校卒業に必要な分を前期で全て取ってしまっていて、やることがなくなってしまったのだ。目的がなくなり途方に暮れていた。
そして、この空虚が新たな過ちを生むことになるのだ。
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