氷の花嫁

コサキサク

文字の大きさ
上 下
8 / 10

第8話 結婚式と死の淵

しおりを挟む
僕とユーリの結婚式の日が来た。
 
暑いけど晴天のとてもいい日だった。僕達は街の教会で挙式をした。

真っ白なウエディングドレスに身を包んだユーリは、本当に真っ白で美しく、参列者も息を飲んだ。僕は、ユーリの花嫁姿を見て、本当に人間とは違う、異端な花嫁を迎えたことを改めて実感した。

羨ましがる者はいない結婚だったものの、僕達はたくさんの人達に祝福された。遠方から来てくれた僕の両親をはじめ、ユーリのお店の人達に僕の戦士仲間が駆けつけ祝ってくれた。

翌日僕達は早速新居に引っ越した。二人とも荷物は少なく簡単に引っ越しは終わり、夕食は案の定ユーリの気合の入った料理だった。初めて料理を振る舞ってくれたときの倍の量はあった。残しても腐らせたりしないからと、とにかくたくさん作ってくれたようだ。まあ、僕は正直言うとこのあとのことしか考えていなかった。夕食は頑張って食べたけど。

夜になり、いよいよその時が来た。僕が死ぬかもしれない夜が・・・

ユーリは僕の裸を見るとキャーキャー言い出した。本当に男のことはなにも知らないんだなと思った。僕は人間の女の子とそれなりに経験があったからそんなに緊張していなかった。
「ボクも脱ぐの?恥ずかしいよ!」
「今さら照れないの!僕もう待たないからね。」
僕は新居のベッドにユーリを押し倒した。
ユーリが着ていたガウンを引き剥がした。ユーリはガウンの下に何も着ていなかったので、一気に全身露わになった。ユーリの身体は何もかも白かった。乳首も真っ白で、どこにも毛が生えていなかった。なんとも言えない美しさだ。
「綺麗な身体だね。」
僕はユーリとキスした後、小ぶりな胸を触り、舐めたりした。冷たくてしかたがないが、もともと冷たいもの好きなので全然平気だ。寝苦しい夜には心地良かった。
「ふふふ、なんだか、くすぐったい。」
ユーリは気持ちよさよりくすぐったさの方が勝っている様で笑っている。僕の手と舌はどんどん下に向かった。ユーリの秘部に指を入れる。
「カイ、痛いよー。」
ユーリが痛がるので指をしばらく入れて慣れるまで待った。ユーリの中はものすごく冷たい。口の中より冷たかった。しばらくすると、ユーリが落ち着いて来た。あまり慎重になると死の恐怖が来そうなので、一気に挿入した。ユーリが悲鳴をあげる。

冷たい。身体ごと凍りつきそうだった。だけど、これこそ、僕が初めてユーリとキスしたあの夜からずっと、期待し、求め続けていたものだった。この冷たさがずっと欲しいと思っていた。

ユーリは僕をどんどん締め付けて冷たくしていく。最高に気持ちよかった。僕はもう、冷たさにしか興奮できない。冷たさは、ユーリそのものだからだ。だからもっともっと冷たくなりたかった。もう、殺してくれてかまわない。だから、ねえ、ユーリ、僕を凍らせてよ。もっと。

僕が興奮していたから思いの外早く終わってしまった。身体はなんともなかった。痛がっていたユーリを慰めながら、僕はほっとしたようながっかりしたような複雑な気持ちになった。

その夜はユーリと添い寝して、平和に眠りに付いた。

だけど、こんな考えの僕が死の淵に立つことになるのは当然時間の問題だった。

結婚して何日かたった夜、僕はユーリと繋がったまま、意識を失った。











しおりを挟む

処理中です...