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第9話 反省
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「おう、変態旦那、目覚ましたか。」
僕が目を覚ましたとき、枕元に座っていたのは、タトゥーだらけの男だった。フレイの旦那のグレイブだ。横にフレイもいる。場所は新居だ。
「えっと、僕は・・・?」
「丸二日寝てたぞ。」
僕は目を覚ましたものの身体はものすごくだるかった。寒気がしてガタガタ震える。
「まあ、やりすぎだな。新婚とはいえほどほどにしとけよ。死にそうになるところまでやりたくなる気持ちはわかるけどな。」
「・・・やっぱり、わかります?」
「亜人はな、一応人間と子供は作れるようにできてるから、普通にやれば身体に支障ないんだよな。ただ、無茶すると死ぬから。となるとどのくらいで死にそうになるか、試したくなるよな。俺も新婚のときは本当にぞくぞくして楽しかったよ。」
たしかに、気を失う瞬間は気持ちよかった。だけどあれはあんまり再現しちゃいけないって、身を持って理解した。
「この、バカ旦那ども!目の前で旦那が死にかける嫁の身にもなんなさい!」
フレイが怒り出した。
「すいません。あの、ユーリは?」
「もうずっと泣いてるよ。体調が落ち着いたら迎えに行ってやりな。」
「ユーリはどこに?」
「あっちだよ。」
フレイが窓の外を指差した。赤ドラゴンの丘の空だけ、真っ黒になっていた。
「氷妖精は、泣くと周りの天気だけ悪くなるんだ。」
僕は歩けるようになるなり赤ドラゴンの丘にユーリを迎えに行った。夏なのに、赤ドラゴンの丘だけ吹雪いている。丘の頂上、僕がプロポーズした場所で、ユーリが泣いていた。
「ユーリ!」
ユーリがびっくりして振り向いた。
「カイ!大丈夫なの!?」
「ああ。」
「よかったあ!もうあのとき死んじゃったのかと思った!怖かったよおお!うわあああ!」
少しずつ、吹雪が収まっていく。
「ユーリ、ごめんね。」
僕はユーリを抱き寄せようとすると、ユーリが離れる。
「ボクに触っちゃダメ!」
「ユーリ、僕が過剰なことしたからああなったけど、本来ユーリと触ったぐらいで死にやしないんだよ。大丈夫だから。」
「ほんとに?」
「ほんとだよ。だから家に帰ろう。」
「い、いや!」
「どうして?」
「ボク、もうカイのお嫁さんなんていや。ウエイトレスとお客さんだったころの方が良かった!そしたら、カイは死にかけたりしなかったのに!こんな生活嫌なの!」
「ユーリ・・・ユーリのせいじゃない。僕がユーリの気持ちを考えずに突っ走ったから、こうなっただけだよ。」
その時、上空を赤ドラゴンが通り抜けた。夕焼けが濃いピンクになる。あのときと同じだ。
「ねえ、ユーリ、ここで結婚するって言ってくれたとき、ユーリは何考えてた?どんな結婚生活を考えてたの?」
「ボクは・・・カイの好きなものたくさん作ってあげて、お弁当作ってあげたいって思った。」
「ふふ、ユーリの理想はかわいいね。」
「うん、ボク、そんなことしか考えていなかったの。ボクと一緒にいたらカイが死ぬかもとか、そんなことまで考えてなかった。」
僕は、ユーリのかわいらしい理想をぶち壊してしまったんだ。本当に悪いことをしたんだな、と反省した。僕も、この場所でプロポーズしたときは、ユーリと同じように、かわいらしい夫婦になるつもりだったのに。いつの間にか変わっていた。だけど、ユーリのこと、好きな気持ちは変わってない。
「ユーリ、僕はユーリのこと、大好きだよ。僕は、ユーリの身体に触り過ぎたら死ぬことも、全部わかってて結婚したんだ。それぐらい、ユーリのこと好きなんだよ。」
「カイ・・・」
「僕は、ユーリと一緒にいたら死ぬかもしれない。だけど、ユーリと一緒にいれなきゃ、生きていけないんだ!だからお願い、帰ってきて!」
僕はユーリを抱きしめた。
「もう、死ぬようなこと、しないから。お願い。」
「カイ・・・」
ユーリも僕の体に手を回す。
「うん、お家に帰ろう。カイ。」
僕が目を覚ましたとき、枕元に座っていたのは、タトゥーだらけの男だった。フレイの旦那のグレイブだ。横にフレイもいる。場所は新居だ。
「えっと、僕は・・・?」
「丸二日寝てたぞ。」
僕は目を覚ましたものの身体はものすごくだるかった。寒気がしてガタガタ震える。
「まあ、やりすぎだな。新婚とはいえほどほどにしとけよ。死にそうになるところまでやりたくなる気持ちはわかるけどな。」
「・・・やっぱり、わかります?」
「亜人はな、一応人間と子供は作れるようにできてるから、普通にやれば身体に支障ないんだよな。ただ、無茶すると死ぬから。となるとどのくらいで死にそうになるか、試したくなるよな。俺も新婚のときは本当にぞくぞくして楽しかったよ。」
たしかに、気を失う瞬間は気持ちよかった。だけどあれはあんまり再現しちゃいけないって、身を持って理解した。
「この、バカ旦那ども!目の前で旦那が死にかける嫁の身にもなんなさい!」
フレイが怒り出した。
「すいません。あの、ユーリは?」
「もうずっと泣いてるよ。体調が落ち着いたら迎えに行ってやりな。」
「ユーリはどこに?」
「あっちだよ。」
フレイが窓の外を指差した。赤ドラゴンの丘の空だけ、真っ黒になっていた。
「氷妖精は、泣くと周りの天気だけ悪くなるんだ。」
僕は歩けるようになるなり赤ドラゴンの丘にユーリを迎えに行った。夏なのに、赤ドラゴンの丘だけ吹雪いている。丘の頂上、僕がプロポーズした場所で、ユーリが泣いていた。
「ユーリ!」
ユーリがびっくりして振り向いた。
「カイ!大丈夫なの!?」
「ああ。」
「よかったあ!もうあのとき死んじゃったのかと思った!怖かったよおお!うわあああ!」
少しずつ、吹雪が収まっていく。
「ユーリ、ごめんね。」
僕はユーリを抱き寄せようとすると、ユーリが離れる。
「ボクに触っちゃダメ!」
「ユーリ、僕が過剰なことしたからああなったけど、本来ユーリと触ったぐらいで死にやしないんだよ。大丈夫だから。」
「ほんとに?」
「ほんとだよ。だから家に帰ろう。」
「い、いや!」
「どうして?」
「ボク、もうカイのお嫁さんなんていや。ウエイトレスとお客さんだったころの方が良かった!そしたら、カイは死にかけたりしなかったのに!こんな生活嫌なの!」
「ユーリ・・・ユーリのせいじゃない。僕がユーリの気持ちを考えずに突っ走ったから、こうなっただけだよ。」
その時、上空を赤ドラゴンが通り抜けた。夕焼けが濃いピンクになる。あのときと同じだ。
「ねえ、ユーリ、ここで結婚するって言ってくれたとき、ユーリは何考えてた?どんな結婚生活を考えてたの?」
「ボクは・・・カイの好きなものたくさん作ってあげて、お弁当作ってあげたいって思った。」
「ふふ、ユーリの理想はかわいいね。」
「うん、ボク、そんなことしか考えていなかったの。ボクと一緒にいたらカイが死ぬかもとか、そんなことまで考えてなかった。」
僕は、ユーリのかわいらしい理想をぶち壊してしまったんだ。本当に悪いことをしたんだな、と反省した。僕も、この場所でプロポーズしたときは、ユーリと同じように、かわいらしい夫婦になるつもりだったのに。いつの間にか変わっていた。だけど、ユーリのこと、好きな気持ちは変わってない。
「ユーリ、僕はユーリのこと、大好きだよ。僕は、ユーリの身体に触り過ぎたら死ぬことも、全部わかってて結婚したんだ。それぐらい、ユーリのこと好きなんだよ。」
「カイ・・・」
「僕は、ユーリと一緒にいたら死ぬかもしれない。だけど、ユーリと一緒にいれなきゃ、生きていけないんだ!だからお願い、帰ってきて!」
僕はユーリを抱きしめた。
「もう、死ぬようなこと、しないから。お願い。」
「カイ・・・」
ユーリも僕の体に手を回す。
「うん、お家に帰ろう。カイ。」
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