私が生きるゾンビ世界

春紗

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第六話 今日の買い物終わり

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ぐゎ…あぁ…
うぁ…あぁ…あ…
周りにはあの者たちがいる。それでも関係ない。
今、重要なのは食品だ。腐る前に買えるものは買わないと…
野菜は家にあるので、苗や種だけを買う。お肉はまだ食べれそうなものはかごに入れていく。
「鶏肉…豚肉…牛肉…」
魚はさすがに食べれない。長時間放置されている状態なので冷凍以外は無理だ。食べるなら海に行かないと…
「海…」
いいなと思った。海に行ったら何があるだろう。博士と何を知ることができるのだろう。
「ムッ…」
というか私は海に行けるのだろうか。機械には塩気があるものの近くには居ない方が良いはずだが…
「……………」
気を取り直して買い物を続ける。
レトルト品や調味料、冷凍食品で食べれるもの…歯磨き粉や洗剤、トイレットペーパーなどの日用品なども買っていく。途中途中あの者たちが邪魔で物が取りにくかったりしたがその場合は倒していく。相手は殴られ叫ぶ者もいた…無言で倒れる者もいた。普通ではないその光景に誰もが目を留めない。
「これで終わり…」
ここにある食品数も残り少ない。そのうち尽きてしまう。これから先は遠くのスーパーまで行かないといけなくなる。自給自足として、野菜を育てることはできるが他の食べ物は難しい。肉はタンパク質を取るうえで欠かせない。動物を育てることができるなら育てるが生きている生き物を見つけ出すことが難しい。日用品も簡単なものは博士が作ってくれそうだが、限界があるだろう。作るにしても、材料がいる。
「む…」
やはり…他のところも調べていく必要がある。新しい場所…
大きい店なら無理だが…小さな店なら、あの者たちを倒して博士と一緒に買い物ができる。だけど、それではすぐに新しい場所を探さないといけなくなる。デメリットとメリットが同じくらいあるので困る。…私は少しでも長く博士といたい。そばにいないといけないと思う。何故だがわからない。確かに一人では生きていけない人だろう。家事もできないし、部屋をすぐ汚すし。でも…それとは違う。博士を一人にはしてはいけないような…
「なぜ…なぜ…」
わからない。こういう時に発生する。この思い。やはり、博士に故障かどうか見てもらうべきだろう。
「博士…」
(マリ~)
ハッ!!
博士の顔が浮かんだ。博士が待っているのではやく買い物をして戻ることにした。お会計をして荷物を詰めカートに乗せて運ぶ。来た時の道順をたどり
ガチャ…
屋上に到着。
「博士帰りましょう」
「うん」
博士は車の屋根にいた。風を感じるのか…日向ぼっこをしているのか気持ちよさそうにしている。
「博士危ないですよ」
「大丈夫大丈夫」
「そうですか」
車に荷物を詰め込み、押し込む。後部座席や足元、トランクは荷物でいっぱいになった。これらはいつまで保つだろうか。ぎゅうぎゅうな荷物もそのうち、空になってしまう。
「博士…」
「ん…マリーもおいで」
帰ろうと呼びかけたが降りる気配がなく、一緒に登ろうと案をだしてきた。
「車壊れますよ」
「大丈夫大丈夫」
さすがにロボットが乗っては重量オーバーだと思うけど…
「体重は気にしてもどうにかなるものじゃないよ」
「では軽くしてください」
「む~り~」
「博士はケチですね」
「ケチで結構…」
拗ねながら言っている。まったくこの人はわがままだな。
「知りませんからね」
「うん」
博士の手を借りながら登る。この車は別に大きい訳では無い、二人が乗って落ちるか落ちないかぐらいだ。
「……………」
「……………」
別に会話が生まれるわけではない。でも、博士がここにいたがる理由も分かる気がする。
「綺麗ですね。博士」
「でしょ~」
屋上からそれも車の上から見る景色は全体が見えて綺麗だった。あの者たちもここからだと小さく認識を変えれば草のようだ。この周りには飲食店があって、工場があって、畑があって、川があって…建物一つ一つが風景の一つに。
「博士凄いですね」
「でしょ!!」
「風が気持ちよくて…博士みたいに頭が空っぽになりそうです」
「それはバカにしている…」
「間違ったことは言っていません」
ふわっと吹く風が気持ちよくて全てが綺麗だった。
「博士やっぱり来てよかったです」
私はそう答えた。博士は嫌がっていたが私は嬉しかった。博士といることが…なにかをするのが楽しい。
「…うん。そうだね」
博士は笑顔で答えた。よかった。博士も楽しめたようで。一人で楽しむより誰かと楽しむことの大切さを博士に教えてもらってから楽しみがまた一つと増えていく…
……………!!
「博士遅くなりましたがお昼です」
「あぁ~そうだよ。お昼お昼」
忘れかけていたが、お昼ご飯を持ってきていたのだ。一度車からおり、中から取り出す。
「博士そこで食べるんですか」
「食べるんです」
「こぼさないでくださいよ」
「わかってるわかってる」
帰ったら洗車かな…
もう一度屋根に登りお昼ご飯にする。中は保冷剤を入れていたので大丈夫。傾かないように厳重に置いておいたので崩れてないと思うけど…
パカッと
「うわ~キャラ弁だ!!」
「はい。博士の好きなキャラにしました」
「すごいすごい!!」
「はい」
弁当の中は博士が好きな漫画キャラにした。朝早く作っておいて正解だった。味は美味しいかわからないが…
「うまっ!!」
「そうですか」
美味しかったようで何より。博士の喜びの顔に綺麗な景色…よかった。
「マリーも食べれたらよかったのに」
「ロボットには必要ないと思いますが」
「見ているだけじゃお腹すくでしょ」
博士は不満げに言っているが…
「私は見ているだけでおなかいっぱいです」
「そお…」
本人は納得していないようだが私は見ているだけで十分。博士の幸せを見守ることが不満ではなく満足する。
「それに…ロボットはダイエットをしなくて便利です」
「確かにね…」
「博士はダイエットしてくださいね」
「あぁ~ゴハンガオイシイ」
棒読みになっている。本人は聞いてなかったようにご飯をもりもりと食べた。
お昼ご飯を食べて少し休憩をする。最初はお菓子もここで食べるかと聞いたが…
「家で食べよう。はやく帰りたいし…」
「そうですか」
お菓子は家で食べることにした。やはり、家の方が良いみたいだ。
「博士もう少ししたら帰りましょうか」
「うん」
私はこの風景を記録思い出する。今度は、もっと遠くへ行き多くの景色を記録思い出したい。
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