私が生きるゾンビ世界

春紗

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第二十一話 今日の修理

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夏の暑さから逃げるようにエアコンの効いた部屋で猫たちとゴロついていた。
「快適快適」
にゃ~まぁ~
猫たちも返事をするように布団の上でゴロついていた。
ガチャ…
「ん?」
「博士ちょっときてください」
「どったのマリー?」
扉が開いたと思ったらマリーが困り顔で来た。
「早く来てください」
何かあったのかと部屋を出てあとに向かえば、
「え!?外…」
「はい、外です」
「こんなに暑い時に…」
「こんな暑い時だからこそ起こった問題があるのです」
「えぇ、…」
こんなに暑い中で外に行くのはちょっと、いや、めちゃくちゃ行きたくない。
「博士」
「う、…」
「お願いします」
「わかったよ」
渋々行こうとした時、
「一応日焼け止めは塗っておきましょう」
と言い体中ベッタリと塗られた。
え、…日焼け止め塗るほど長時間外にいるの?
ガラララ…
ピシャ…
逃がしませんよ、という勢いで扉を閉めた。
うちの引き戸こんなに圧があったっけ…
「マリ~、…溶けそう…」
「もう少しで着きますよ」
「う、う…」
なんだろう。自分の庭なのにずっとエアコンの部屋に居たからか、ずっと歩いてなかったか道のりが遠く感じる。…そうだ庭が広いんだ。広いから遠く感じるんだ。決してだらけ過ぎて、体力が落ちたわけではない。←実際に落ちた。
「あちぃ~」
「着きましたよ」
歩いていった先には畑だった。
畑には収穫できる野菜がいくつもあった。その野菜を育てている白玉が…
「あれ、止まってる」
「はい、急に動かなくなりました」
なるほどだから私を呼んだのか、
白玉に近づき調べる。
「マリー!ちょっと広い所まで運んでぇ」
「わかりました」
念の為電源を切ってマリーに運んでもらう。途中で急に動き出したら危ないしね。
わぁあぁ…がぁぁぁ…ぐわぁぁぁぁ…
声が聞こえる。
「ここでいいでしょうか」
「うん!ありがとうね」
一応、研究室の近くに運んでもらった。
「多分、熱中症だと思うから」
「ロボットに熱中症があるのですか」
「うんあるよ、」
まぁ、冷却装置が壊れたのだろう。触った時、熱かったし
「マリーバケツいっぱいの水を四つ用意して」
「はい」
「あとタオル」
「わかりました」
マリーは急いで家へと向かった。私は、研究室から必要な道具を取り出す。
「あちぃ~」
そりゃ、この暑さで故障するよね。
「あっ!先に研究室の方に運んでもらえば良かった」
そうすれば涼しい空間で修理できたのに…
流石に、私の力じゃ重すぎて運べない。
「やっちゃったな」
マリーが来るまで次の工程ができないし…
なんで、外に置いてもらったんだろう。
「今度力持ちロボットでも作ろうかな…」
ミンミン…ミーン
暑さを叫ぶような蝉の声。
わぁあぁ…がぁぁぁ…ぐわぁぁぁぁ…
そして、外にいれば必ず聞こえる。あの者たちの声。
「……………ひさびさに聞いたなぁ」
正直、あの声は好きじゃない。
苦痛や悲しみが混じった声に聞こえる。
「……………マリーまだかな」
この時間がいつも以上に一人を感じてしまう。
にゃ~
「ん?」
どこからか声がした。先ほどの苦痛の声とは違う。
にゃ~
声がする方を見ると晴いた。道は暑いはずなのにここまで真っ直ぐと来ている。
「…………暑くないの?」
にゃ~
思わずしゃがみ込んでしまった。そんな、私のそばに晴はそっと寄り添った。
「……………ありがとう」
一人と一匹になった。先ほど感じていた気持ちはどこか飛んで行ってしまった。
「一緒にマリーを待とう」
にゃ~
可愛い子。そう思いふわふわの頭を撫でた。暑苦しいと思っていた毛皮の触り心地が柔らかくて良かった。
「晴はほんとうに似てるね」
にゃ~
「ありがとう」
もう一度お礼を言い、厚いことを承知で抱きしめた。
そうしていたら、
「博士持ってきましたよ」
「ん~、ありがとう」
「しゃがみ込んでどうしたんですか」
「何でもないよ、」
にゃ~
「いつの間にいたんですか」
「気づいたら居たよ」
「戸は閉めたはずなんですけどね」
「まぁ、外に行きたいときもあるよね」
私たちは特に考えないことにした。考えても暑いだけだし…
「マリー、白玉を中に運んでー」
「わかりました」
研究室の中には入り続きをする。
「やっぱり中は涼しいね」
「博士、温度下げすぎないようにしてください」
さて、持ってきた水入りバケツを使う。
一つ目はタオルに水をつけ白玉の体に拭く。そうすることで、体を冷やす。
二つ目は、
「よっ、と」
壊れた冷却装置が熱を持ちそのまま置いておくと火傷をしてしまう。ので、熱対策手袋をつけバケツに入れる。
三つ目は新しい冷却装置に水を入れる。夏の間は、入れてある水を使い全身を冷やす。電力だと電気代がすごいことになってしまう。それは流石にヤバい、その為、水を入れ込む形式にしている。使うたびに水を入れるのは面倒だがこのやり方がいい。
四つ目は予備。
「念の為、明日起動させよっか」
「わかりました」
他に壊れている部分がないから明日には使えるはずだ。
「装置を入れているバケツ以外は片付けようか」
「はい」
マリーがバケツ一つを持ち上げ、二つ目に手を伸ばした時
「これは私が持つよ」
「博士がやるとハプニングが起きそうな気がするのですけど」
「私だってやるときはやるんですぅ」
と言い博士はバケツを運んでくれた。二つや三つマリーは一人で運べるが博士と一緒に何かをするのは悪くはないと思った。
思っていたが…
「博士、涼しいですか」
「……………涼しいです」
見事にフラグを回収して水を被ってしまった。
「ごめん…」
「いえ何となくこのオチの予感はしていました…」
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