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第44話 魔王様、怒ってます
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テロの報が入って1時間後、既にわたしはアーカル大陸へと渡り、事件現場へとやって来ていた。わたしの周囲には、アオイと親衛隊員数体の他に、ガウルグルクとオルトラムゥ、そしてガウルグルクが率いる魔獣たち数体が付き従っていた。ちなみにアオイは、正体を隠すための仮面を身に着けている。
包帯も痛々しいガウルグルクが、わたしに頭を下げてきた。
「申し訳ありませぬ。わたしめの失態にて、魔王様の大事な兵を損ないましたこと……」
「ガウルグルクのせいじゃない。気にしないでくれ。それより大した怪我じゃなくて良かったよ。
……けれど、今後はこの様なことが起きない様に、炊き出しに集まる市民とかを魔力感知の魔法で調べる必要があるかな。人気取りも楽じゃないね」
わたしは周囲に目を遣る。魔獣の内1体が、わたしに報告書を差し出した。わたしはそれを受け取り、一瞥する。
「やれやれ……。じゃあ、始めるか」
おもむろにわたしは、『グレート・スピーチ』の魔法を行使する。効果範囲はアーカル大陸の新生魔王軍占領地域内全域だ。わたしは胸を張り、朗々と話し出す。
『アーカル大陸の民人たちよ! わたしが諸君らの支配者、魔王ブレイド・JOKERである!』
上空には、わたしの姿が映像として映し出され、わたしの声は周辺に響き渡っている。これと同じ映像と音声が、アーカル大陸の各地で見ることができているはずだ。わたしは演説を続けた。
『わたしは本日、諸君らに残念な話をしなければならない。アーカル大陸南部の街ペイローにて、本日の朝五つ時のことだ。
このとき、この街の広場において、生活に困窮する市民や孤児のため、炊き出しが行われていた。そしてそれを視察するために、アーカル大陸における新生魔王軍の指揮官としてわたしが任命した、魔獣将ガウルグルクがそこに来ていたのだ』
一拍置いてわたしは、怒気を込めた声で言い放つ。
『そしてその場にて、ガウルグルクは生命を狙われた。大陸南部における抵抗運動に参加している者の仕業だ。そやつは魔道具でガウルグルクを攻撃した。そしてガウルグルク自身は多少の怪我で済んだものの、随伴していた魔獣3体と、炊き出しをやっていた犬妖のうち16体が、無残な死を遂げたのだ。
無論ガウルグルク含め、負傷した者も多い』
ここまで言って、わたしは話をいったん止める。大方の一般市民は、おそらく快哉を叫んだのではないだろうか。また一部の頭が回る者は、我々新生魔王軍による報復の可能性に思い至り、暗澹たる気持ちになっているかも知れない。
そしてわたしは話を再開した。今度は声音をやや落ち着いた、優し気な物に変えている。
『諸君らは、我々新生魔王軍が諸君らアーカル大陸の民に対し、報復行動を行うやもしれぬと不安になっている者もいるだろう。だが我は諸君らの支配者である。不必要な殺戮などは行うつもりは無い。安心して欲しい。諸君らは既に我が民も同然なのだ。
そしてこれを見たまえ』
わたしは『グレート・スピーチ』の魔法を調節して、大空に『ある物』を映し出す。それは、抵抗運動に参加していた魔道士の自爆魔法で死んだ、人類の犠牲者の屍の山だった。
ゆっくりと、ゆっくりとわたしは犠牲者たちを映して行く。老若男女問わず、無残な状況の死体が大空に映し出された。わたしは子供の死体を映し出し、そこでしばらく映像を止める。
わたしはそして、今度は怒りを込めた声で話し出す。
『これは抵抗運動参加者の魔道具の攻撃による犠牲者だ。『敵』は罪なき民人を、生きるためにやむを得ず我々の炊き出しに並んでいた弱き者たちを巻き添えにして、卑劣にも魔道具による攻撃を行ったのだ! 奴らはここに居たのが仮に諸君らであろうとも、攻撃をためらわなかっただろう!
見よ! この哀れな幼子の骸を! 奴らはわずか20体に満たぬ新生魔王軍兵士を殺すためだけに、大人357人、子供912人、合わせて1,269名の尊き命を奪った……。虐殺したのだ!
しかもこれは死者だけの数である! 重傷軽傷の負傷者も合わせれば、被害者は更に倍以上に膨れ上がる! 手当の甲斐なく死ぬ者も、また多いであろう……』
ここで爆弾発言を投入する。
『今回、この暴挙の裏側には『ヴァルタール帝国』が関わっていることが、我々が早急に行った調査にて判明している。彼奴等がアーカル大陸南部の抵抗運動勢力を焚き付けて、この襲撃を行わせたのだ。
『ヴァルタール帝国』は、今回の事件を自国内に向け、大いに触れて回っている。我々新生魔王軍に対する現地住民の勇敢なる行為とその成果だと。
……彼奴らは犠牲になった民人のことなど、何一つ言ってはいない! 諸君らは彼奴らにとって、どうでもいい存在なのだ! 諸君らは裏切られた! 諸君らは見捨てられたのだ!』
再び画面をわたしのアップに戻し、わたしは駄目押しを行う。
『だが見捨てない者が、ここにいる! 我々新生魔王軍は、先代魔王の時代とは違う! 我々は罪なき民人を虐げはしない! 我々は今回の事件における負傷者の命を、可能な限り救うであろう!
無論戦場においてならば、敵には容赦はしない! だが既に諸君らは我、魔王ブレイドの民なのだ! 虐げることなど、ない! 我が名と名誉にかけて、約束しよう!』
一息置いて、わたしは続けた。
『だが無論、『敵』に対してならば……『罪人』に関してならば、話は別である。今回の事件を引き起こした犯行グループに告げる。速やかに出頭し、裁きを受けよ。今回の行為を、我らは軍事行動では無く、犯罪と捉えている。
繰り返す、速やかに出頭し、裁きを受けよ。さにあらずんば、我ら新生魔王軍の精鋭が貴様らの根拠地を暴き出し、全員血祭りにあげるだろう。
一般の民の諸君。今後我ら新生魔王軍の軍人が聞き取り調査などに諸君らのもとへ赴くこともあるだろう。できる限り、協力して欲しい。また情報提供など、犯行グループを炙り出すのに貢献があった者には、その貢献の度合いに応じて我々新生魔王軍より褒賞を約束しよう。
最後になるが、此度の事件において死亡した全ての者に対し、哀悼の意を表し、話を終わりたい。以上だ』
わたしは『グレート・スピーチ』の魔法を解除した。そしてわたしはガウルグルクに命じる。
「ガウルグルク、演説で言った通りだよ。こちらに協力的な民人には、その貢献度合いに応じた褒賞金と言う飴を与えてくれ。それと死傷者の遺族、負傷者に見舞金を。かかる予算は、一時的に侵攻軍の予算から出し、後々に本国政府に請求をするように頼むよ。
ただし今回の『敵』と、それに協力している者には、容赦はいらないよ。まあ『敵』から離反する者が出たなら、保護するのも忘れない様にね。その辺りのさじ加減は任せるから」
「はっ。お任せ下さい。それと、ここの片づけは再開させてもよろしいですかな?」
「ああ、頼むよ。現場の悲惨さを占領地全土に見せる目的は達したからね。遺体を遺族へ返してやってくれ。それと遺族がいない孤児などの遺体は、共同墓地を作ってそこへ」
「はっ。了解いたしました」
わたしは転移魔法を準備する。いったんヴェード基地まで戻り、そこに設置してある『ゲート』魔法陣を使って、バルゾラ大陸へ戻るためだ。アオイと親衛隊員を効果範囲に含め、わたしは転移魔法を発動させた。
新生魔王軍本部基地司令室にて、わたしはアオイと共にザウエルの報告を聞いていた。
「魔道軍団から上がって来た報告なんですがね。魔王様の目論んだ通り、現地の抵抗運動と現地住民の間には溝を作れた模様です」
「それは幸いだった。わざわざ行って、演説ぶちかましただけのことはあったなあ」
「まだ今のところ、こちらに協力するのも癪だが、さりとて抵抗運動に協力するのは我慢ならない、と言うところですかね。ですが、以前よりもずっと初期占領地の態度は軟化してますよ。それと……」
ザウエルは報告書の束を捲る。
「こちらに積極的に協力する者も出始めています。大半は、例の自爆事件に巻き込まれて、生命を長らえた者たちや、遺族の家族ですが。抵抗運動に参加している者たちが、赦せないと言う感情が今のところ先に立っている様です。新生魔王軍に志願できないか、との問い合わせも来ていますね」
「ふむ……。治安維持のため、軍警察要員として採用できるかもしれないな。試験的に少数を採用してみよう」
「ただ未だに新生魔王軍への反発も根強いですね。特に初期に豚鬼や人食い鬼によって略奪や虐殺、婦女子に対するナニなどの被害を受けた犠牲者連中ですが。おそらくはそう言った者たちが抵抗運動の中心になっているのではないでしょうか」
アオイの眉が顰められる。わたしは溜息を吐いて言った。
「ふう……。本当に、先代魔王の負の遺産は大きいなあ。旧魔王軍勢力を掌握してから、できるだけ早くアーカル大陸の戦力は入れ替えたんだけどねえ」
「気長にやっていくしかないと思う」
アオイの発言に、わたしは頷く。まあ、初期占領地以外では順調なんだ。徐々に、徐々にやっていくしか無いか。わたしは世界地図を見遣る。コンザウ大陸に攻め入るのは、思ったよりも先になりそうだった。
……困ったもんである。
包帯も痛々しいガウルグルクが、わたしに頭を下げてきた。
「申し訳ありませぬ。わたしめの失態にて、魔王様の大事な兵を損ないましたこと……」
「ガウルグルクのせいじゃない。気にしないでくれ。それより大した怪我じゃなくて良かったよ。
……けれど、今後はこの様なことが起きない様に、炊き出しに集まる市民とかを魔力感知の魔法で調べる必要があるかな。人気取りも楽じゃないね」
わたしは周囲に目を遣る。魔獣の内1体が、わたしに報告書を差し出した。わたしはそれを受け取り、一瞥する。
「やれやれ……。じゃあ、始めるか」
おもむろにわたしは、『グレート・スピーチ』の魔法を行使する。効果範囲はアーカル大陸の新生魔王軍占領地域内全域だ。わたしは胸を張り、朗々と話し出す。
『アーカル大陸の民人たちよ! わたしが諸君らの支配者、魔王ブレイド・JOKERである!』
上空には、わたしの姿が映像として映し出され、わたしの声は周辺に響き渡っている。これと同じ映像と音声が、アーカル大陸の各地で見ることができているはずだ。わたしは演説を続けた。
『わたしは本日、諸君らに残念な話をしなければならない。アーカル大陸南部の街ペイローにて、本日の朝五つ時のことだ。
このとき、この街の広場において、生活に困窮する市民や孤児のため、炊き出しが行われていた。そしてそれを視察するために、アーカル大陸における新生魔王軍の指揮官としてわたしが任命した、魔獣将ガウルグルクがそこに来ていたのだ』
一拍置いてわたしは、怒気を込めた声で言い放つ。
『そしてその場にて、ガウルグルクは生命を狙われた。大陸南部における抵抗運動に参加している者の仕業だ。そやつは魔道具でガウルグルクを攻撃した。そしてガウルグルク自身は多少の怪我で済んだものの、随伴していた魔獣3体と、炊き出しをやっていた犬妖のうち16体が、無残な死を遂げたのだ。
無論ガウルグルク含め、負傷した者も多い』
ここまで言って、わたしは話をいったん止める。大方の一般市民は、おそらく快哉を叫んだのではないだろうか。また一部の頭が回る者は、我々新生魔王軍による報復の可能性に思い至り、暗澹たる気持ちになっているかも知れない。
そしてわたしは話を再開した。今度は声音をやや落ち着いた、優し気な物に変えている。
『諸君らは、我々新生魔王軍が諸君らアーカル大陸の民に対し、報復行動を行うやもしれぬと不安になっている者もいるだろう。だが我は諸君らの支配者である。不必要な殺戮などは行うつもりは無い。安心して欲しい。諸君らは既に我が民も同然なのだ。
そしてこれを見たまえ』
わたしは『グレート・スピーチ』の魔法を調節して、大空に『ある物』を映し出す。それは、抵抗運動に参加していた魔道士の自爆魔法で死んだ、人類の犠牲者の屍の山だった。
ゆっくりと、ゆっくりとわたしは犠牲者たちを映して行く。老若男女問わず、無残な状況の死体が大空に映し出された。わたしは子供の死体を映し出し、そこでしばらく映像を止める。
わたしはそして、今度は怒りを込めた声で話し出す。
『これは抵抗運動参加者の魔道具の攻撃による犠牲者だ。『敵』は罪なき民人を、生きるためにやむを得ず我々の炊き出しに並んでいた弱き者たちを巻き添えにして、卑劣にも魔道具による攻撃を行ったのだ! 奴らはここに居たのが仮に諸君らであろうとも、攻撃をためらわなかっただろう!
見よ! この哀れな幼子の骸を! 奴らはわずか20体に満たぬ新生魔王軍兵士を殺すためだけに、大人357人、子供912人、合わせて1,269名の尊き命を奪った……。虐殺したのだ!
しかもこれは死者だけの数である! 重傷軽傷の負傷者も合わせれば、被害者は更に倍以上に膨れ上がる! 手当の甲斐なく死ぬ者も、また多いであろう……』
ここで爆弾発言を投入する。
『今回、この暴挙の裏側には『ヴァルタール帝国』が関わっていることが、我々が早急に行った調査にて判明している。彼奴等がアーカル大陸南部の抵抗運動勢力を焚き付けて、この襲撃を行わせたのだ。
『ヴァルタール帝国』は、今回の事件を自国内に向け、大いに触れて回っている。我々新生魔王軍に対する現地住民の勇敢なる行為とその成果だと。
……彼奴らは犠牲になった民人のことなど、何一つ言ってはいない! 諸君らは彼奴らにとって、どうでもいい存在なのだ! 諸君らは裏切られた! 諸君らは見捨てられたのだ!』
再び画面をわたしのアップに戻し、わたしは駄目押しを行う。
『だが見捨てない者が、ここにいる! 我々新生魔王軍は、先代魔王の時代とは違う! 我々は罪なき民人を虐げはしない! 我々は今回の事件における負傷者の命を、可能な限り救うであろう!
無論戦場においてならば、敵には容赦はしない! だが既に諸君らは我、魔王ブレイドの民なのだ! 虐げることなど、ない! 我が名と名誉にかけて、約束しよう!』
一息置いて、わたしは続けた。
『だが無論、『敵』に対してならば……『罪人』に関してならば、話は別である。今回の事件を引き起こした犯行グループに告げる。速やかに出頭し、裁きを受けよ。今回の行為を、我らは軍事行動では無く、犯罪と捉えている。
繰り返す、速やかに出頭し、裁きを受けよ。さにあらずんば、我ら新生魔王軍の精鋭が貴様らの根拠地を暴き出し、全員血祭りにあげるだろう。
一般の民の諸君。今後我ら新生魔王軍の軍人が聞き取り調査などに諸君らのもとへ赴くこともあるだろう。できる限り、協力して欲しい。また情報提供など、犯行グループを炙り出すのに貢献があった者には、その貢献の度合いに応じて我々新生魔王軍より褒賞を約束しよう。
最後になるが、此度の事件において死亡した全ての者に対し、哀悼の意を表し、話を終わりたい。以上だ』
わたしは『グレート・スピーチ』の魔法を解除した。そしてわたしはガウルグルクに命じる。
「ガウルグルク、演説で言った通りだよ。こちらに協力的な民人には、その貢献度合いに応じた褒賞金と言う飴を与えてくれ。それと死傷者の遺族、負傷者に見舞金を。かかる予算は、一時的に侵攻軍の予算から出し、後々に本国政府に請求をするように頼むよ。
ただし今回の『敵』と、それに協力している者には、容赦はいらないよ。まあ『敵』から離反する者が出たなら、保護するのも忘れない様にね。その辺りのさじ加減は任せるから」
「はっ。お任せ下さい。それと、ここの片づけは再開させてもよろしいですかな?」
「ああ、頼むよ。現場の悲惨さを占領地全土に見せる目的は達したからね。遺体を遺族へ返してやってくれ。それと遺族がいない孤児などの遺体は、共同墓地を作ってそこへ」
「はっ。了解いたしました」
わたしは転移魔法を準備する。いったんヴェード基地まで戻り、そこに設置してある『ゲート』魔法陣を使って、バルゾラ大陸へ戻るためだ。アオイと親衛隊員を効果範囲に含め、わたしは転移魔法を発動させた。
新生魔王軍本部基地司令室にて、わたしはアオイと共にザウエルの報告を聞いていた。
「魔道軍団から上がって来た報告なんですがね。魔王様の目論んだ通り、現地の抵抗運動と現地住民の間には溝を作れた模様です」
「それは幸いだった。わざわざ行って、演説ぶちかましただけのことはあったなあ」
「まだ今のところ、こちらに協力するのも癪だが、さりとて抵抗運動に協力するのは我慢ならない、と言うところですかね。ですが、以前よりもずっと初期占領地の態度は軟化してますよ。それと……」
ザウエルは報告書の束を捲る。
「こちらに積極的に協力する者も出始めています。大半は、例の自爆事件に巻き込まれて、生命を長らえた者たちや、遺族の家族ですが。抵抗運動に参加している者たちが、赦せないと言う感情が今のところ先に立っている様です。新生魔王軍に志願できないか、との問い合わせも来ていますね」
「ふむ……。治安維持のため、軍警察要員として採用できるかもしれないな。試験的に少数を採用してみよう」
「ただ未だに新生魔王軍への反発も根強いですね。特に初期に豚鬼や人食い鬼によって略奪や虐殺、婦女子に対するナニなどの被害を受けた犠牲者連中ですが。おそらくはそう言った者たちが抵抗運動の中心になっているのではないでしょうか」
アオイの眉が顰められる。わたしは溜息を吐いて言った。
「ふう……。本当に、先代魔王の負の遺産は大きいなあ。旧魔王軍勢力を掌握してから、できるだけ早くアーカル大陸の戦力は入れ替えたんだけどねえ」
「気長にやっていくしかないと思う」
アオイの発言に、わたしは頷く。まあ、初期占領地以外では順調なんだ。徐々に、徐々にやっていくしか無いか。わたしは世界地図を見遣る。コンザウ大陸に攻め入るのは、思ったよりも先になりそうだった。
……困ったもんである。
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しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
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