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日常編
戦うパパとママ
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「るーねー!だっこ!」
「はいはいコレットちゃん。パパとママは?」
「んーんー!」
台所で食材を確認していると、コレットちゃんが走って私の所に来て、両手を伸ばして抱っこをせがんできたので、コレットちゃんを抱き上げながら、ご主人様とお姉ちゃんの事を聞くが、首を横に振って呻くばかりだ。
こりゃあ、逃げてきたみたいだ。多分寝巻の着替えかな。
「コーレーットー。きーがーえーよーうー」
「パパ!?やーなーのー!」
「なんですと!?」
そう考えていると、ご主人様が扉の隙間から、顔を半分だけ出して、おどろおどろしい声でコレットちゃんを呼んでいたが、この子にいやいやをされると、素っ頓狂な声を上げて蹲ってしまった。いや、これは好機だ。
「コレットちゃん。パパがお馬さんごっこしてくれるってー」
「ナイスだよルー!ひひーん!」
「えっへえっへ!」
「さあ、このままママの所へ行こうねー」
蹲ってしまったご主人様の背にコレットちゃんを乗せると、さっきまで顔を背けていたコレットちゃんも笑顔になって、そのままご主人様に連れられて、リビングにいるであろうお姉ちゃんのとこへ向かっていった。
現在、我が家はちょっとした戦争状態だ。
◆
「さあクリス。歯磨きしましょうねー」
「やー!」
「あ!?クリス!?どこへ行くの!?」
今も、食後の歯磨きを嫌って、クリスくんが逃げ回っている。
ご主人様が言うには、イヤイヤ期と言って、なんでもかんでも嫌だと言ったり、自分でやりたがる時期が到来したらしい。
市場の奥さん達に聞いてみたら、うちの子にも覚えがあると言っていたので、どこも同じような経験をしているようだ。
「ふははは息子よ、何処に行くんだい?ママの言う事は、素直に聞くべきだとパパは思うな」
「パパ!?やー!」
「あ、だめ。そんな泣きそうな目で見ないで…」
リビングから飛び出しかけたクリスくんだが、何処からともなくご主人様が現れ、クリスくんを抱っこしてリリアーナお姉ちゃんの所へ連れて行くが、涙目になっているクリスくんの眼を見て、くじけかけている。
「えーんえーん。クリスがママの事嫌いになっちゃったよー。えーんえーん」
「ママ?」
「えーんえーん」
「ママ!?」
そんなくじけかけているご主人様に代わって、リリアーナお姉ちゃんが手で顔を隠して、泣いているふりをしている。
どう見たって大根役者なのだが、クリスくんにはそう映らなかったらしく、慌てて座っている自分の母親のもとに走り寄ると、顔を覗き込んで心配そうに呼びかけている。
「えーん」
「ママ!ママ!」
「えーん。クリスは歯磨きしてくれる?」
「うん!」
勝負はついた。
クリスくんからすれば、悲しんでいる大好きなママを、元気にしてあげようとする一心なのだろうが、そのママの顔に、涙なんか一滴も付いていなかった。
「はいクリス。いー」
「いー」
「偉いわクリス」
「えへへ!」
相変わらずリリアーナお姉ちゃんは図太い。
◆
「るーねーだっこ!」
「だっこ!」
「はいはいコレットちゃん、クリスくん」
そんな2人だが、まだまだ甘えん坊で、機嫌が悪くなっても抱っこすれば元に戻る。
よその家では抱っこも嫌がる子がいるみたいだが、この子達はそうでもないみたいだ。ひょっとしたらご主人様が、寂しがり屋なのを遺伝したのかもしれない。
「2人とも重くなりましたねー。よきかなよきかな」
相変わらずプニプニしている子供達を抱っこしていると、まだいいかなと思っている、自分の子供が欲しくなる時があるが、まあ、もう少しいいかな。
余所のこと言えば、抱っこを要求されても、重くなった子供を長時間抱き上げれないから、またぐずるという事もあるみたいだが、その点うちは、皆が位階が高かったり種族的だったりと、筋力的な問題が起こることはまずない。特にご主人様は、この子達にお願いされたら、一日中だって抱っこしているだろう。
「ああルーの所に居たのね。さあ、おやつの時間だから手を洗いましょう」
「やー!」
「やー!」
子供達のほっぺをムニムニしていたら、お姉ちゃんが声を掛けてきたが、子供達はお約束のいやいや攻撃だ。
しかし、最初の方こそどうしていいか分からずに悩んでいたお姉ちゃんだが、だんだんと対処の仕方が分かってきたようだ。
「そう?ソフィアちゃんが戻って来るのに」
「いく!」
「いく!」
「それじゃあ行きましょう」
そして、今お姉ちゃんが唱えた魔法の言葉は、その対処の中でも最も効き目のあるやつだ。
最近、お勉強の為に少し会える時間が短くなった、ソフィアちゃんの名前を出すと、ソフィアお姉ちゃんにカッコつけたがっているのか、すぐに行動に移すのだ。
「ただいま!」
「あらお帰りソフィアちゃん。子供達もすぐに」
「ねーね!」
「ねーね!」
「きゃあ!ただいまコレットちゃん!クリスくん!」
「えっへえっへ!」
「えへへ!」
手は拭いている様だが、水に濡らしたため冷たくなっている手で、ソフィアちゃんにペタペタ触りながら、笑顔で彼女に付いて行く子供達。
うん。今日もいい日になりそうだ。
「はいはいコレットちゃん。パパとママは?」
「んーんー!」
台所で食材を確認していると、コレットちゃんが走って私の所に来て、両手を伸ばして抱っこをせがんできたので、コレットちゃんを抱き上げながら、ご主人様とお姉ちゃんの事を聞くが、首を横に振って呻くばかりだ。
こりゃあ、逃げてきたみたいだ。多分寝巻の着替えかな。
「コーレーットー。きーがーえーよーうー」
「パパ!?やーなーのー!」
「なんですと!?」
そう考えていると、ご主人様が扉の隙間から、顔を半分だけ出して、おどろおどろしい声でコレットちゃんを呼んでいたが、この子にいやいやをされると、素っ頓狂な声を上げて蹲ってしまった。いや、これは好機だ。
「コレットちゃん。パパがお馬さんごっこしてくれるってー」
「ナイスだよルー!ひひーん!」
「えっへえっへ!」
「さあ、このままママの所へ行こうねー」
蹲ってしまったご主人様の背にコレットちゃんを乗せると、さっきまで顔を背けていたコレットちゃんも笑顔になって、そのままご主人様に連れられて、リビングにいるであろうお姉ちゃんのとこへ向かっていった。
現在、我が家はちょっとした戦争状態だ。
◆
「さあクリス。歯磨きしましょうねー」
「やー!」
「あ!?クリス!?どこへ行くの!?」
今も、食後の歯磨きを嫌って、クリスくんが逃げ回っている。
ご主人様が言うには、イヤイヤ期と言って、なんでもかんでも嫌だと言ったり、自分でやりたがる時期が到来したらしい。
市場の奥さん達に聞いてみたら、うちの子にも覚えがあると言っていたので、どこも同じような経験をしているようだ。
「ふははは息子よ、何処に行くんだい?ママの言う事は、素直に聞くべきだとパパは思うな」
「パパ!?やー!」
「あ、だめ。そんな泣きそうな目で見ないで…」
リビングから飛び出しかけたクリスくんだが、何処からともなくご主人様が現れ、クリスくんを抱っこしてリリアーナお姉ちゃんの所へ連れて行くが、涙目になっているクリスくんの眼を見て、くじけかけている。
「えーんえーん。クリスがママの事嫌いになっちゃったよー。えーんえーん」
「ママ?」
「えーんえーん」
「ママ!?」
そんなくじけかけているご主人様に代わって、リリアーナお姉ちゃんが手で顔を隠して、泣いているふりをしている。
どう見たって大根役者なのだが、クリスくんにはそう映らなかったらしく、慌てて座っている自分の母親のもとに走り寄ると、顔を覗き込んで心配そうに呼びかけている。
「えーん」
「ママ!ママ!」
「えーん。クリスは歯磨きしてくれる?」
「うん!」
勝負はついた。
クリスくんからすれば、悲しんでいる大好きなママを、元気にしてあげようとする一心なのだろうが、そのママの顔に、涙なんか一滴も付いていなかった。
「はいクリス。いー」
「いー」
「偉いわクリス」
「えへへ!」
相変わらずリリアーナお姉ちゃんは図太い。
◆
「るーねーだっこ!」
「だっこ!」
「はいはいコレットちゃん、クリスくん」
そんな2人だが、まだまだ甘えん坊で、機嫌が悪くなっても抱っこすれば元に戻る。
よその家では抱っこも嫌がる子がいるみたいだが、この子達はそうでもないみたいだ。ひょっとしたらご主人様が、寂しがり屋なのを遺伝したのかもしれない。
「2人とも重くなりましたねー。よきかなよきかな」
相変わらずプニプニしている子供達を抱っこしていると、まだいいかなと思っている、自分の子供が欲しくなる時があるが、まあ、もう少しいいかな。
余所のこと言えば、抱っこを要求されても、重くなった子供を長時間抱き上げれないから、またぐずるという事もあるみたいだが、その点うちは、皆が位階が高かったり種族的だったりと、筋力的な問題が起こることはまずない。特にご主人様は、この子達にお願いされたら、一日中だって抱っこしているだろう。
「ああルーの所に居たのね。さあ、おやつの時間だから手を洗いましょう」
「やー!」
「やー!」
子供達のほっぺをムニムニしていたら、お姉ちゃんが声を掛けてきたが、子供達はお約束のいやいや攻撃だ。
しかし、最初の方こそどうしていいか分からずに悩んでいたお姉ちゃんだが、だんだんと対処の仕方が分かってきたようだ。
「そう?ソフィアちゃんが戻って来るのに」
「いく!」
「いく!」
「それじゃあ行きましょう」
そして、今お姉ちゃんが唱えた魔法の言葉は、その対処の中でも最も効き目のあるやつだ。
最近、お勉強の為に少し会える時間が短くなった、ソフィアちゃんの名前を出すと、ソフィアお姉ちゃんにカッコつけたがっているのか、すぐに行動に移すのだ。
「ただいま!」
「あらお帰りソフィアちゃん。子供達もすぐに」
「ねーね!」
「ねーね!」
「きゃあ!ただいまコレットちゃん!クリスくん!」
「えっへえっへ!」
「えへへ!」
手は拭いている様だが、水に濡らしたため冷たくなっている手で、ソフィアちゃんにペタペタ触りながら、笑顔で彼女に付いて行く子供達。
うん。今日もいい日になりそうだ。
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