154 / 172
はじまり
エルフの森
しおりを挟む
(婆さんから魔法を取ったら、ただのヨボヨボババアの出来上がりじゃねえか。世界樹も破壊されるわけにはいかないし、しゃあない、また出張するか…)
ドロテアから聞かされた、イライジャという男の能力が、目の前の老婆を本当にただの老婆にしてしまうと、その身を案じたユーゴが、世界樹の存続が人種の生存に直結していることもあって、エルフの森への同行を決めた。
しかし世界の危機は思わぬところから始まっていた。
それは……。
◆
「やだああああ!いっちゃやだああああ!うえええええん!」
「パパもバーバもいっちゃやだああああ!びええええええ!」
クリスとコレットが、それはもう大泣きしていたのだ。
最近、一緒に遊んでくれた、グレンとジェナの双子と別れたばかりだったこともあり、自分の父親とお婆ちゃんが、どうやら遠くに出かけようとしている事を察した2人は、ユーゴにしがみ付いて、泣きながらなんとか引き留めようとしていた。
一方、世界の危機に対処しなければけない、彼等の父親と言えば……
「ぐすっ。ごめんよコレットぉぉ、クリスぅぅ……。ぐすっ。パパは、パパは行かないと行けないんだ。ごめんよおお……」
しゃがんで自分の子供達をぎゅっと抱きしめながら、マジ泣きしていた。
遂に子供達に引き留めて貰えた嬉し泣きなのか、本当に離れ離れになってしまって泣いているのか、どちらかは分からないが、あるいは両方、とにかく泣きながらコレットとクリスに謝り続けていた。
「コレット、ほら。パパを離してあげて」
「クリス、ママの所へ来て」
「やだああああああ!」
「うえええええええ!」
「もう…」
「どうしましょうか…」
頼りの母親、ジネットとリリアーナも、父親と離れたくないと泣く我が子を叱る訳にもいかず、なんとかユーゴから引き剥がそうとするも、子供達は必死に服にしがみ付いて抵抗を続ける。
「あはは。困っちゃいましたねえ……」
「じゃのう……」
「ほら、凛お姉ちゃんのクマさん人形だぞー」
「クリス坊ちゃま、コレットお嬢様。さあこちらへ……」
「ひっぐひっぐ」
「うえええええ」
他の家族もどうしたものかと、必死にあやしながら、最終兵器アレクシアが投入されたことで、何とか子供達の回収に成功する。
そしてもう片方の、世界の危機に対処しなければならない、ドロテアの方はというと……
「お婆ちゃん。気を付けてね…。ぐす」
「ああ、出来るだけ早く帰って来るからね」
涙ぐみながら自分を送り出そうとしている、ソフィアの頭を撫でながら、出来るだけ早く帰って来ると約束していた。
どれだけ時間がかかるか分からないにも関わらずだったため、かなりの罪悪感を感じながらであったが。
こうして世界を救うために出発しようとしている2人であったが、まさかの最大の障害、自分の身内に対して、完全に打ち負かされていたのであった。
◆
「ごめんよ…。ごめんよ…。ぐすっ。ちーん!」
「ふう…」
遂に屋敷を出たユーゴは、涙ぐんでティッシュで鼻をかみ。ドロテアは、ああ言ったが長引いたらどうするかと、両者既に疲労困憊と言った様子で、どう見たって今の2人は姿通りの、草臥れた中年とヨボヨボの老婆であった。
しかし、大陸の人種の運命が、この2人に懸かっているのは間違いなかった。
「そんでどうやってエルフの森へ行くんだ?あそこは直接転移出来んだろ?」
「いんや、私なら問題ないよ。まあ、飛ぶ先はエルフの森じゃなくて世界樹だけど、どっちも変わらんさ」
「ほほう」
古代から存在する世界樹を有するエルフの森は、神々や古代エルフが施した守りが未だに機能しており、転移ももちろん不可能なはずであった。
「そんじゃ行くよ」
「ほいさ」
しかし、ドロテアは何でも無いかのようにそう言い放つと、ユーゴの腕に触り、世界樹へと転移するのであった。
転移の魔道具ではなく、もう片方の手に持った、白い長杖を起動させて…。
◆
エルフの森 世界樹の下
「おおお!遠目では見た事あるけど、下から見るとすげえな!」
「写真を撮っといておくれ。ソフィアの土産にしないといけないからね。坊やも、クリスとコレットの分を撮るといい」
「おお!ナイスだ婆さん!あ、なんかお菓子とか売ってない?ここだけで売ってる」
「甘い樹液を混ぜ込んだ、クッキーみたいなのがある。子供用にはそれでいいだろう。大人連中には…茶葉かね」
「後でちゃんと買わないと」
大きな大きな、途方もなく巨大な一本の木。
世界の名を冠するだけはある巨木のすぐ下の、祭壇のような場所に転移して来たユーゴとドロテアであったが、その言動はどう考えたって観光客そのものであった。
「ん?でも人の気配が少ない様な…」
「ああ、ビムに言って第二都市みたいなとこに避難させてる。下手すりゃここら一帯が戦場だからね」
「そんなに面倒な奴らかい」
「5人目っていう、向こうの隠し玉しだいだけどね」
「さよけ」
さてどこで土産を買うべきかと、世界樹に背を向けて、下に広がる街並みを見たユーゴは、街からの気配が妙に少ないと感じたが、それはドロテアが"はじまり"の襲来に備えて避難をさせていたためで、竜の襲来を常に想定していたエルフの森は、こういった避難計画を未だに維持していた。
「あ、下から長老が上がって来てるぞ」
「ド、ドロテア様ぁ!言って下さったらお迎えしましたのに!」
「全く。もうちょっと落ち着けんものかね」
「前から思ってたけど、婆さん結構偉い人?」
「フェッフェッフェッ」
息を切らしながら、階段を上がっているビムの姿を見たドロテアの言葉と、転移した先が、いかにも立派で世界樹に最も近い祭壇だったこともあり、ユーゴは彼女に、前々から感じていた疑問を口にをするが、返って来たのは、これぞ魔女と言った笑い声であった。
ドロテアから聞かされた、イライジャという男の能力が、目の前の老婆を本当にただの老婆にしてしまうと、その身を案じたユーゴが、世界樹の存続が人種の生存に直結していることもあって、エルフの森への同行を決めた。
しかし世界の危機は思わぬところから始まっていた。
それは……。
◆
「やだああああ!いっちゃやだああああ!うえええええん!」
「パパもバーバもいっちゃやだああああ!びええええええ!」
クリスとコレットが、それはもう大泣きしていたのだ。
最近、一緒に遊んでくれた、グレンとジェナの双子と別れたばかりだったこともあり、自分の父親とお婆ちゃんが、どうやら遠くに出かけようとしている事を察した2人は、ユーゴにしがみ付いて、泣きながらなんとか引き留めようとしていた。
一方、世界の危機に対処しなければけない、彼等の父親と言えば……
「ぐすっ。ごめんよコレットぉぉ、クリスぅぅ……。ぐすっ。パパは、パパは行かないと行けないんだ。ごめんよおお……」
しゃがんで自分の子供達をぎゅっと抱きしめながら、マジ泣きしていた。
遂に子供達に引き留めて貰えた嬉し泣きなのか、本当に離れ離れになってしまって泣いているのか、どちらかは分からないが、あるいは両方、とにかく泣きながらコレットとクリスに謝り続けていた。
「コレット、ほら。パパを離してあげて」
「クリス、ママの所へ来て」
「やだああああああ!」
「うえええええええ!」
「もう…」
「どうしましょうか…」
頼りの母親、ジネットとリリアーナも、父親と離れたくないと泣く我が子を叱る訳にもいかず、なんとかユーゴから引き剥がそうとするも、子供達は必死に服にしがみ付いて抵抗を続ける。
「あはは。困っちゃいましたねえ……」
「じゃのう……」
「ほら、凛お姉ちゃんのクマさん人形だぞー」
「クリス坊ちゃま、コレットお嬢様。さあこちらへ……」
「ひっぐひっぐ」
「うえええええ」
他の家族もどうしたものかと、必死にあやしながら、最終兵器アレクシアが投入されたことで、何とか子供達の回収に成功する。
そしてもう片方の、世界の危機に対処しなければならない、ドロテアの方はというと……
「お婆ちゃん。気を付けてね…。ぐす」
「ああ、出来るだけ早く帰って来るからね」
涙ぐみながら自分を送り出そうとしている、ソフィアの頭を撫でながら、出来るだけ早く帰って来ると約束していた。
どれだけ時間がかかるか分からないにも関わらずだったため、かなりの罪悪感を感じながらであったが。
こうして世界を救うために出発しようとしている2人であったが、まさかの最大の障害、自分の身内に対して、完全に打ち負かされていたのであった。
◆
「ごめんよ…。ごめんよ…。ぐすっ。ちーん!」
「ふう…」
遂に屋敷を出たユーゴは、涙ぐんでティッシュで鼻をかみ。ドロテアは、ああ言ったが長引いたらどうするかと、両者既に疲労困憊と言った様子で、どう見たって今の2人は姿通りの、草臥れた中年とヨボヨボの老婆であった。
しかし、大陸の人種の運命が、この2人に懸かっているのは間違いなかった。
「そんでどうやってエルフの森へ行くんだ?あそこは直接転移出来んだろ?」
「いんや、私なら問題ないよ。まあ、飛ぶ先はエルフの森じゃなくて世界樹だけど、どっちも変わらんさ」
「ほほう」
古代から存在する世界樹を有するエルフの森は、神々や古代エルフが施した守りが未だに機能しており、転移ももちろん不可能なはずであった。
「そんじゃ行くよ」
「ほいさ」
しかし、ドロテアは何でも無いかのようにそう言い放つと、ユーゴの腕に触り、世界樹へと転移するのであった。
転移の魔道具ではなく、もう片方の手に持った、白い長杖を起動させて…。
◆
エルフの森 世界樹の下
「おおお!遠目では見た事あるけど、下から見るとすげえな!」
「写真を撮っといておくれ。ソフィアの土産にしないといけないからね。坊やも、クリスとコレットの分を撮るといい」
「おお!ナイスだ婆さん!あ、なんかお菓子とか売ってない?ここだけで売ってる」
「甘い樹液を混ぜ込んだ、クッキーみたいなのがある。子供用にはそれでいいだろう。大人連中には…茶葉かね」
「後でちゃんと買わないと」
大きな大きな、途方もなく巨大な一本の木。
世界の名を冠するだけはある巨木のすぐ下の、祭壇のような場所に転移して来たユーゴとドロテアであったが、その言動はどう考えたって観光客そのものであった。
「ん?でも人の気配が少ない様な…」
「ああ、ビムに言って第二都市みたいなとこに避難させてる。下手すりゃここら一帯が戦場だからね」
「そんなに面倒な奴らかい」
「5人目っていう、向こうの隠し玉しだいだけどね」
「さよけ」
さてどこで土産を買うべきかと、世界樹に背を向けて、下に広がる街並みを見たユーゴは、街からの気配が妙に少ないと感じたが、それはドロテアが"はじまり"の襲来に備えて避難をさせていたためで、竜の襲来を常に想定していたエルフの森は、こういった避難計画を未だに維持していた。
「あ、下から長老が上がって来てるぞ」
「ド、ドロテア様ぁ!言って下さったらお迎えしましたのに!」
「全く。もうちょっと落ち着けんものかね」
「前から思ってたけど、婆さん結構偉い人?」
「フェッフェッフェッ」
息を切らしながら、階段を上がっているビムの姿を見たドロテアの言葉と、転移した先が、いかにも立派で世界樹に最も近い祭壇だったこともあり、ユーゴは彼女に、前々から感じていた疑問を口にをするが、返って来たのは、これぞ魔女と言った笑い声であった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる