推し活するため、平民にならせていただきますわ!

ミルクラウン

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第一章

5話

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と、その議論を続けると一体いくつ話が消費されるか分かったものじゃないのでいったん切って、だ。



 平民になるための家事修行を始めた私は、もう一つの大きな壁にぶつかった。





 それは、バッドエンドの可能性である。





 ラビファンは、基本的にはイージーモードなゲームだが、エンドとしてはバッドエンドというものが存在する。『ヒロインは恋に敗れ、涙をこぼすのだった』みたいな感じのものだ。私はハッピーエンド狂信者なので、二種類のエンドがあっても極力バッドエンドは避けていた。しかし、中にはスチル回収や完全攻略のためにあえてバッドエンドをプレイする人種もいる。ありえない、と思いつつ疑ってしまうのは、私をラビファン沼に引きずり込んだ友人がまさにそのクチだったからだ。この世界がどういう理屈で成り立っていて、どういうわけで私がここにいるのかはさっぱりわからない。しかし、もし仮にこの世界が、前世の世界で誰かがプレイする用のゲームのなかで、それをプレイする人が友人のような完クリ主義者、あるいはバッドエンド信仰者だった場合_____私の計画はすべて破綻してしまう。



 なぜなら、どのルートにせよ、バッドエンドだった場合には、王子は嫌々ながらも予定通りにフィリアと結婚してしまうのだ。なぜならフィリアを弾劾することができないから。



 そのうえ王子ルートのバッドエンドでは、ルリアは涙しながらも王子とフィリアの結婚式にやってきて祝いの言葉を述べる。そんな健気な彼女に向って、「あら、負け犬が何を言っているのかしら?」と吐き捨てるのだ。神聖な結婚式でなんなんだこの女は!と怒り狂っていたのは友人だが、まったく同意見である。

そんな最悪なエンドを万が一にも迎えてしまうと、私はあのかわいいルリアちゃんに一生残るような傷を残し、王子の隣で妃として高笑いすることになる。

















 ……いや、最悪だろ!どう考えても最悪のバッドエンドだよそれ!













 ルリアちゃんを傷つける行為も最低だが、私的には王子と結婚するのも最低だ。何なら婚約もしたくなかった。なんていう失態をしているんだ過去の私。っていうかフィリア。

 別に特別王子が嫌いだったとかそういうことではない。けれど、今の私にとって1番重要なのは推しのことだ。













 妃になどなってしまったら、平民になるのが困難になってしまう!!それではノア君と会える夢すら消えてしまうでないか!!!!











 それだけはなんとしてでも避けなければならない。幸いにも、今の私は"あの"フィリアだ。順当にいけば、プレイヤーもこいつが幸福になることだけはあってはならないと躍起になってバッドエンドを回避してくれるはず。そのためにも!と私は意気込む。













 「なんとしてでも悪役令嬢に徹して皆に嫌われて、無事に平民になるのよ!」



















 先ほどまで転がっていたベッドから体を起こし、えいえいおー!と大きくこぶしを突き上げた。

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