県立冒険者高等学校のテイマーくん

丸八

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二章 相棒です

十五話

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「それがテイムしたエネミーか」
「はい、可愛いでしょ?」
「ちぅ」



 実習の課題を終え、白沢先生にテイムが出来た事を伝えると、またもや職員室に呼ばれた。もちろん、あの小部屋だ。

 白ネズミはダンジョンから出ても、なんの問題も無いようで、俺の肩でおとなしくしていた。

 だけど、クラスメイト達はそうはいかないようだった。特に女子。

 ほとんどの女子と一部の男子が、白ネズミにメロメロになってしまったんだ。

 可愛いからそれも仕方ないよね。

 ただ、白ネズミは俺以外には懐かず、警戒心をむき出しにして威嚇するので、遠巻きに見ているだけだったけどね。そこはやっぱりエネミーってことなんだろう。

 一応、襲ったらダメだと言い聞かせているので、他の生徒に危害をくわえる事は今のところしてない。

 自分にしか懐かないなんて、本当に可愛いわ。


「それで、そのエネミーの事なんだが」
「はい」


 白沢先生が撫でようとした指を噛まれそうになり、指を引っ込めたところで本題を切り出してきた。

 心なしか俺の事を羨ましそうに見てる気がするな。

 成績に響きそうだし、先生には愛想を振り撒いてくれると助かるかも。

 後でちゃんと言ってきかそう。


「しっかりお前に懐いてるようだし、言うことも聞いてるから、そのまま飼っていて大丈夫だ」
「ありがとうございます」
「ちぅ」


 白沢先生が冷静な大人で良かった。

 白ネズミが塩対応したからダメだって言われたらどうしようかと思った。


「それにあたって申請書を書いてもらわなきゃいけないんだが、とりあえずもう一度鑑定をさせてくれ」
「良いですけど」


 聞けばエネミーの飼育は、学校以外に自治体へも申請が必要なんだそうだ。

 まぁ、猛獣よりも危険なんだ。当たり前と言えば当たり前だよね。むしろ、そんな制度があることにビックリだ。

 エネミーは問答無用で駆除するもんだと思ってたからね。


「自治体へは学校側から申請しておく。その方が融通がきくからな」
「ありがとうございます」
「それで、そのエネミーの種族を確認しておきたいんだ。それから、お前のスキルもな」
「そういうことですか。分かりました」


 既に用意してあった鑑定宝珠に白ネズミを触らせる。後ろ足で立って前足をペタってくっつけてるのだが、これがまた可愛い。

 鑑定が終わったところで、結果がプリントアウトされる。

 結果はこんな感じ。

 種族:ウイングラット
 レベル:2
 HP:30
 MP:40
 筋力:G
 魔力:F
 体力:G
 器用:G
 敏捷:F
 幸運:E
 スキル:風魔法

 人間とエネミーは魔力の構造が少し違うから、きちんとした数値化は出来ないらしいので、アルファベット表記になるらしい。

 高い順からA~Gの7段階。強すぎて測定出来なくなったらSに振り分けされるみたいだ。

 こうしてみると、白ネズミはやっぱり弱いんだな。それとも、Eが1つ、Fが2つもあるだけまだ良いのかな。

 それよりスキルに風魔法があるのが驚いた。ダンジョンでは使ってる素振りが無かったからな。

 続いては俺のステータスだ。とはいえ、経費節減の為にレベルとスキルだけだけど。詳細に見ようとすると、魔力の消耗が凄いらしい。

 レベル:3
 ジョブ:初級テイマー
 スキル:危険察知、テイム(1/1)、魔獣使役

 新しく【魔獣使役】のスキルが生えていた。

 これはエネミーに言うことを聞かせる事が出来るテイマーのジョブスキルだそうだ。


「よしよし、ちゃんと【魔獣使役】があるな。これがあれば許可が下りやすい」


 流石に言うことを聞かせられないと、エネミーを連れ歩くのは難しいよな。

 その後は問題無く申請書を書き上げて渡すと、白沢先生はプリントアウトした資料を同封して、今日の用事は終了だ。
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