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四章 二体目ですよ
四十九話
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「ふぅ。いやぁ、豊作だったっスね」
一時間半くらいで森ゾーンは抜けた。距離はだいたい3kmくらいだろう。そこまで長い距離じゃなかったけど、出てくるエネミーの数が多かった。
流石にみんなの顔に疲労の色が浮いている。吉根の言葉は完全に空元気だな。
だけど、確かに実りはあった。
ドロップアイテムも、装備アイテムこそ落ちなかったものの、素材系はそれなりにドロップした。それに、虚もいくつか見付けて、ポーション類もゲットできた。
なによりレベルも上がったし、スキルも生えた。
俺はレベルが一つ上がり、スキルも【魔物感知】を覚えた。これはエネミーの位置が分かるというものだ。まだなんとなくしか分からないけど、それだけでも随分違う。
多分【危険察知】に頼らず、エネミーを索敵していたのが良かったんだろうな。
ツクモもレベルが一つ上がった。後でステータスを振らないとな。
前衛二人もスキルが生えたみたいだ。吉根が【鋭斬】で市場君が【強撃】だ。それぞれ剣や斧での攻撃力が上がるらしい。
階層主戦の前にパワーアップ出来たのは嬉しい。
泉ヶ丘さんと天子田さんもレベルが上がったようだ。おまけに天子田さんは【筋力上昇】 の常時発動スキルが生えたみたいだ。
「どう?少しは荷物持つの楽になった?」
森ゾーンを抜けて少ししたところで、昼休憩をとる事になったので、天子田さんにスキルの使用感を聞いてみた。
「あ、【重量軽減】もあるから随分と楽、ですよ」
天子田さんが言うには【筋力向上】と【重量軽減】のコンボで元の重さよりも七割くらいになってるそうだ。そうはいってもお弁当だけでも結構重そうだ。
基本的な体力があるだろうけど大変そうだな。
「そうなんだ。いくら役割っていっても荷物全部持たせちゃってごめんね」
「ホント申し訳ないっス」
「良いの良いの。本当に気にしないで」
毎回このやり取りだ。
そのうち魔法鞄が欲しいな。内容量が増えたり重量が軽減するらしいから、運搬は楽になりそうだ。
ただ、買うには高いし、ドロップするのを期待するならもっと脅威度の高いダンジョンじゃないとなかなか出てこない。
一年生の内はちょっと手が届かないなぁ。
「そういえばポーション結構あったっスね」
「あぁ、やっぱり人がこっちまで来てないのかな?」
「多分そっスね。それよりこういうポーションも拾ったらすぐに使えると良いんスけどね」
「ダンジョン内で使うなら申告はしなくて良いみたいだけど、鑑定しなきゃ怖くて使えないしなぁ」
「毒薬とHPポーションが同じ色とかどんな嫌がらせなんスかね」
ポーションが入ってる小瓶は、もちろんラベルも何も目印になるものは貼っていない。
色もどれも同じような色をしているので、見た目だけだと素人目には見分けがつかない。【鑑定】のスキルを使うしかないんだ。
学校では専門の職員さんが鑑定してラベルを貼ってくれる。間違えた時に誰が鑑定したのか分かるように、ラベルにはそれぞれの登録番号が記されている。
正規に出回っているポーションは、安全と断言できる程度には事故は起こっていない。
「わ、私」
「ん?」
「今、鑑定の勉強しているの」
「え、スゴいっスね」
鑑定をスキル化するには数十種類のアイテムを判別出来るようにならなくちゃいけないらしい。
なかなか条件が難しいスキルの一つだ。なので、【鑑定】のスキル珠は高額で取り引きされている。
「将来的に荷物係りを続けるなら必須っスもんね」
「そ、そうなの」
「アイテム使いの転職宝珠か【鑑定】のスキル珠が出れば良いんスけどね」
「そうしたら、天子田さんに使ってもらえるね」
支援職が有能だとダンジョン探索は格段に楽になるからね。天子田さんには是非【鑑定】を覚えて欲しいな。
一時間半くらいで森ゾーンは抜けた。距離はだいたい3kmくらいだろう。そこまで長い距離じゃなかったけど、出てくるエネミーの数が多かった。
流石にみんなの顔に疲労の色が浮いている。吉根の言葉は完全に空元気だな。
だけど、確かに実りはあった。
ドロップアイテムも、装備アイテムこそ落ちなかったものの、素材系はそれなりにドロップした。それに、虚もいくつか見付けて、ポーション類もゲットできた。
なによりレベルも上がったし、スキルも生えた。
俺はレベルが一つ上がり、スキルも【魔物感知】を覚えた。これはエネミーの位置が分かるというものだ。まだなんとなくしか分からないけど、それだけでも随分違う。
多分【危険察知】に頼らず、エネミーを索敵していたのが良かったんだろうな。
ツクモもレベルが一つ上がった。後でステータスを振らないとな。
前衛二人もスキルが生えたみたいだ。吉根が【鋭斬】で市場君が【強撃】だ。それぞれ剣や斧での攻撃力が上がるらしい。
階層主戦の前にパワーアップ出来たのは嬉しい。
泉ヶ丘さんと天子田さんもレベルが上がったようだ。おまけに天子田さんは【筋力上昇】 の常時発動スキルが生えたみたいだ。
「どう?少しは荷物持つの楽になった?」
森ゾーンを抜けて少ししたところで、昼休憩をとる事になったので、天子田さんにスキルの使用感を聞いてみた。
「あ、【重量軽減】もあるから随分と楽、ですよ」
天子田さんが言うには【筋力向上】と【重量軽減】のコンボで元の重さよりも七割くらいになってるそうだ。そうはいってもお弁当だけでも結構重そうだ。
基本的な体力があるだろうけど大変そうだな。
「そうなんだ。いくら役割っていっても荷物全部持たせちゃってごめんね」
「ホント申し訳ないっス」
「良いの良いの。本当に気にしないで」
毎回このやり取りだ。
そのうち魔法鞄が欲しいな。内容量が増えたり重量が軽減するらしいから、運搬は楽になりそうだ。
ただ、買うには高いし、ドロップするのを期待するならもっと脅威度の高いダンジョンじゃないとなかなか出てこない。
一年生の内はちょっと手が届かないなぁ。
「そういえばポーション結構あったっスね」
「あぁ、やっぱり人がこっちまで来てないのかな?」
「多分そっスね。それよりこういうポーションも拾ったらすぐに使えると良いんスけどね」
「ダンジョン内で使うなら申告はしなくて良いみたいだけど、鑑定しなきゃ怖くて使えないしなぁ」
「毒薬とHPポーションが同じ色とかどんな嫌がらせなんスかね」
ポーションが入ってる小瓶は、もちろんラベルも何も目印になるものは貼っていない。
色もどれも同じような色をしているので、見た目だけだと素人目には見分けがつかない。【鑑定】のスキルを使うしかないんだ。
学校では専門の職員さんが鑑定してラベルを貼ってくれる。間違えた時に誰が鑑定したのか分かるように、ラベルにはそれぞれの登録番号が記されている。
正規に出回っているポーションは、安全と断言できる程度には事故は起こっていない。
「わ、私」
「ん?」
「今、鑑定の勉強しているの」
「え、スゴいっスね」
鑑定をスキル化するには数十種類のアイテムを判別出来るようにならなくちゃいけないらしい。
なかなか条件が難しいスキルの一つだ。なので、【鑑定】のスキル珠は高額で取り引きされている。
「将来的に荷物係りを続けるなら必須っスもんね」
「そ、そうなの」
「アイテム使いの転職宝珠か【鑑定】のスキル珠が出れば良いんスけどね」
「そうしたら、天子田さんに使ってもらえるね」
支援職が有能だとダンジョン探索は格段に楽になるからね。天子田さんには是非【鑑定】を覚えて欲しいな。
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