48 / 91
四章 二体目ですよ
四十八話
しおりを挟む
「ん?普通だな」
森ゾーンの中はいたって普通だった。前回のような不自然な程の静けさがなかった。
やはり前回がイレギュラーだったんだろうな。
辺りを警戒しながら進む。パーティーから離れている事によって、【危険察知】の反応が変わる。俺以外のメンバーが襲われる時にほとんど反応しなくなるんだ。
逆に言えば、エネミーの反応を察知するスキルが生えるチャンスだ。
「あ、市場君。右手に蛇が!」
「おう!」
下生えが揺れてるのを【遠見】で注視すれば、茶色と黒の斑模様のブッシュスネークがいるのを発見。色が今までの緑色とは違うから、変異体や上位種の可能性もあるな。
俺の声に市場君が反応する。すぐにブッシュスネークを捕捉出来たようだ。
ブッシュスネークが攻撃してくる前に戦斧で下生えごとズドンと叩き切った。豪快だな。
後には魔石と蛇皮が残る。どうやら装備品じゃなくて素材のようだ。
天子田さんが回収していると、今度は前方から三体のワイルドドッグが走ってきた。既に吉根も気付いており、臨戦体勢を整えている。
「前に犬三体!」
「了解っス」
「はい!」
おっと、こっちにもブッシュスネークだ。【危険察知】の警告音のままに顔を上げると三匹のブッシュスネークが幹を這い下りてきた。
「ツクモ、コイツらはこっちで処理しよう」
「ちぅ」
ツクモは返事をするが早いか、【突風】を放つ。ブッシュスネークを三匹とも巻き込んで吹き荒れた魔法は、二匹のブッシュスネークを魔石に変える。
「トドメ、っと。後続はいないな」
棒でブッシュスネークの頭を潰して止めを刺す。
下を見ると、吉根達も危なげなくワイルドドッグを駆除していた。
「エネミー多いね」
「そう、ね」
魔石を天子田さんに届ける序でに声をかける。袋の口を広げて差し出してくれたので、その中にブッシュスネークの魔石をいれる。チャリチャリと魔石同士が当たる音が心地いい。
「いくら奥の方っていっても一層目からこんなにエネミーでるんスね」
「まだこっちの方に来る連中が少ないのかもしれんな」
「あぁ、八剣達の件でビビってる連中も結構いたっスね」
駆除する数よりリポップする数の方が多いから、エンカウントの頻度が高いんじゃないかと市場君が言う。
八剣君のパーティーが入院したことで、怖がってる人も多いみたいだ。
入院っていっても、既に傷は治って退院しているらしいけど、全滅のインパクトは大きかった。
特に女子は少し尻込みしている子が多いようだ。命に別状がなくても傷跡が残るのは普通なら嫌だろうしね。
「泉ヶ丘さんと天子田さんは大丈夫?無理してない?」
「あたしはリクを信頼してるから」
言って顔を赤らめる泉ヶ丘さん。さりげなく惚気られたな。市場君も照れながら頭を掻いている。
実際、市場君の戦斧は【剛力】と相まってかなりの威力だからね。頼もしいダメージディーラーだよ。
「わ、私もみんなの事信頼してる、から」
「信頼してくれて嬉しいっスね」
そう言いながら、拾い集めた魔石を天子田さんに渡す吉根。
天子田さんは黙って袋の口を締めると、リュックに入れて背負い直す。
「連携もとれるようになってきたし、よほどの事がないかぎり逃げることぐらいはできるだろ」
「そっスね。頼りにしてるっスよ、斥候さん」
「頼りにするのは良いけど、丸投げすんなよ。ちゃんと自分たちでも警戒するんだぞ」
「はいはい」
「了解っス」
「お前らなぁ」
軽口を叩きあいながら隊列を整える。硬くなり過ぎない雰囲気は良い結果を生みそうだ。
森ゾーンの中はいたって普通だった。前回のような不自然な程の静けさがなかった。
やはり前回がイレギュラーだったんだろうな。
辺りを警戒しながら進む。パーティーから離れている事によって、【危険察知】の反応が変わる。俺以外のメンバーが襲われる時にほとんど反応しなくなるんだ。
逆に言えば、エネミーの反応を察知するスキルが生えるチャンスだ。
「あ、市場君。右手に蛇が!」
「おう!」
下生えが揺れてるのを【遠見】で注視すれば、茶色と黒の斑模様のブッシュスネークがいるのを発見。色が今までの緑色とは違うから、変異体や上位種の可能性もあるな。
俺の声に市場君が反応する。すぐにブッシュスネークを捕捉出来たようだ。
ブッシュスネークが攻撃してくる前に戦斧で下生えごとズドンと叩き切った。豪快だな。
後には魔石と蛇皮が残る。どうやら装備品じゃなくて素材のようだ。
天子田さんが回収していると、今度は前方から三体のワイルドドッグが走ってきた。既に吉根も気付いており、臨戦体勢を整えている。
「前に犬三体!」
「了解っス」
「はい!」
おっと、こっちにもブッシュスネークだ。【危険察知】の警告音のままに顔を上げると三匹のブッシュスネークが幹を這い下りてきた。
「ツクモ、コイツらはこっちで処理しよう」
「ちぅ」
ツクモは返事をするが早いか、【突風】を放つ。ブッシュスネークを三匹とも巻き込んで吹き荒れた魔法は、二匹のブッシュスネークを魔石に変える。
「トドメ、っと。後続はいないな」
棒でブッシュスネークの頭を潰して止めを刺す。
下を見ると、吉根達も危なげなくワイルドドッグを駆除していた。
「エネミー多いね」
「そう、ね」
魔石を天子田さんに届ける序でに声をかける。袋の口を広げて差し出してくれたので、その中にブッシュスネークの魔石をいれる。チャリチャリと魔石同士が当たる音が心地いい。
「いくら奥の方っていっても一層目からこんなにエネミーでるんスね」
「まだこっちの方に来る連中が少ないのかもしれんな」
「あぁ、八剣達の件でビビってる連中も結構いたっスね」
駆除する数よりリポップする数の方が多いから、エンカウントの頻度が高いんじゃないかと市場君が言う。
八剣君のパーティーが入院したことで、怖がってる人も多いみたいだ。
入院っていっても、既に傷は治って退院しているらしいけど、全滅のインパクトは大きかった。
特に女子は少し尻込みしている子が多いようだ。命に別状がなくても傷跡が残るのは普通なら嫌だろうしね。
「泉ヶ丘さんと天子田さんは大丈夫?無理してない?」
「あたしはリクを信頼してるから」
言って顔を赤らめる泉ヶ丘さん。さりげなく惚気られたな。市場君も照れながら頭を掻いている。
実際、市場君の戦斧は【剛力】と相まってかなりの威力だからね。頼もしいダメージディーラーだよ。
「わ、私もみんなの事信頼してる、から」
「信頼してくれて嬉しいっスね」
そう言いながら、拾い集めた魔石を天子田さんに渡す吉根。
天子田さんは黙って袋の口を締めると、リュックに入れて背負い直す。
「連携もとれるようになってきたし、よほどの事がないかぎり逃げることぐらいはできるだろ」
「そっスね。頼りにしてるっスよ、斥候さん」
「頼りにするのは良いけど、丸投げすんなよ。ちゃんと自分たちでも警戒するんだぞ」
「はいはい」
「了解っス」
「お前らなぁ」
軽口を叩きあいながら隊列を整える。硬くなり過ぎない雰囲気は良い結果を生みそうだ。
11
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
他人の寿命が視える俺は理を捻じ曲げる。学園一の美令嬢を助けたら凄く優遇されることに
千石
ファンタジー
【第17回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞】
魔法学園4年生のグレイ・ズーは平凡な平民であるが、『他人の寿命が視える』という他の人にはない特殊な能力を持っていた。
ある日、学園一の美令嬢とすれ違った時、グレイは彼女の余命が本日までということを知ってしまう。
グレイは自分の特殊能力によって過去に周りから気味悪がられ、迫害されるということを経験していたためひたすら隠してきたのだが、
「・・・知ったからには黙っていられないよな」
と何とかしようと行動を開始する。
そのことが切っ掛けでグレイの生活が一変していくのであった。
他の投稿サイトでも掲載してます。
※表紙の絵はAIが生成したものであり、著作権に関する最終的な責任は負いかねます。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる