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四章 二体目ですよ

六十二話

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「やっぱりダンジョンは何が起こるか分からないね。あんな浅い場所でエネミーネストが発生するなんて思わなかったよ」
「ちぅ」


 一日を終え、ベッドの上に横たわる。寝る時はマッパなんだけど、干したばっかりの布団の感触が気持ちいい。出掛ける前に干しておいて良かったよ。

 ツクモは机の上をチョロチョロしている。排泄行為をしないし、言うこともよく聞くから、ゲージの類いは置いていない。基本的に部屋の中では自由にさせている。

 個室だから出来ることだよね。


「おっと、そうそう。ツクモもレベル上がったからステータス割り振らなきゃね」
「ちぅ!」

 早速、【能力閲覧】でツクモのステータスを呼び出す

 レベルが2上がったから、獲得したSPは6だ。ちなみに俺も一つレベルが上がっている。角大蛇とエネミーネストで随分と経験値を稼いだ感じだね。

「とりあえず体力と器用は10まで上げちゃおう。すると、残りは1だからこれは魔力だな」


 割り振ったらこんな感じだ。


 ツクモ
 種族:ウイングラット
 レベル:8/50
 進化:13/100

 HP:80
 MP:210
 筋力:2
 魔力:26
 体力:10
 器用:10
 敏捷:13
 幸運:13
 残りSP:0


 筋力以外は全部二桁になったな。

 筋力に関しては今のところ必要性を感じないからこのままでも良いかなって思ってる。


「さて、ステータスも振ったし、明日に備えてそろそろ寝ようかな」


 ちょっと頭を使ったら眠くなってきた。思わずアクビが出ちゃうな。

 明日は久しぶりに学校外に出ようと約束している。文化祭用のキットを部活のみんなで買いに行くんだ。

 普段は通販で買ってるけど、たまには実物を見ながら選びたい。

 他に新しい工具も欲しいし、塗料やパテなんかの材料も買いたい。川上先輩が言うには部費がわりと多いから、金銭的な心配はあまりしなくても良いとのこと。

 そんなの聞いたらウキウキだよね。

 まぁ、実習が始まって魔石やドロップアイテムの売上があるから、お小遣いにはそれほど苦労していない。

 学費もほとんどかからないしね。細かい文房具なんかは自分で買うけど、後は無償だ。というかダンジョンから得る利益で賄ってるみたい。よく知らないけどね。

 ツクモの魔石代がちょっとかかるくらいだけど、その分ツクモがいるお陰でエネミーを駆除出来てるからマイナスにはなってない。

 魔石は毎回ダンジョンに入る度に三つずつあげている。それは火曜日と水曜日の実習でドロップしたものを売らずに手元に置いている分だ。


「そういえば、ツクモは初めて学校の外に行くんだったね」
「ちぅ」


 学校の外って言われてもあんまりピンと来てないようだ。

 まあ、学校の敷地とかそういうのは人間が勝手に決めてるだけだから、エネミーにはあんまり関係無いんだろう。


「人が多い所も行くから、はぐれないようにね」
「ちぅ!」


 ツクモは分かったというように頷いた。賢いし、可愛いな。


「じゃ、そろそろ寝ようか。おやすみなさい」
「ちぅ」


 俺は明かりを消すと、布団の中に潜るのだった。
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